中古マンションのリセールバリューとは?
不動産専門調査機関の東京カンテイでは、毎年「中古マンションのリセールバリュー」を調査・公表しています。
リセールバリューとは、竣工から10年が経過した分譲マンションのうち、現在中古マンション市場で流通・取引されている物件を抽出して分譲時の価格と比較し、現在の取引価格が分譲時の何%になっているかを調べたものです。これを駅ごとに集計し、ランキング化しています。
たとえば、10年前に5,000万円で分譲されたマンションが、現在6,000万円で取引されていれば「6,000万円÷5,000万円×100(%)」でリセールバリューは120%になります。逆に4,000万円に下がっていれば80%ということです。
マンションの資産価値を判断するうえで非常に有益な指標であり、購入時の立地選びの参考になるのではないでしょうか。
首都圏平均のリセールバリューは160.5%
東京カンテイによると、首都圏で2025年にリセールバリューの算出が可能だった駅は377駅でした。その平均値は160.5%で、10年前と比べておよそ1.6倍に上昇している計算になります。10年前の2015年前後はマンション価格の高騰が始まったばかりの時期で、現在に比べるとかなり安い価格で分譲されていました。その後の本格的な価格上昇により、現在の高いリセールバリューにつながっています。
結果として、基本的にはどこで買っても資産価値が上がっている可能性が高いものの、駅によって大きな格差が生じています。対象の377駅のうち、わずか6駅ですが、郊外部には10年前に比べて値下がりしている駅(100%未満の駅)もあります。
図表1の上位10駅を見ると、トップの東京メトロ日比谷線「神谷町駅」は462.2%に達しており、10年間で4.6倍以上に値上がりしています。2位の東京メトロ南北線「六本木一丁目駅」は398.8%で、8位の東京メトロ半蔵門線「半蔵門駅」までが300%以上を記録しました。
上位10駅までは都心の一等地や価格水準が極めて高い駅ばかりで、一般的な会社員では簡単に手が届きそうにありません。現在の流通価格を見ると、土地の坪単価(約3.3㎡)が1,000万円以上の駅ばかりです。仮に20坪(約66㎡)とすると総額で2億円以上になります。トップの神谷町駅にいたっては坪単価1,975.8万円のため、20坪で4億円近くに達する計算です。
物件価格が比較的手頃でリセールバリューが高い駅は?
しかし、リセールバリューが高い駅のなかにも、物件価格がそこまで高騰していない駅があります。図表2はランキングの91位から100位をまとめたものです。
たとえば96位には、京急本線の「新馬場駅」がランクインしています。東京カンテイのデータによると、2026年3月時点の新馬場駅の坪単価は337万円です。20坪であれば6,740万円となるため、平均的な会社員でもなんとか検討できる範囲ではないでしょうか。
新馬場駅は東京都品川区に位置する「東京都アドレス」であり、京急品川駅まで2駅・約3分と交通アクセスに恵まれています。京急本線は都営地下鉄浅草線と相互直通運転を行っているため都心各方面へダイレクトにアクセスできますし、品川駅に出ればJR山手線や京浜東北線への乗り換え、さらには東海道新幹線の利用もできるため、旅行や出張にも非常に便利です。
また、もともと移転前の品川区役所本庁舎の最寄り駅だったこともあり、現在も公共施設が点在していて利便性が高く、駅北口には商店街が整備され、南口には落ち着いた住宅街が広がっています。
これだけの好条件が揃っていながら、リセールバリューは180.6%です。10年前に比べて価格が1.8倍になっているわけですから、今後の資産価値の維持・向上も十分に期待できるでしょう。
5000万円台で資産価値の向上が期待できる駅も
また、97位の小田急江ノ島線「片瀬江ノ島駅」の坪単価は272万円で、20坪(約66㎡)に換算すると5440万円です。リセールバリューは179.7%と、こちらも10年間で約1.8倍に値上がりしています。
片瀬江ノ島駅から新宿駅までは1時間強かかりますが、時間帯によってはロマンスカーで快適に座って通勤・移動することも可能です。周辺には江の島や新江ノ島水族館、片瀬海岸などの観光・行楽地が近く、休日には多彩なライフスタイルを楽しめるのが魅力です。駅周辺には地元のスーパーなどが揃っているほか、まとまった買い物であれば、JR東海道本線や小田急小田原線が乗り入れるターミナル駅「藤沢駅」まで出れば、デパートなどの大型商業施設が充実しています。
もちろん都心の近くで購入できれば理想的ですが、視野を広げて探してみれば、比較的手頃な価格帯でありながら資産価値の向上が期待できるエリアもあります。マイホーム選びの際は、こうしたリセールバリューのデータもぜひ参考にしてみてください。
- 本記事の内容は2026年7月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
こちらの記事もご覧ください!
身軽で、心地いい。はじめてのマイホームに「コンパクトマンション」を選ぶということ
【独自調査】経験者が教える「中古マンション選び」の盲点
納得のいく着地点を見つけるには?「セカンドベスト」の物件選び
新築より難しい!? 中古マンション選びで失敗しない「相場観」

