理想の住まいの選び方

ライフスタイルに合ったエリアと物件を一瞬で教えてくれる! 新サービス「カウンセル」を使ってみた!

新居を検討するとき、まっさきに考えるのがエリアのことではないだろうか。しかし、自分の住むエリア以外のことはよくわからないことも。三菱地所ハウスネットの「カウンセル」は、自分のライフスタイルに合った街と物件選びをサポートしてくれる新しいサービス。その使い勝手を、引越しを考えている記者が試してみた。

住みたいエリアがわからない人の物件選びをサポート

マンション購入を検討する際、手始めに住宅情報サイトを開いてみて、戸惑ったことはないだろうか。既存の住宅情報サイトは、自分の住みたいエリアや住まいの諸条件がある程度決まっていないと先へ進められない仕組みになっている。

住まいの具体的なイメージが湧かない人の物件選びをサポートしてくれるのが、三菱地所ハウスネットの「KAUnSELL(カウンセル)」(以下、カウンセル)だ。開発に携わった同社の笠谷明博さん(流通企画部 グループ長)はこう解説する。

「『カウンセル』は、東京23区でマンション購入を検討する人に向けたDXサービスです。ライフスタイルに関する質問に答えると、オススメのエリアや物件を教えてくれます。さらに、複数のサイト等に散在している住まい探しに必要な情報(災害リスク情報、学区情報、相場情報など)をワンストップで閲覧できます」

もう複数の情報サイトを見なくていい

既存の住宅情報サイトには、大きく分けて2つの課題があった。

「まず、『住まい探しにおける課題』です。具体的には『自分の知っているエリアでしか探せない』『住まいの条件は合っているが、叶えたい暮らしを実現できるエリアなのかがわからない』といった問題がありました。その結果として、『より良いエリアや住まいと出会う機会の損失』や『実際に住んでからの理想の暮らしとのギャップ』が発生しているのではないかと当社で分析したのです。

もうひとつは、『情報収集における課題』です。学区や災害情報といった住まいに欠かせない情報は住宅情報サイトではわからないことが多く、『複数のサイトを見ながら、自力で情報収集をする』といった手間が発生していました。これでは時間、労力ともに負担が大きいだけでなく、調べ方次第では購入前に十分に情報を集めきれない可能性もあります。」(笠谷さん)

理想のライフスタイルを入力するだけ

では、「カウンセル」は、どのように「理想の住まい」へ導いてくれるのか。なにはともあれ、使ってみるのが一番だ。

カウンセルのサイトを開くと、まず登場するのが「診断をする」という赤いボタン。クリックすると、「好みに最も近い街の雰囲気は?」「あなたが大切にしたい趣味は?」「頻繁に利用したい飲食店は?」「子育て環境で譲れないことは?」……と、ライフスタイルに関する質問が続く。

すべての質問事項に答えると、おすすめのエリアと、自分のタイプが表示される。ちなみに筆者の診断結果は「バランスの取れた街暮らし 多趣味タイプ」。詳しくは、「利便性と落ち着きのバランスが取れた街が好き」で、「子育てでは子供との時間、安心・安全な環境、近隣コミュニティ、自治体による手厚い支援が重要」など、自分の理想の条件を洗い出してくれた。

表示された「おすすめのエリア」は全部で5カ所。1位は「練馬区・練馬エリア」で、2位は「中野区・鷺ノ宮エリア」、3位は「豊島区・要町・長崎エリア」と続いていた。これが、筆者にとってはなんとも新鮮だった。というのも、東京都内で熟知しているのは世田谷区のみ。学生時代も、就職してからも、練馬区や中野区に住んだこともなければ通ったこともなかったので、ほぼ未知のエリアだ。自分でエリアを入力するサイトであれば、まず頭に浮かんでこない場所でもある。

おすすめエリアが表示されたあとは、「エリアの詳細」もしくは「このエリアの物件」を閲覧できる。やっぱり気になるのは「エリアの詳細」。今のままでは、このエリアで生活する自分をまったく想像できないからだ。

そこで「練馬区・練馬エリア」の詳細をチェックすると、ありとあらゆる情報が出てくる。「スーパー 23件」「コンビニ 69件」「ドラッグストア・薬局 45件」…、「災害リスク情報」は色分けしたマップで「洪水」や「土砂災害」などの可能性が表示される。さらには、「第3子誕生祝金」などこのエリアの子育て施策や待機児童の人数もまとめられている。

ライフスタイル記事を読むと、街歩きをしている感覚に

文字や数字ばかり追うのにも疲れてきたタイミングでコーヒーブレイク的に楽しめるのが、「このエリアのライフスタイル記事」だ。

「西武池袋沿線は住みやすい?穏やかな街が多く子育て世帯におすすめ」などのタイトルとともに、美しい写真が並んでいる。観光とはまた違い、住人目線で切り取られた写真やトピックが並んでいて、読み進めるうちにまるで街歩きをしているような感覚になれる。少しずつ、このエリアで生活する自分のイメージが湧いてきた。

より詳しく、正確なデータがわかる

満を持して「物件」ページをチェックし、特定のマンションをクリックすると、ここもデータが充実。付近にある小学校や中学校の一覧だけでなく、スーパーやコンビニといった日常的に利用する施設の店名が具体的に列挙されているのだ。

一つのサイトで住まい選びに必要な情報を網羅できる。それが、このサービスの第一印象。開発スタッフの一人、同社の渡辺 至さん(流通企画部 主任)によれば「『おすすめエリア』は三菱地所グループのこれまでの知見を基に、東京23区を200以上のエリアに細分化し、サービスを利用する方にピッタリの街を提案します。『生活利便施設』や『住民データ』など当社の専門外のエリア情報については、複数の専門企業や団体と連携し、システム内にデータを蓄積させています。そのため、より詳しく、正確なデータをご紹介できています」という。

また、「ライフスタイル記事」の写真選びもかなりこだわっているそう。「納得のいく写真が見つからないときは、自ら現地に足を運んで撮影することもあります」と、同部の松永芹采さん。そのおかげで、未知のエリアであっても未来の暮らしを具体的にイメージしながら物件探しを進められるのだ。

気に入ったエリアや、物件はSNSの感覚で「フォロー(お気に入り登録)」できるのも便利。

「フォローしているエリアについての最新情報(生活利便施設情報、記事、相場情報など)や新着物件情報がSNSと同様に自分のフィードにどんどんアップされていくので、情報収集の負担がさらに減ります。また、会員登録をすることによって、オススメ物件メールを受信できたり、自分の登録した条件を保存して使い続けることもできます」(笠谷さん)

読み物としても楽しめるのが「カウンセル」の魅力。マンション購入の予定が少し先であったとしても、SNS感覚で試しに登録してみてはいかがだろうか。

(2024年2月5日掲載)

取材・文/吉田 彩乃


お話を聞いたのは●(左から)三菱地所ハウスネット 流通企画部 笠谷明博さん、松永芹采さん、渡辺 至さん