告白! 私が経験した「不動産の相続トラブル」
不動産の相続トラブルには、特定の相続人が独り占めしようとしたり、売りたい相続人と残したい相続人の意見の不一致など、様々がケースがあります。その中でも印象的なエピソードをご紹介します。
「兄が実家を管理していて、私は実家から離れて暮らしています。両親が他界し、兄が家を売りましたが、名義は兄弟のものになっていました。私にもお金が入るべきでしたが、まったく応じてもらえず。これ以上もめるのも嫌なので諦めました」(43歳・女性)
「相続人は私と実姉の2人。実家(一軒家)を売るのか貸すのか、グダグダして解決しないまま、払いたくもない固定資産税を払い続けています。血族と言えども、意見が違えば嫌な他人と同等です」(63歳・男性)
「土地・建物の評価額などが原因で、金額の主張の違いでもめました。裁判で調停沙汰になり、やっと解決しました」(62歳・男性)
「先祖代々の土地なので残して欲しい親戚と、維持費も手間もかかるのでできれば早く手放したい自分たちの間で少しもめました。結局のところ、場所的にも広さ的にも買い手がすぐつかなそうなので、しばらく様子見となっています」(44歳・女性)
「父名義の土地建物の相続で、前妻の子どもが2人おりました。所在を調べると遠方に住んでいたため、遺産分割協議書に印鑑をもらうのに大変苦労しました。結局弁護士に依頼し、代償金を支払い解決しました」(44歳・女性)
「誰も欲しがらないであろう山間地を残しておくか処分してしまうか、結論が出ない状況が続いています」(50歳・女性)
「両親の面倒を全く見なかった義理の姉が、相続が始まったとたん、強欲で『もっともっと』と要求してきました。話し合いにならないので、言うとおりに相続させました。以後、夫が兄弟の縁を切りました」(66歳・女性)
「相続を約束されていた土地がありましたが、親に『全資産を他の兄弟に渡す』と遺言書に書かれました。死亡前に把握しましたが、公正証書遺言を作られておりどうにもならなくなっていました。やむなく親から買い取りました」(55歳・男性)
「祖父から父に名義変更されないまま父が亡くなったので、売却をしようとしましたが手間が大変でした」(51歳・女性)
「ほとんど価値のない物件だったが、倒木などの対応が必要で管理費がかさむ一方。連絡のとれない親族がおり、処分するにも費用を負担するのも合意形成ができないまま十年以上経過。結局、親族の一人が自費で名義人変更をしてくれ、0円物件に登録しなんとか処分できました」(55歳・男性)
今だから断言できる! 争族にならないためのアドバイス!
相続問題は事前に対処することで避けることができます。いまから考えるべきこと、動くべきことを聞きました。
「やはり親が生前しっかり法律に有効な方法で整理しておくべきだと思います」(43歳・女性)
「どんな約束でも契約書にしてステークホルダー間にて保持すること。兄弟でまさかという思い。お金に関して人を信用してはダメなんだと思いました」(59歳・男性)
「親が痴ほうになる前に、家族全員でよく話し合いをすること。ドラマではよく見たが、まさか自分がこのような目に合うとは夢にも思っていませんでした」(68歳・男性)
「父母に離婚歴があり、子どももいる場合は要注意。生前に贈与を受ける『相続時精算課税制度』や遺言書・公正証書を作成しておくべき。まだ先のことととらえず、弁護士等に相談しておきましょう」(44歳・女性)
「事前に記録を取っておくこと。写真でも何でもいいので、相手(他の相続人)との会話の記録は大切だと思います」(45歳・男性)
「相続で紛議にならないためにも、事前に知識を身に付け、しっかりと準備することが肝要です」(54歳・男性)
「一方的に約束を反故にされ、非常に腹立たしかった。口頭で約束したことは信用しないことです」(55歳・男性)
「欲を出さないこと。不動産を取得すると後の処分が大変な場合があります」(60歳・男性)
「相続しても空き家にしておくと親族からいろいろなことを言われます。住むか売却するかを早く決断した方がいいです」(55歳・男性)
「義母はお葬式をどのようにしたいかや、財産の話や断捨離をしないで亡くなりました。やはり遺言を残してもらうのがよいと思います」(56歳・女性)
いかがでしたでしょうか。経験者ならではのリアルすぎるエピソードをたくさんお寄せいただきました。ぜひ、皆様の人生設計の一助としてお役立ていただければ幸いです。