知っておきたい「給湯省エネ2026事業」とうれしい補助金の話

住宅の省エネ化を国が推進するなか、毎日の「お湯」の選び方は大切なポイントです。住宅ジャーナリストの山本久美子さんが、賢く家計と地球を支える「給湯省エネ2026事業」の仕組みや機器選び、補助金の利用法をわかりやすく解説します。

目次

住宅省エネキャンペーンで、給湯器も補助金の対象に

政府は、「カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする)」の実現を目指して、住宅に関する省エネ化を推進しています。住宅の省エネ化のために、高い目標を設けていますが、その一方で、費用負担を軽減するために補助金などを用意しています。

たとえば、2023年度からは環境省・経済産業省・国土交通省の3省で連携してワンストップで補助金の申請ができる「住宅省エネキャンペーン」を展開しています。2026年度もこのキャンペーンが実施され、個人が対象となる補助金の事業は次の3つになります。

  • 先進的窓リノベ2026事業(開口部の断熱改修)
  • 給湯省エネ2026事業(高効率給湯器の設置)
  • みらいエコ住宅2026事業(住宅の構造部分の断熱改修・開口部の断熱改修・エコ住宅設備の設置等)
このように、エネルギー効率の良い給湯器(高効率給湯器)を設置することも、補助金の対象になっています。

「高効率給湯器」とは?

では、高効率の給湯器とはどんなものでしょう?

「高効率給湯器」とは、従来の給湯器よりも少ない燃料(ガス・電気)で効率的に湯を沸かせる省エネ設備です。という説明だけではわかりづらいのですが、一般的には、「エコジョーズ」や「エネファーム」「エコキュート」といったブランド名のほうが知られていると思います。

補助金がもらえる「給湯省エネ2026事業」の対象となる機器は、その中でも一定の性能を有した、次のものに限られます。

  • エコキュート(ヒートポンプ給湯器)
  • ハイブリッド給湯器(電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯器)
  • エネファーム(家庭用燃料電池)

出典:経済産業省 資源エネルギー庁の「給湯省エネ2026事業」リーフレットより転載
https://kyutou-shoene2026.meti.go.jp/leaflet-download/

それぞれの給湯器の違いを説明すると専門的な話になりますので、ポイントになる点のみ説明しましょう。

まず、「エコキュート」は、エアコンなどにも使われている、ヒートポンプの技術を利用したもので、簡単に言うと、大気の熱をヒートポンプで圧縮して少ない電力でお湯をつくるものです。使う電力は夜間の低額な電力となるので、電気代を抑えることができます。

「ハイブリッド給湯器」は、電気のヒートポンプとガス給湯器(エコジョーズ)を組み合わせて効率よく給湯するものです。使用するエネルギー源は、電気とガスの両方になりますが、湯量が必要な時はガスで瞬時にお湯を沸かすので、湯切れの心配がありません。

「エネファーム」は、ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と化学反応させて発電し、同時にお湯をつくる家庭用燃料電池システムです。給湯機能だけでなく、発電もするのがポイントです。

いずれも、CO2の排出を減らし、光熱費を抑えることができるなどのメリットがあります。ただし、設置するための費用は従来の給湯器よりも高額になります。また、いずれの場合も、お湯を貯めるタンクを付属しているので、設置するにはそれだけのスペースを必要とします。

給湯器設置の補助金はいくら?

「給湯省エネ2026事業」の対象となる機器は、補助対象製品として登録された製品に限られます。また、いずれもインターネットに接続して、天気などと連動してより効率よく稼働できることなどが求められます。

このように性能が高い分だけ機器や工事費が上がるので、その一部を補助金で補おうというのが補助金の狙いです。設置にかかる費用が高額になるほど、補助金も多くなる形です。補助額は、それぞれのタイプごとに1台当たり7万円~17万円が基本額となり、さらに高い性能を持つ給湯器であれば補助金が加算される場合もあります。

また、給湯器の設置に合わせて、既存の「電気蓄熱暖房機」や「電気温水器」の撤去工事を行う場合は「撤去加算」が受けられます。

出典:経済産業省 資源エネルギー庁の「給湯省エネ2026事業」リーフレットより転載 

補助金を利用する際の注意点は?

補助金を利用するには、該当の給湯器を設置する以外にも、さまざまな条件があります。こうした条件を住宅の所有者個人がすべて判断するのは難しいため、事務局に登録された住宅省エネ支援事業者(高効率給湯器の販売事業者、ハウスメーカー、エネルギー小売事業者等)が代わって申請手続きを行います。

そのため、「給湯省エネ2026事業」の適用を受けるには、登録事業者と工事請負契約や売買契約などの契約を締結し、対象機器を設置することが不可欠となります。補助金は、契約を締結した事業者を通じて、契約代金に充当されるか、キャッシュバックされる形で還元されます。

また、この補助事業は令和7年度補正予算に基づくものなので、最長で2026年12月31日までで、予算上限に達したら終了するといった期限があることも大きな注意点です。

なお、登録事業者は、「住宅省エネ2026キャンペーン」公式サイト内の「補助金利用を相談できる事業者(住宅省エネ支援事業者)の検索」で探すことができます。

事業者選びのポイントは?

説明してきたように、補助金を的確に受け取るためには、この事業の詳細に通じた登録事業者を選ぶことがポイントになります。

一方で、給湯器は日々の生活に密着したものなので、エネルギー源が電気かガスか、毎日どの程度の湯量を使うか、設置場所はあるかなど、使う人の状況に応じたものを選択することも大切です。初期費用とランニングコストも異なるので、トータルで考えるのがよいでしょう。

特に、注文住宅やリフォームなどで自身が給湯器を選択できる場合は、補助金だけでなく、ライフスタイルなどに適したものか、コストはどうなるかなどについてもよく相談するとよいでしょう。

なお、高効率給湯器のなかには、災害時に貯湯タンクの水を生活用水に使えるものも多いですし、ハイブリッド給湯器なら電気とガスのどちらかが停止しても給湯できる、エネファームなら停電時にガスと水道が供給されていれば給湯や発電もできるなど、災害時に強いメリットもあります。給湯器それぞれの特徴をよく理解したうえで選ぶことも大切なことです。

こうした要望に応えられる、信頼できる事業者を選びたいものです。

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