データで見る「住み繋ぐ」ためのタイミング
マンションには、売りやすく、高値がつきやすい時期があります。つまりマンションにも、“売りごろ”があるということです。どういうことでしょうか――。
まず、売りやすさに関しては、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2025年)」のデータが参考になります。
中古マンションは売り出せば、すべて売れるというわけではありません。順調に売れる物件があれば、簡単に客が付かずに売れ残ってしまうマンションもあります。
そこで東日本レインズでは、首都圏の仲介市場で新規に売り出されて、市場に登録された売出物件のうち、そのまま成約した物件の割合を示す「対新規登録成約率」を、築年数帯別に調査しています。
その結果が図表1です。築年数の浅いマンションは総じて成約率が高いのですが、なかでも「築11~15年」の対新規登録成約率が40.9%と最も高くなっています。つまり「築11~15年」なら、売出物件10件のうち4件以上は順調に成約に至っているわけです。
それに対して、「築0~5年」は33.4%で、「築6~10年」が37.4%と30%台にとどまっています。「築11~15年」は40%台に達していますが、「築16~20年」は32.8%に低下します。
なぜ、築11~15年のマンションは売れやすいのか?
築年数が浅ければ売れる、というのではないわけです。築年数が浅い物件ほど価格は高くなりますし、新築物件が出てきにくいエリアでは、築浅マンションの価格が新築の相場より高くなっているエリアもあります。結果、価格が高くなりすぎて、かえって成約しにくい面があるのです。
というのも、「築11~15年」は新規登録件数に占める割合が他の築年数帯に比べて少なく、5.6%にとどまっています。「築6~10年」は8.0%、「築16~20年」は10.0%に達しており、「築11~15年」は、他の築年数帯に比べて希少性の高い築年数帯といっていいでしょう。だからこそ売れやすいのです。
しかも過去に遡ってみると、10年前の2015年には「築11~15年」の割合は17.8%でしたから、10年間で年々希少性が高まり、売れやすくなっているといっていいのではないでしょうか。
さらに「築11~15年」といえば、マンションにとっては第1回の大規模修繕の時期に当たります。順調に大規模修繕が実施されれば、外観や共用廊下、エントランスなどの共用部分が刷新され、新築並みに改善されます。それだけでも集客力が高まり、物件によっては、相場価格より数十万円から数百万円程度、高くなることがあります。
購入時には大規模修繕時期をチェック
ただ、大規模修繕が実施されていないマンションは、「築11~15年」といっても不利になりかねません。ですから、新築マンションとして購入する場合、大規模修繕がどうなっているのか、第1回の計画が竣工から何年後に予定されているのかなどを、しっかりとチェックしておきましょう。
最近は建築資材や建築技術が向上しているため、大規模修繕サイクルが長くなる傾向にありますから、計画をしっかりと理解した上で、購入するのが安心です。
管理会社は大規模修繕計画をきちんと立てて、計画通りに実施するだけの実績があるのかなども確認しておく必要があるでしょう。
大規模修繕が築16年以降にずれ込んだ場合、「築11~15年」の間に売却しようとすると、買った人は半年から1年程度工事の騒音などを我慢しなければならず、売却に不利な条件になります。価格の交渉面でも不利になる可能性があるため、注意が必要です。
買い替えを前提に新築マンションを買うなら
以上のように、これから将来の買い替えを前提に新築マンションの購入を考えるのであれば、「築11~15年」を目途に買い替えするのが得策です。
そのためには、維持管理、大規模修繕計画がしっかりしていて、将来性の高そうなエリアで買っておきたいところです。それでこそ、より満足度の高い買い替えが実現できるはずです。
- 本記事の内容は2026年7月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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