23区の新築発売戸数は減少傾向が続く
大都市圏では中心部での用地確保が年々難しくなっており、発売戸数の減少が続いています。2026年もこの傾向は間違いなく続き、むしろ一段と厳しくなるとみられます。
不動産経済研究所の調査によると、図表1の通り首都圏の新築マンション発売戸数は右肩下がりで、特に都区部の減少幅が大きくなっています。2018年度には1万5,452戸だったのが、2024年度は8,272戸と約半分に減少しています。都下や周辺3県も減少していますが、都区部ほどではありません。
2026年はこの傾向がさらに強まり、都心を中心とする都区部の比重が低下し、相対的に周辺3県や郊外の比重が高まる可能性があります。
マンション市場では、新築に加えて中古への注目が高まる
新築マンションの減少がますます進むのは、国土交通省の「建築着工統計調査」からも明らかです。分譲住宅の着工戸数は2026年4月~9月まで6カ月連続で減少しています。マンションは月間5,000戸台から6,000戸台で推移し、前年同月比では二桁の減少となっています。
新築マンションは着工からしばらくしてから販売が始まります。着工戸数が減っているということは、今後の新築マンション発売戸数が減ることを意味します。したがって、2026年の新築マンション発売戸数は、2025年より減少する可能性があります。
一方、中古マンションの流通量は増加しています。東京カンテイによると、2025年第2四半期の新築発売戸数7,433戸に対して、中古マンション流通量は5万2,874戸で、新築のシェアは12.3%にとどまり、87.7%が中古になっています。
中古マンションは新築の6割程度で購入できる割安感があり、流通量も多く選択肢も豊富なため、中古へ関心が移るのは自然な流れといえます。
都心部を中心に価格の上昇は続くのか
不動産経済研究所の調査では、首都圏の新築マンション発売価格は図表2の通りです。都区部の平均価格は2018年度の7,320万円から2024年度には1億1,632万円と、6年間で約6割上昇しています。都下や周辺3県も緩やかな上昇曲線を描いています。
これほど上昇すると購買力が追いつかなくなりそうですが、都区部では高所得層や富裕層が中心であるため、大きな影響を受けにくい側面があります。しかし郊外では一般的な会社員層が多く、価格上昇は購買力の低下に直結します。そのため都区部の価格は今後も上昇が続く一方、郊外ではエリアによって横ばい、もしくは下落するケースも見られると考えられます。価格動向については、エリア別の見極めが重要になってくるでしょう。
建築費の上昇は落ち着きつつある
新築マンション価格に影響する土地の取得費と建築費のうち、建築費の上昇は落ち着きつつあります。国土交通省の「建設工事費デフレーター」によると、鉄筋コンクリート造の指数は2015年=100に対し、2024年8月〜2025年8月は130前後で推移しています。
建築費は価格の引き上げ要因にはなりにくいため、特に郊外部の新築マンション価格は横ばいか、エリアによっては価格が低下するケースも見られるようになるでしょう。
土地の取得費は、都区部、特に都心部ではマンション用地の売り物件が減少しており、まれに出ても競争入札になって高騰するため、価格の上昇は避けられません。一方で郊外部では競合が少なく、比較的土地値は安定しており、マンション価格の押し上げ要因にはなりにくくなっています。その点も郊外部の新築マンション価格の安定、エリアによっては低下傾向につながる要因になりそうです。
住宅ローン金利の動向にも注意
マンション購入関連では、住宅ローンの金利動向にも注視しておく必要がありそうです。2026年末には長期金利が大幅に上昇、長期金利に連動する固定金利型の金利が上がり始めています。
政策金利である短期金利も、景気が安定すれば引き上げられる可能性があります。そうなると、短期金利に連動する変動金利型のローン金利も上がることになるでしょう。
2026年には金利上昇によって返済負担が重くなり、マンション購入環境に影響することになりますから、2026年は金利動向にも注意しておく必要があります。
- 本記事の内容は2026年1月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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