その髪の傷みってダメージ? それとも老化?
肌と同じように髪も老化します。髪の不調がダメージなのか、老化なのか、大きな違いは傷みが出る箇所にあります。ダメージヘアは髪の毛先から中間部に現れますが、老化した髪というのは髪の根本から現れ、髪本来の特性が失われハリやツヤがなくなったり、うねりが出たりします。また薄毛などで髪のボリュームがなくなるのも、髪における老化の大きな特徴です。ただ日々のお手入れなどで、ある程度髪の老化を止めることは無理ではありません。
若々しい髪を保つ! シャンプーの方法とは?
髪の老化を防ぐには、頭皮の健康を守る適切なシャンプーが効果的です。それでは具体的なシャンプーの方法を見ていきましょう。
①シャンプー前にブラッシング

まずブラッシングで、髪についたホコリや小さなゴミを取り除きます。そうすることで、シャンプーの泡立ちをよくし、シャンプー中の髪の絡まりを防ぐこともできます。ポイントは毛先から徐々に髪の根元に向けてとかすこと。頭頂部から一気にとかすと、抜け毛や切れ毛の原因になります。
また、お風呂場にシャンプー前専用のブラシを。ブラシには雑菌がつきやすいため、お風呂に入るタイミングで洗って清潔さを保ちましょう。プラスチック製は洗いやすく、さらにブラシの根本にクッション性があるものは頭皮に優しいので、おすすめです。
②38度のぬるま湯で2分間の“予洗い”
ブラッシングが終わったら、38度くらいのぬるま湯で髪の毛や頭皮を流す“予洗い”へ。お湯が熱すぎると頭皮や髪に必要な皮脂まで流れてしまいます。洗い時間の目安は2分程度。ぬるま湯で、指の腹を使って頭皮を優しく洗っていきましょう。事前のブラッシングと予洗いで、スタイリング剤や余分な皮脂など髪の汚れの7割程度が落ちます。
③シャンプーを手にとって毛先で泡立てる

予洗いで髪の絡まりがなくなったら、いよいよシャンプーです。予洗いの後ならば、少なめのシャンプーでもしっかり泡立ちます。ショートヘアなら0.5~1プッシュ、ミディアムヘアなら1~2プッシュ、ロングヘアでも2プッシュ程度のシャンプー量で充分です。
シャンプーを直に髪につけるのはNG。手の平でシャンプーを馴染ませ軽く泡立てたら、毛先から空気を含ませるようにモコモコと泡立たせていきます。毛先を泡立てネットのようにするイメージです。
④泡立ったら、髪の根元へと広げる

シャンプーが十分に泡立ったら、頭皮になじませるようにしながら髪の根元へと広げていきます。もし、シャンプーの泡立ちが悪ければ、予洗いがきちんとできていないのかもしれません。泡立ちが悪い場合は、さらにシャンプーを足すのではなく、一度ぬるめのお湯で流して再度予洗いを行ってください。しっかりと泡立てなければ、頭皮や髪の汚れは取れません。
⑤頭皮をマッサージするようによく洗う

シャンプーをしながらヘッドマッサージをすることで、頭皮の血行が促進されます。両手の指の間を開き、耳の周りから頭頂部に向かって、4回に分けて頭皮を優しく押さえていきます。3セットほどで頭皮の血行も促進されます。手のひらでこめかみや耳の上を覆うようにしながら、軽く押すのも効果的です。
【泡立ちの目安は?】

泡立てたシャンプーを手のひらに乗せてみてください。しっかりと泡立っていれば、手のひらをひっくり返しても泡は落ちません。
【こんな洗い方はNG!】

一見、洗えているように見えますが、髪の表面をこするような洗い方はNG。髪の根元に指をしっかり入れて頭皮をマッサージすることで頭皮の健康が保たれます。
⑥洗い残し、すすぎ残しに注意して

しっかりと洗えていない、シャンプーのすすぎ残しが多いのが、顔周りからもみあげ、耳の後ろ、つむじ、うなじの4ヵ所。頭皮の毛穴詰まりを引き起こし、フケやかゆみの原因にもなります。シャンプーをすすぐ際は、洗う時間の3倍かけると思っていいでしょう。しっかりすすぎ終えたらトリートメントへ。
⑦髪をとかしてから、しっかりと乾かす

シャンプーとトリートメントを終えたらタオルドライし、乾かす前にコームで髪をとかしてからドライヤーを。濡れている髪はキューティクル(3層構造になっている毛髪の最も外側の層の部分)が開いた状態です。たんぱく質や水分が流れ出やすくなってます。また髪をしっかり乾かさないと絡まる原因にも。うなじ付近の髪まで乾かしましょう。
洗い過ぎに注意! 2~3日おきでも問題なし
さらに健康的な若々しい髪をつくるには、ドライヤー前につける洗い流さないタイプのトリートメントがおすすめです。洗い流さないタイプのトリートメントにも種類がありますが、内部補修したいならミルクタイプ、髪にツヤを出したいならオイルタイプ、ボリューム感を保ちたいならミストタイプなど、目的に合わせて選ぶといいでしょう。
また、適度な頭皮の皮脂は髪を老化から守るために欠かせません。これからの暑い季節、むしろ注意すべきは洗いすぎです。2日や3日おきのシャンプーでも問題はありません。今回紹介した方法で髪を洗うよう習慣づけてみてください。少しでも髪の老化を遅らせることができるでしょう。

お話を聞いたのは●AYAMAR(柴田紋奈)さん
あやまる(しばた・あやな)/表参道の美容室aole代表。毛髪診断士。登録者数111万人を突破するYouTube【AYAMAR美ヘアチャンネル】では髪の悩みや美髪のためのアドバイスを発信。ヘアケアブランド「kamini(カミニ―)」のプロデュースも行う。著書に『1分ヘア革命―読むだけで髪の悩みが消える本―』(KADOKAWA)がある。
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