第10回 見せない収納、見せる収納

「教えて!メックさん」では、メック・デザイン・インターナショナル(三菱地所グループのインテリアデザイン会社)やその提携家具メーカーが、皆様のインテリアに関するお悩みにQ&A形式でお答えいたします。今回は、壁面収納について具体事例の写真を交えてご紹介します。収納にお困りの方、収納とインテリアを両立したい方、ぜひご一読ください。

隠す収納、見せる収納について、具体的な例を挙げて教えてほしいです。(50代女性)

見せない壁面収納

「モノが多くてどうしたらいいかわからない」、「とにかくお部屋をスッキリ見せたい!」という方には、見せない壁面収納が効果的です。【参考1】のように、壁面いっぱいに収納をしつらえ、壁と同化するように扉をつけると、存在感はほぼなくなります。最も収納量が確保できる形です。

また、同じ見せないタイプでも、【参考2】のように部分的にオープンスペースを作ることで遊び心のあるスペースを作れたり、オリジナリティやこだわりが出せるなど、おしゃれな空間が演出できます。照明を入れたり、ガラスの棚を使うなど、バリエーションは非常に豊富ですので、さまざまなデザインを楽しむことができます。

【参考1】最も収納量が確保できる壁面収納(画像提供:Time&Style)
【参考2】オープンスペースのある壁面収納(画像提供:CASSINA)

見せる壁面収納

お気に入りのものに囲まれた生活をご希望の方には、見せる収納がお勧めです。【参考3】は、壁面にアクセントクロスを貼ってオープン棚を設けており、アートなどをしつらえなくとも印象的な壁面を演出できます。

スペース次第で【参考4】のように、収納棚を間仕切り壁の代わりにするのもおしゃれです。オープンスペースが多い収納は、物を詰め込み過ぎず適度にモノがないスペースを確保することで、ごちゃごちゃした見え方を避けることができます。

また、壁面いっぱいに収納を作らずとも、【参考5】のように棚やBOXを部分的に設置して収納を増やすのも素敵です。こちらは壁の下地次第では特別な処理が必要な場合がありますので、プロにご相談ください。

【参考3】オープン棚による壁面収納(画像提供:Molteni&C)
【参考4】間仕切り壁の代わりにもなる壁面収納(画像提供:interiors)
【参考5】棚やBOXを部分的に設置した壁面収納(画像提供:Molteni&C)

モノに合わせた仕舞い方

壁面収納は仕舞い方で収納量が変わります。【参考6】のように、ワイシャツ、BOX、小物では大きさも形も違うので、それぞれの物に合わせた形で収納することで、収納量が増えると同時に取り出しやすくもなります。同時に物が増えたら“捨てる”を心がけることで、無駄な物が少なくなります。「何がどこにあるか分からない!」と探す時間もだいぶ少なくなりますので、時短にもなります。

理想は【参考7】のように、同じ種類の物は固めて仕舞えるとかなり効率的な収納になります。収納を開けた時に、中がこのように整理された状態をイメージしながら収納すると、仕舞い方も上手になります。

「そうは言ってもなかなか同じようにできない!」という方は、まず断捨離してみてください。必ず不要なものが入っています。収納は物を減らすところがスタートです。ぜひ試して、快適な生活にお役立ていただければと思います。

家具配置にお悩みの方は「第3回 室内を広く見せたい方は必見!」もあわせてご覧ください。

【参考6】それぞれの物に合わせた壁面収納(画像提供:interiors)
【参考7】同じ種類の物を固めて仕舞った壁面収納(画像提供:interiors)

この記事の担当者


飯塚 智子
株式会社メック・デザイン・インターナショナル 提携インテリアコーディネーター

店舗設計・企画を行うデザイン事務所にて、チーフデザイナーとしての経験を経て、2012年に㈱メック・デザイン・インターナショナルのインテリアコーディネーターとして提携契約を締結。モデルルームだけでなく個人邸など、幅広くインテリアコーディネート業務に携わる。モダンで大胆な室内演出を得意とし、常に印象に残る空間作りを心掛けている。

「メック・デザイン・インターナショナル」とは

メック・デザイン・インターナショナルは三菱地所グループのインテリアデザイン会社です。人と環境に配慮した美しさと心地よさを兼ね備えたインテリアの実現のためには、豊かな経験と知識、 柔軟な発想力、確かな技術力が必要です。デベロッパーのインハウス設計事務所として培った経験を生かし、お客様一人ひとりのライフスタイルやイメージに合わせ、毎日の暮らしを豊かにするご提案をいたします。

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