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北欧インテリアの最新トレンドと居心地のよい部屋のつくり方

さまざまなインテリアがある中で、世代を問わずに人気が高いのが北欧スタイルです。シンプルで洗練されたデザインや木を活かしたナチュラルな質感などをイメージしますが、最新のトレンドに変化はあるのでしょうか。北欧インテリアに定評のあるライフスタイルストア「アクタス」のバイヤー、花登拓弥さんに伺いました。北欧インテリアを取り入れるコツも教えていただきましたので、家で過ごす時間を豊かにしたいと思っている人は必見です。

目次

進化をつづける、北欧インテリアのいま

北欧インテリアとは、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどの北欧諸国をルーツとする家具のこと。機能美を重視したシンプルなデザインの木製家具という印象がありますが、「昨今の北欧家具は一つで括れないほど多彩な魅力を持っています」と話すのは、「アクタス」で輸入家具のバイヤーを務める花登拓弥さんです。

「そもそも北欧家具は時代とともに変遷があり、1950年代から70年代のいわゆる黄金期につくり出されたのは無駄のないミニマルなデザインの木材を使った家具でした。Yチェアをはじめ、名作家具が生み出されたのがこの時代です。その後、1980年代の衰退期を経て、2000年初頭に『ニューノルディック』という、北欧の中でも新しい形のデザインが芽吹きました。ビビッドなカラーや、大理石などさまざまな素材を使った家具が生まれ、その素晴らしさが再認識されたのです」

アクタスのバイヤー・花登拓弥さんはデンマーク、スウェーデン、イタリア、ドイツなどヨーロッパからの輸入を担当。デンマークで毎年開催される北欧最大級のデザインイベント「3days of design(スリーデイズ・オブ・デザイン)」は欠かさず視察に訪れている。

この潮流はさらに広がり、昨今は素材も形もさまざまな家具が生み出されています。例えば、北欧にルーツのある「NATADORA(ナタドラ)」とアクタスが共同開発した「KORA(コーラ)」のダイニングテーブルは、どっしりとした木の一本脚と円形大理石の天板を組み合わせた斬新なデザイン。あえて異質な素材をミックスさせることで、豊かな表情を楽しめるというわけです。

「KORA」のダイニングテーブルは、木の皮をつぎ合わせたような一本脚がまるで床から生えているかのよう。天板は大理石のほか、オーク材なども選べる。椅子はドイツ「TECTA(テクタ)」の “D42チェア”。(写真提供:アクタス)

一方、空間づくりにおいてもすべて北欧で統一する流れから、自分の好きな形や素材を自由にミックスするスタイルへと変化しているそうです。

「5、6年前に起きた『ジャパンディ』というムーブメントはその一つ。これは日本の『和』の要素と北欧デザインを融合させた空間スタイルです。また、アクタスの売り場でも北欧とイタリア、北欧とドイツなど自由に組み合わせた空間を提案していますし、お客さまの傾向としても木のテーブルにスチールのチェアを合わせるようなことが当たり前になってきています」

アクタスが提案する空間スタイルの1つ、“BASIC & PLAYFUL”。北欧のエッセンスをちりばめながら、パステルカラーを取り入れて軽快な印象に。(写真提供:アクタス)
こちらは“NORDIC MODERNITY”として提案されているダイニングスペース。北欧の定番デザインをモチーフにつくられているオリジナルブランド「SOUP(スープ)」のダイニングテーブルに、同ブランドのSOUPチェア(左)とドイツの「TECTA(テクタ)」の B40チェアを配して素材の色合いやテクスチャーを生かした、こだわりあるスタイルに。(写真提供:アクタス)

自分の時間を棚卸しして、好きな居場所をつくる

では、北欧のテイストを取り入れながら自分好みの空間をつくるにはどうしたらよいのでしょうか。

「お客さまには『過去の自分の時間を棚卸ししてみてください』とお伝えしています。一日の中で一番よくいる場所や好きな場所をまず探し、その空間に『好きだな』『素敵だな』と思った家具を取り入れてみる。例えば、ダイニングで過ごす時間が長いなら、好みの北欧の椅子を1脚だけ買ってみるとか。リビングが好きなら北欧のサイドテーブルを加えるのもよいでしょう。それをベースにして、似合う家具を少しずつ増やしていくと、居心地のよい空間が自然と組み上がっていくでしょう」

