理想の住まいの選び方

大規模マンションの合理的な選び方。後悔しない物件選びのポイント

住み替えを前提に、資産価値の高いマンションを購入したい。そう考えたときに、選択肢に入れたいのが資産価値を維持しやすい「大規模マンション」です。その中でより資産性の高い物件を選ぶには、どういった点に注目すればよいのでしょうか。不動産コンサルタントとして活躍し、「住まいサーフィン」を主宰するスタイルアクト代表の沖有人さんに伺いました。

目次

総戸数が多いマンションほど資産価値を維持しやすい

マンションは今や単なる住まいではなく、ライフステージの変化に応じて住み替えることを前提とした「資産」と考えられるようになっています。そうしたときに重要となるのが「資産価値」です。つまり、購入後も価格が下がりにくく、売却時にできるだけ高く売れる物件を選ぶことがカギとなります。資産価値が高ければ、売却代金からローン残高や諸費用を差し引いても手元に資金が残りやすく、次の住まいへの買い替えもしやすくなります。

では、資産価値を維持しやすいマンションとは、どのような物件なのでしょうか。「駅に近い」「都心に近い」といった立地に加え、注目したいのが「総戸数200戸以上」の大規模マンションです。総戸数が多いマンションほど資産価値を維持しやすい傾向があり、特に200戸以上の大規模マンションは、充実した共用施設やランドマーク性など、中古市場でも評価されやすい特徴を備えています。

大規模マンション選びの3つのポイント

大規模マンションの中で、より資産価値が維持しやすい物件を選ぶために、押さえておきたいポイントは次の3つです。

ポイント1:新築の大規模マンションを選ぶ

大規模マンションを購入するのであれば、中古ではなく新築がおすすめです。新築の大規模マンションは短期間で多くの戸数を販売しなければならないため、広いエリアから購入者を集めなければなりません。そのため、総戸数が多いほど価格が安く設定される傾向にあります。こうした物件は中古になると一戸ずつ売買されるため需要とのバランスが取りやすく、新築時の価格に対して値下がりしにくい傾向があります。


ポイント2:高層階の住戸を選ぶ

同じマンションであれば、一般的には高層階ほど資産価値が高くなる傾向があります。「住まいサーフィン」が行った調査でも、階数が高い住戸ほど高値で売却できる可能性が高く、15階以上では売却によって利益が出た人の割合が半数を超えています。

また、同調査をもとに同じ間取りの上下階の価格差を各階で平均したところ、上下階価格差は一般的には1%弱生じることが明らかになりました。そのため、30階建てのマンションであれば、低層階と上層階で20~30%ほど価格差がつく物件も出てきます。特に最上階は、下の階よりも売却時の価格に大きな差がつくことが多いです。上層階にペントハウスやプレミアムフロアなどの付加価値があると、さらに価格差は広がりやすくなります。


ポイント3:「エリアで一番」のタワーマンションを選ぶ

資産価値という点で注目したいのがタワーマンションです。大規模かつ高層階という条件を備えていることに加え、眺望に優れ、東西南北に住戸を配置できるため、間口を広く確保しやすく、住み心地の面でも満足度が高くなりやすいメリットがあります。

タワーマンションの中でも、エリアで最も規模が大きい、あるいは最も高層でランドマークとなるタワーマンションは、地域を代表する存在として認知されやすく、物件そのものがブランドになります。このブランド力が中古市場でのプライスリーダーとなり、資産価値を支える大きな要素になります。

つまり、「エリアで一番」のタワーマンションや、さらにその最上階の住戸は、大規模マンションの中でも特に高い資産価値を期待しやすいといえるでしょう。

※写真はイメージです。

「次に購入する人」の視点を意識してみる

資産価値が高いということは、それだけその物件を「欲しい」と思う人が多いということです。そのため、購入希望者が内覧した際に魅力を感じるポイントが多いほど、中古であっても売却価格は高くなりやすいといえます。

例えば、大規模マンションはラウンジやフィットネスルーム、ゲストルームなどの共用施設が充実していることが多く、エントランスにも高級感があります。これらの点は、購入希望者が見学した際に好印象を与え、資産価値を支える要素の一つになります。

また、タワーマンションを選ぶ人の中には、希少性やブランド性に価値を感じる購入希望者が一定数います。そのため、「そのエリアで一番高い」「ランドマークとして知られている」「最上階である」といった要素は、中古市場でも強い訴求力となり、資産価値を支えているのです。

こうした点から、大規模マンションと比較すると30戸程度の小規模マンションは、都心の希少立地を除くと大きく価値が目減りしやすい傾向にあります。総戸数が少ない分、一戸当たりの管理費や修繕積立金の負担が大きくなりやすく、大手デベロッパーによる供給も限られることが多いため、資産価値という面では不利になりやすいといえるでしょう。

住まいは毎日暮らす場所であると同時に、将来売却する可能性もある資産です。出口戦略まで見据えるのであれば、購入価格だけで判断するのではなく「資産価値を維持しやすい物件かどうか」という視点を持つことが大切です。今回紹介した3つのポイントを参考に、将来の選択肢を広げられるマンション選びに役立ててみてください。

  • 本記事の内容は2026年9月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

お話を聞いたのは●沖有人さん

おき・ゆうじん/スタイルアクト株式会社 代表取締役。不動産コンサルタント。1988年、慶應義塾大学経済学部卒業。コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、1998年にアトラクターズ・ラボ株式会社(現・スタイルアクト株式会社)を設立。保有する日本最大級の不動産ビッグデータを駆使し、マンション市場や資産価値の見極めを支援。分譲マンション価格情報サイト「住まいサーフィン」の入会会員数は44万人超。テレビ・新聞・YouTubeなど多数メディアにも登場している。主な著書に『新版 マンションは10年で買い替えなさい』(朝日新聞出版)、『眠れなくなるほど面白い 図解 マンションの話』(日本文芸社)など。
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