1.お住まいのマンションの防災設備、把握していますか?
まずは「防災のしおり」を確認
入居時に配布された「防災のしおり」がある場合には、お住まいのマンションごとの防災設備の場所や使い方が記載されています。マンション管理組合の掲示板やWebサイトでも防災情報が更新されているので、定期的に確認しておくと安心です。
共用部の防災設備は「共助」のためのもの
共用部にある防災倉庫には、インフラ復旧までに必要な「電気・水・情報・トイレ」に関する防災備品が備えられています。(物件により仕様は異なります)。これらは、マンション内で居住者同士が助け合う「共助」のための設備です。
2.知っておきたい主要防災設備
防災備蓄倉庫|共助の要となる備蓄拠点
駐車場の一角、エントランス脇、地下階などに設置されています。まずは場所を確認しておきましょう。
倉庫の中身例
・ガス発電機・ポータブル発電機
・LED投光器
・簡易無線機
・浄水器/浄水装置
・布担架/救助用具セット
・ウォータータンク
・マンホールトイレ組立キット
倉庫の鍵の保管場所は物件ごとに運用が異なります。管理室または管理組合での管理が一般的なので、事前に確認しましょう。
※2024年度の防災倉庫(防災備品)の物件設置率は94.1%(当該年度引渡物件を対象とした試算に基づく)。
出典:三菱地所レジデンス「まち・サービス 災害対応力|暮らしに、いつも新しいよろこびを。」
マンホールトイレ|ライフライン停止時の切り札
災害時、最も困るのがトイレ問題です。地震直後は排水設備の破損が判明するまで水を流さないなど、自宅トイレの使用可否を慎重に判断しましょう。
※マンホールトイレの設置率は88.2%(当該年度引渡物件を対象とした試算に基づく)。
出典:三菱地所レジデンス「まち・サービス 災害対応力|暮らしに、いつも新しいよろこびを。」
設置場所
物件ごとに異なります。管理組合資料や現地の表示で場所を確認しておきましょう。
使い方
マンホールの蓋を開け、防災倉庫から便座とテント(目隠し)を取り出して設置します。使用方法の詳細は管理組合の指示に従いましょう。
消火器・消火栓|初期消火の要
消火器
各階の共用廊下やエレベーターホールに設置。自宅から最も近い消火器の場所を確認しましょう。
使い方
ピンを抜く→ホースを火元に向ける→レバーを握る
屋内消火栓
大きな火災用で二人での操作が基本。ただし、火災発見時は身の安全を確保することが最優先。可能な場合は初期消火を行い、119番へ通報しましょう。
避難ハッチ・避難はしご|緊急脱出経路
共用廊下やバルコニーに設置されています。日常的に避難ハッチの上に物を置かないよう注意。使用時は、必ず下の階の安全を確認してください。
その他の屋外設備 ※物件により異なる
・かまどベンチ:座面を外すと炊き出し用かまどになる設備
・ソーラー外灯:停電時も屋外照明を確保
・共用水栓:停電時も使用可能
・受水槽:断水時の非常用水源
3.災害時の情報伝達システム
マンション内の連絡手段
館内放送
管理室から居住者全体への一斉連絡
災害対策本部掲示板
エントランスホールなどに設置され、被害状況や復旧情報を掲示
安否確認シート
自宅玄関に貼り付けて安否を知らせるために活用
管理会社連絡先
緊急連絡先を、今すぐスマートフォンに登録しておきましょう。
三菱地所コミュニティ カスタマーセンター(24時間365日受付)0120-959-524
三菱地所グループの防災サポート
防災倶楽部
2014年から社員有志が各マンションの防災訓練をサポート。三菱地所コミュニティ管理のマンション153物件・52,958世帯を対象とし、「被災生活」まで想定した実践的な訓練を提案しています。
そなえるカルタ・ドリル
被災地から学んだ教訓をまとめた防災ツール。公式サイトからどなたでも無料ダウンロード可能です。
4.各住戸に配布されている防災グッズ
防災バッグの中身
例えばザ・パークハウス入居者には、入居時に斜め掛けできる防災バッグを全戸に配布(配布率94.1%)。中身は以下の通り。
・ミニラジオ
・スマホ充電器
・ホイッスル
・ウォータータンク
・簡易トイレセット
・家具転倒防止器具
定期的に電池の交換や消費期限の確認を行いましょう。
その他の住戸内設備
廊下保安灯
停電時に自動点灯し、取り外して懐中電灯としても使用可能。
耐震ラッチ
キッチンの吊戸棚や洗面台に標準装備
※掲載の設備・備品等は物件により異なります。詳しくは「防災のしおり」をご確認ください。
5.今すぐできるアクション【チェックリスト】
早速やってみよう
☑ 防災備蓄倉庫の場所を実際に見に行く
☑ マンホールトイレの位置を確認する
☑ 自宅階の消火器・避難ハッチの場所をチェック
☑ 管理会社の緊急連絡先をスマホに登録
☑ 防災バッグの中身を点検する
☑ 備蓄物の確認をする
☑ 自宅で災害が起きた時のシミュレーションをしてみる
定期的に参加・確認
☑ 防災訓練に参加
☑ 「そなえるカルタ」「そなえるドリル」をダウンロードして家族で確認
☑ 家族で災害時の行動や集合場所を話し合う
まとめ
「知っている」と「使える」は大きく違います。防災設備の場所を知り、訓練で使い方を体験することが、いざという時に役立ちます。
お住まいのマンションの防災プログラムを活用して、「自ら行動できる」備えを整えましょう。そして次のステップとして、各家庭での備蓄の見直しも忘れずに。
監修:一級建築士 尾間紫
- 本記事の内容は2025年12月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。
こちらの記事もご覧ください!
「誰一人取り残さない」ファミリーの防災:新しい暮らしを守る備蓄とチェックリスト
家族でつくろう! わが家の防災計画|ハザードマップ確認から安否確認まで