相続トラブルの理由トップ5は?
多くの人が関わる可能性のある相続は、感情的かつ経済的なトラブルに発展する可能性があります。主にどんなことが発端になるのでしょうか。
アンケートによると、トラブルの理由のトップ5は「遺言書がなかった」(34.2%)、「相続人同士の仲が悪かった」(25.0%)、「特定の相続人が財産を独占しようとした」(22.5%)、「親の財産をまとめるのに苦労した」(20.8%)、「実家の不動産の分け方でもめた」(18.3%)という回答でした。
相続のトラブルは複雑に絡まっていますが、具体的に経験したエピソードを聞きました。
「遺言書を公正証書遺言にしていなかったので、財産分けで不公平があった。また1人強欲な相続人がいたため、費用をすべて被ってしまい不公平な分け方となった」(46歳・女性)
「法定相続人が兄弟3人(男2人・女1人)であったが、長女(第2子)が本来末っ子に相続される財産の一部を強引に奪い取り、後味の悪い結果になった。父親は長女の性格を知っており、このようになることを危惧はしていたが、遺言書を残していなかったのが残念。以降は兄弟仲が悪くなり、長女は自分の子の結婚式にさえ兄弟を呼ばなかった」(66歳・男性)
「自分が相続予定の不動産の相続放棄を認めないと、遺産である預金を渡さないと、もう1人の相続人である妹から言われた。預金の相続金額が妹の口座に振り込まれていたので、従わざるを得なかった」(68歳・男性)
「突然死のため財産の把握ができておらず、分割協議が難航した」(41歳・男性)
「弟が実家に住んでいて『父の面倒を見たのは自分なので遺産を放棄してほしい』と迫られた」(71歳・女性)
「不動産の所在地が遠方にあり、また相続人も各自遠方のため書類処理等に時間と手間がかかった」(74歳・男性)
「(遺産の)何がどのくらいあるかが明確ではなく、姉一人が把握しており不信感がつのった」(73歳・女性)
「どこの銀行にいくら入っているのか分からずじまいだったので、調べるのに苦労した」(61歳・女性)
「田畑を含む土地の権利関係を明らかにするのに、時間と労力を要した」(69歳・男性)
「親の家が2件あったが、相続人の1人が両方の家をもらうと言った」(66歳・女性)
「妹が母の認知症を利用して、自分に都合のいい遺言書を書かせ、思いのままに行動してほとんどの遺産を自分のものにした」(69歳・男性)
「義理の兄嫁が相続人4人の中に割って入り、何かにつけて口出しした。たしかに兄嫁は義理の父母の面倒を生前見たのでそのようなことに及んだものと思われた。兄弟4人はそれを承知していたので、兄嫁の言い分を100%くみ5人相続とした」(82歳・男性)

実家の相続を迎える人へ伝えたいメッセージは?
これから相続を経験する人に向けて、後悔しないためのアドバイスをいただきました。
「相続後に兄弟仲が悪くなるという例は非常に多いので、親には必ず遺言書を残すよう勧めてほしい」(66歳・男性)
「親が公正証書の遺言書を作成をしても、遺留分という相当大きな額が兄弟間では発生するので、その点を考慮して遺産分割に備えたほうがよい」(77歳・女性)
「言いにくいことであるが、被相続人にはなるべく財産目録を作るよう促す必要がある。相続人が多い関係では、特に必要になる」(79歳・男性)
「不動産が誰の名義になってるのかをしっかりと確認しておくこと」(59歳・男性)
「今はインターネットでいろいろなことを調べることができるので、弁護士に頼むときでも、自分たちで勉強していくことが必要」(66歳・女性)
「財産を整理し、最新の価値を数字化しておき、負債などマイナス面の洗い出しをして分配者と共有する」(64歳・男性)
「時間が経ちすぎると多大な費用がかかることがあります」(69歳・男性)
「遺産を欲しがらないこと」(53歳・女性)
いかがでしたでしょうか。相続の経験者ならではのリアルな声をたくさんお寄せいただきました。ぜひ、今回のアンケート結果をお役立ていただければ幸いです。
- 本記事の内容は2025年7月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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