築40年超で価格は3分の1〜4分の1に
実際のところ、築年数に応じてマンション価格はどれくらい下がるのでしょうか。東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータから見てみましょう。
首都圏における「築0〜5年」の築浅マンションは、新規登録時の売出価格平均が1億2,695万円、実際の成約価格平均は8,666万円です。これが築年数を重ねるごとに低下していきます(図表1)。
成約価格の推移を見ると、「築6〜10年」までは8,000万円台を維持するものの、「築11〜15年」で7,000万円台、「築16〜20年」「築21〜25年」で6,000万円台、「築26〜30年」では4,000万円台まで下落。そして「築31〜35年」以降は2,000万円台へと落ち込みます。
さらに「築41年〜」では、新規登録価格が2,941万円、成約価格は2,558万円となります。竣工から40年以上が経過すると、売出価格・成約価格ともに築浅物件の3分の1から4分の1程度まで低下する計算です。
資産価値が落ちないマンションの特徴とは?
しかし、すべてのマンションがこのように値下がりするわけではありません。築30年、40年以上が経過していても高値で取引され、なかには成約価格が1億円を超える物件もあります。昨今の中古マンション価格の高騰も相まって、築40年以上でも1億円以上の値が付く「ヴィンテージマンション」が増加傾向にあります。
例を挙げれば、1971年竣工の「三田綱町パークマンション」では、120㎡台の2LDKが4億5,000万円で売りに出されていますし、1983年竣工の「広尾ガーデンヒルズ」では100㎡前後の2LDKが3億円前後で取引されています。
どのようなマンションであれば、年数が経過しても高い評価を保ち続けられるのでしょうか。その条件を知ることは、将来にわたって資産価値を維持・向上できる物件選びの大きなヒントになります。
港区の中古マンション平均価格は2億円近くに
まずは、何よりも重要なのが「立地」です。「マンションの資産価値は立地しだい」という専門家もいるほどで、立地に恵まれたマンションは資産価値を維持しやすくなります。
ただ、一口に立地といっても、さまざまな要因があります。第一は「都心からの距離」。首都圏でいえば、千代田区・港区・中央区の「都心3区」が筆頭で、そこに渋谷区・新宿区・文京区の3区が続きます。
不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」のデータによると、東京23区における中古マンションの平均価格トップは港区の1億9,509万円。次いで千代田区が1億7,000万円台、中央区・渋谷区が1億4,000万円台となっています。
なかでも、港区の「3Aエリア(赤坂・青山・麻布)」や六本木エリア、千代田区の「番町エリア(一番町〜六番町)」などは絶大な人気を誇ります。こうした人気物件は売りに出されること自体が稀で、市場に出てもキャンセル待ち(ウェイティング)の顧客によって即座に成約し、一般に情報が流通する前に売れてしまう“瞬間蒸発”状態となります。このような好立地であれば、築40年を超えても「億ション」として取引される可能性が極めて高くなります。
最寄り駅から「徒歩3分以内」が理想
都心の人気住宅地にある物件が資産価値の面で最も有利ですが、都心以外であっても「人気沿線のターミナル駅」や「複数路線が利用できる駅」の周辺であれば価値を維持しやすくなります。
あわせて重視したいのが「最寄り駅からの徒歩分数」と「生活利便性の高さ」です。最近はマンション用地の不足から、駅徒歩3分以内の駅近物件の開発が難しくなっており、その希少性は一段と高まっています。特に、ペデストリアンデッキ(高架で設置された歩行者用の通路)等で駅に直結している物件や、敷地内・隣接地に商業施設が揃っているマンションは、高い資産価値を保ちます。
ただし、いくら立地が良くても、個別物件としての品質や管理体制が伴っていなければ高値はつきません。都心の一等地であっても、ずさんな管理によって荒廃しかけている物件が存在するため注意が必要です。
管理費・修繕積立金の合計が月10万円を超える例も
そのため、「マンションは管理を買え」とよく言われます。維持管理が行き届いていなければ、どんなに好立地でも外観の劣化が進み、評価は下落してしまいます。
一方、評価の高いマンションは管理が充実し、長期修繕計画も着実に実行され、長い年月を経ても新築並みに外観が維持され、マンション内はゴミひとつなくきれいに保たれています。前述の「三田綱町パークマンション」や「広尾ガーデンヒルズ」は、その代表格といっていいでしょう。
当然ながら、手厚い管理を維持するには相応のコストがかかります。東日本レインズのデータでは首都圏中古マンションの月額管理費・修繕積立金の合計は2万7,805円ですが、億ションではその2~3倍以上の費用がかるのも一般的です。特に高い資産性を誇るタワーマンションなどでは、月額合計が10万円を超えるケースも珍しくありません。
希少性の高い「タワマン最上階」や「都心の低層住宅」
建物のデザインや設備のグレードなど、物件自体の仕様も重要な要素です。洗練されたモダンなデザインや、重厚感のある落ち着いた佇まいといった個性があり、ホテルライクな吹抜けのエントランスや豪華なシャンデリアを備えた物件は、訪れる人を魅了し、居住者の満足度を高め続けます。
また、最近はタワーマンションの供給が増えたことで「タワマン」というだけでの希少性は薄れつつあります。しかし、最上階などの「プレミアム住戸」であれば、築年数が経っても価値が落ちにくい傾向にあります。
一方で、都心部の「低層マンション」も再評価されています。第一種低層住居専用地域に位置する物件であれば、将来的に周辺へ高い建物が建つリスクが低く、良好な眺望や開放感、日当たりが永久的に保証されます。これも資産価値を長期にわたって維持・向上させる強力な強みとなります。
竣工から40年が経過しても1億円以上で売れるような物件を手に入れるのは簡単ではありません。しかし、老後の資金計画や子どもへの資産継承などを踏まえると、検討する価値は十分にあります。これからマンション購入を考える方は、ぜひ参考にしてみてください。
- 本記事の内容は2026年9月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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