ホテルのような非日常を楽しむ空間
「ホテルライクな住まい」とは、自宅にいながらホテルに滞在しているかのような、落ち着きとくつろぎを感じられる空間づくりのこと。その背景には、暮らしに対する価値観の変化があります。
「ストレスのない生活を送りたい、と考える方がとても増えています。日常の中にある情報やモノの多さが、知らず知らずのうちに負担になっており、その“ノイズ”のない暮らしを表す言葉として『ホテルライク』が使われているように感じます」
そう話すのは、インテリアコーディネーターの三宅利佳さんです。
「ホテルライク」という言葉が登場した当初は、ラグジュアリーな空間を指すことが多く見られました。しかし現在では、「気分を落ち着かせてくれる」「生活感を抑えた空間の中で、ゆったりと過ごせる」といった意味合いで使われることも増えているようです。
非日常空間を演出するために「アート」を飾ったり、視界に入る要素を整理してすっきりとした空間をつくったりするのも、その一例です。ホテルライクな住まいとは、こうした設えによって日常から少し距離を置き、自宅にいながら心からくつろげる空間をつくることだと言えるでしょう。
ホテルライクな空間をつくるための基本ルール
では、ホテルライクな住まいを実現するためには、どのようなポイントを押さえる必要があるのでしょうか。三宅さんが挙げる要素は、意外にもシンプルです。
●色数を抑える
まず重要になるのが、「色数を抑えること」です。ベースとなる色を限定し、トーンを整えます。
●間接照明を取り入れる
照明計画も空間の印象を大きく左右します。天井照明だけではなく「間接照明」を取り入れることで、光に柔らかな陰影が生まれ、落ち着いた雰囲気になります。時間帯や過ごし方に合わせて光の表情が変わる空間を意識することがポイントです。
●見せるものと隠すものを分ける
収納については「見せるもの」と「隠すもの」を分けて考えます。生活感が出やすいものは“見えない場所”にしまいます。整理整頓を徹底し、空間をすっきり保つことで、ホテルライクな印象が生まれます。
●余白を残す
「余白を残すこと」も大切です。家具や機能を詰め込みすぎず、あえて何も置かない場所をつくることで、空間にゆとりが生まれます。こうした積み重ねが、落ち着きのある住まいにつながります。
●床材にこだわる
床材はホテルの質感を左右する重要な要素です。非日常感のあるタイルを選んだり、寝室には柔らかな踏み心地のカーペットを敷いたりと、場所に合わせて素材を選ぶことでくつろぎの質が高まります。
●ベッドルームはシンメトリーに
ベッドルームはシンメトリー(左右対称)に整えます。ベッドの左右に間接照明やサイドテーブルを配置し、リネンは白を選ぶのが基本です。ベッドメイキングをきちんと行う習慣も、ホテルらしい清潔感を生み出します。
●アートを飾る
最後に「アート」を飾ることも欠かせません。非日常性を意識的に取り入れることで、住まいを「ただ生活する場所」から、「気持ちを整える場所」へと変化させます。
インテリアのトレンドと、暮らしやすさのバランス
家具選びにおいて、トレンド感は"非日常"を演出する重要なスパイスです。
「現在はブラウン系の色味や、丸みのあるフォルムのソファがトレンドです。ホテル側が"家のようなくつろぎ感"を大切にし、逆に住宅が“ホテルのような空間” へと、両者が少しずつ寄り添ってきているような感覚があります」と三宅さんは話します。最近のラグジュアリーホテルでは、茶系のヌードカラーや、身体を優しく包み込むフォルムの家具が多く採用されています。ソファのクッションは多めに用意し、身体を預けられる安心感があることで、くつろぎの質がぐっと高まります。
イメージを共有し、かたちにしていく
こうしたホテルライクな考え方を丁寧にかたちにしていくのが、三菱地所ホームのリフォームです。検討を進める上で大切なポイントを、三菱地所ホーム営業担当の髙瀨さん、設計担当の佐藤さんにお聞きしました。
「まず、最初のヒアリングを何より大切にしています。『ホテルライクにしたい』というご要望をいただいた際は、具体的にどのようなホテルをイメージされているのかを必ずお伺いします。たとえば、帝国ホテルのような重厚感を求める方もいれば、モダンでミニマルな空間を想像される方もいます。同じ言葉でも、目指す方向性は大きく異なるため、イメージのすり合わせが極めて重要です」と話す髙瀨さん。一般住宅では珍しい要素も、住まいに合わせて提案しています。
「浴室に拡大鏡やガラス扉を採用して開放感を演出したり、キッチンは吊戸棚を設けず高さのラインを整理してすっきり見せたりといった工夫です。もちろん収納計画も不可欠。荷物の量に合わせてファミリークローゼットを設けるなど、美しさと機能性を両立させたプランをご提案します」
設計面からの工夫
ホテルライクな空間は設計の段階から考えることも大切なポイントと、設計担当の佐藤さんは話します。
「マテリアルの選定は空間の格に影響します。床にタイルや大理石、あるいは欧州の伝統的なパーケット貼りのフローリングを採用することで、上質な落ち着きが生まれます」
照明計画についても、細やかな配慮を欠かしません。間接照明を主軸とし、折り上げ天井の中に光を仕込むことで、空間全体に柔らかな明るさをもたらします。
この折り上げ天井は、三菱地所ホームの全館空調「エアロテック」の吹き出し口として活用されることも多く、デザイン(意匠)と快適性の両立を図っています。
「ダウンライトを使用する場合も、光源が直接目に入らないグレアレス仕様を選び、眩しさを抑えます。玄関では土間と廊下を同じ素材で仕上げて段差を最小限に抑えるなど、生活感を感じさせない設計を徹底しています」
理想の「ホテルライク」を、無理なくかたちに
ホテルライクな住まいの正解は、住む人の価値観によって千差万別です。だからこそ「どんな空間で過ごしたいか」という想いを丁寧に共有し、住まいとしての機能とバランスを取りながら落とし込んでいくプロセスが欠かせません。
三菱地所のリフォームでは、アートの取り入れ方から高級感をもたらす内装の工夫、生活感を抑える照明・収納計画まで、トータルで設計・施工を進めていきます。
ホテルに滞在したときの、あの静謐で満たされた空気感を自宅でも味わいたい――。理想とする「ホテルライク」を、共にかたちにしていきましょう。
- 本記事の内容は2026年3月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。