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イベントアフターレポート

開催日
2025年8月21日(木)

【イベントレポート】三菱一号館美術館貸切~ルノワール×セザンヌ展~ミュージアムナイト

閉館後の美術館を貸し切り、ルノワールとセザンヌの代表作を心ゆくまで堪能できる、贅沢なアート・イベントが8月21日に開催されました。会場は赤煉瓦づくりのクラシカルな佇まいが印象的な丸の内の三菱一号館美術館。世界的名作の魅力を全身で感じる、特別なひとときの模様をお伝えします。

オランジュリー美術館、オルセー美術館所蔵の貴重なコレクション

三菱一号館美術館は、英国人建築家ジョサイア・コンドルによって設計された明治時代の洋風建築を忠実に復元。館内はアーチ型の窓や石の手摺など、細部にわたり美意識が息づいていて、まるで建物そのものがひとつの展示物のよう。

レトロモダンな空間に包まれながら開催された「ルノワール×セザンヌ モダンを拓いた2人の巨匠」展。フランス近代美術の一大コレクションを擁するパリのオランジュリー美術館が企画・監修し、オルセー美術館の所蔵作を含めた計52点が展示されました。「どの絵が観たい?」と入場を待つ人たちのワクワクした声が伝わってきました。

三菱一号館美術館前には緑豊かな一号館広場が広がっています。日が暮れるとライトアップされ、より幻想的な空間に。

観る者を圧倒する名画が放つエネルギー

ルノワール作《風景の中の裸婦》《ピアノの前の少女たち》《ピエロ姿のクロード・ルノワール》や、セザンヌ作の《セザンヌ夫人の肖像》《画家の息子の肖像》《3人の浴女》などの名画に思わず目を奪われます。

ルノワールはやわらかな色彩を用いた情感あふれる人物像を得意としていました。ふっくらとした肌、やさしい表情の女性や子どもの絵を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。一方のセザンヌは、対象物の立体感や構造を幾何学的にとらえることに重きを置いていたといわれています。異なるアプローチで制作に向かった2人ですが、同世代ということもあり、実は親しく交流していたようです。

ピエール=オーギュスト・ルノワール
《風景の中の裸婦》1883年

ポール・セザンヌ
《セザンヌ夫人の肖像》1885-1895年

比べて観るから面白い。意外な共通点も

館内では静物画、風景画、肖像画とジャンルごとにルノワールとセザンヌ、2人の作品が並べて展示され、両者の表現の違いを観比べることができます。

同じ時代を生きた2人ですが、作風はそれぞれ違います。交互に見比べることができるのも今回の展示ならでは。

絵画鑑賞によく訪れるという50代の男性、T・Nさんは「2人の作風の違いが感じ取れる一方、パッと見て、どちらの作品かわからないものもあったりして、お互いが影響を受けていたことが伝わってきます。教科書で目にしていた絵画が実際、目の前にあることに感動しました」と嬉しそうに語ってくださいました。

三菱地所のレジデンスクラブのロイヤル・プレミアム会員の200名様をご招待。ご自身のペースでゆっくりと一つひとつの作品を堪能することができました。
一部の作品を除いて写真撮影OK。今回特別に音声ガイドも無料(通常は有料)。気に入った作品や、音声ガイドで紹介される作品を記念に残される方も。

鑑賞の仕方は人それぞれ。誰にとっても新しい発見が

ご友人とともに訪れていたE・Nさん(女性、60代)は、年代を経るごとに二人の作品に変化が現れてくることに興味を持たれたそうです。「セザンヌが年を重ねるにつれて、タッチがシャープになっていったのが印象的です。すごい情熱ですよね。それが絵を通して伝わってきました」。

ご友人のC・Kさん(女性、60代)は「ルノワールの絵は優しいイメージがありましたが、力強いタッチの作品もあることが発見でした。絵に対する知識がなくても、十分感動できます」。さらに、お二人とも「いつもは人の頭越しに覗き込むようにして見ているのに、今回はこんなに間近でゆっくり堪能できて幸せでした。もう一回見たい!」と、名残惜しそうに美術館を後にされました。

会場では、作品の前で微動だにせず絵に見入る方、ご友人やご家族同士、無言でありながら同じタイミングで頷いたり、絵を指差し何かをささやきあったりなど、みなさまそれぞれのスタイルで絵画鑑賞をお楽しみいただきました。

「絵を鑑賞する」ことを通して静謐な空間に柔らかな一体感が生まれる――、誰の心も豊かにしてくれる上質な時間となりました。

  • 本記事の内容は2025年11月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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