空間づくりというと、ソファやダイニングテーブルなど大きな物に目が行きがちですが、小さいものからイマジネーションを広げていくほうが純粋にインテリアを楽しむことができるといいます。

この時、照明にも工夫すると、空間の心地よさがより鮮明になります。

「日照時間の短い北欧では照明がとても大事にされ、明かりが灯ると心躍るようなものやアート性が高いものが好まれます。日本では照明をつける時間はそれほど長くありませんが、限られた時間だからこそ好きなデザインを選んで遊んでいいと思います」

花登さんによれば、北欧家具だから照明も北欧に……というしばりはない。例えば、イタリアの照明はガラス使いが巧みでアート性が高く、空間がグッと華やかに。対して、北欧は空間に馴染むデザインが多く、リネンや和紙といった自然素材を使ったものが最近のトレンドとか。

あるいは、空間によって照明のテイストを替えてみるのも一つの方法です。光のニュアンスで雰囲気が変わり、ゾーニングにも活躍します。

「照明にはペンダントライト、フロアランプ、テーブルランプなどいろいろありますが、ちょっと気分を変えたいなら持ち運びできるポータブルランプという形式の照明もあります。最近はスマホやタブレットを見るなど、家の中で個の時間が増えていますよね。そのとき自分がいるスペースだけを灯すライトがあると、個の時間がより豊かになるんです。最近はデンマークの『Louis Poulsen(ルイスポールセン)』をはじめ、北欧のブランドもポータブルランプに力を入れ、吊り下げ式などいろいろなタイプが出てきています。自分らしいランプを選ぶのは楽しいと思いますよ」

「ルイスポールセン」の“PH80 ポータブルランプ”。PH80は1974年に発表されたPHシリーズの1つ。複数のシェードによって温かみのある光が広がる。(写真提供:アクタス)
「Secto Desin」の“Octo 4240”。木材の連続したパターンを繋ぎ合わせてスリットをつくることで抜け感を生み出し、圧迫感がなく空間が遮蔽されないデザインになっている。金属が主流な北欧照明の中で、あえてフィンランド産のバーチ材を使用することで木材がもたらす温かみと家具とのシナジーが感じられるフィンランド製の照明。スリットから漏れる光がやんわりと空間に明かりを灯し、落ち着いた空間をつくり上げてくれる。(写真提供:アクタス)

手入れをしながら永く愛せる、北欧家具の本当の魅力

こうした新たな潮流がある一方で、昔から変わらぬデザインが今なお愛されているのも北欧インテリアの特徴といえるでしょう。

ソファではデンマークの「eilersen(アイラーセン)」が挙げられます。

「1895年の創業以来、130年にわたってソファの快適性を追求し続けているのがアイラーセン。トレンドに左右されないミニマルなデザインと実直なものづくりによる高い品質は本国で高い評価を得ています。アクタスでは販売を始めて30年以上経ちますが、今も多くのお客さまに支持されています」

見た目の美しさと快適な座り心地を追求したアイラーセンのRAショートバックソファ。ドイツ「テクタ」のサイドテーブルとも相性がよい。(写真提供:アクタス)

北欧では買った家具は一生ものであり、大切に補修しながら親から子へ、さらに次の世代へと受け継がれるケースも多いそうです。

「我々も購入した家具をできるだけ永く使っていただきたいという思いから、補修専門の部署を設けて修理を受けています。また、デンマークなどで買い付けてきたヴィンテージ家具を日本の職人の熟練した技術でリペアして販売をしています」

トレンドを追うだけでなく、永く使い続けられるものを探すのも家具選びの大事なポイント。飽きないデザインにこそ、北欧インテリアの最大の魅力があるのかもしれません。

  • 本記事の内容は2026年9月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

お話を聞いたのは●花登拓弥さん

はなと・たくや/「アクタス」バイヤー。「家具を通じて家で過ごす豊かな時間を提案したい」という思いで、2018年に「アクタス」に入社。ショップで販売スタッフを経験した後、4年前から輸入家具のバイヤーに。現地に足を運び、真価を見極めながら買い付けに励んでいる。

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