
リビングオフィス化計画。はかどる仕事スペースの作り方とは?
内閣府の公表した「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う生活意識や行動の変化に関する調査※」によると、コロナ禍の影響でテレワークを全国で34.6%の方が経験、東京23区では55.5%に上り、そのうちの9割以上の方が継続してテレワークを利用したいと回答しています。
レジクラ会員の皆様も、いざテレワークをはじめてみると、仕事をする環境としての自宅に気づかされたことや不満を感じたことも多かったのではないでしょうか。
今回は、快適なテレワーク環境を目指してリビングオフィス化を考える上でのポイントをご紹介します。※出典元:2020年6月21日「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」
55%のテレワーカーは、リビングダイニングがワークスペースに!

テレワークが浸透していくと通勤時間のロスがなくなり、家族との時間が増えたなどのメリットがある一方、本来、くつろぎの場所である住まいに仕事を持ち込むことで家族との間に不協和音が…といったこともあるようです。
リクルート住まいカンパニーが実施した「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査では、テレワークの不満として「オンオフの切り替えがしづらい」「仕事専用の/一人で集中するスペースがない」などの項目が上昇。テレワークの実施場所では「リビングダイニング(ダイニングテーブル)」が55%と最も割合が高くなっています。
テレワーカーにとっての住まいは、ワークスペースとなるリビングをどのように整えていくのかも、重要なポイントといえそうです。
出典元:2020年5月22日「新型コロナ渦を受けたテレワーク×住まいの意識・実態調査(SUUMO調べ)」
はかどるワークスペースを考えたい、リビングオフィス化計画。

では、リビングダイニングをよりよいワークスペースとして整える計画をこれから立てるなら、次の2点をヒントに、快適な環境づくりの工夫をしてみましょう。
1.集中しやすさ
視界に入るモノや色、音が制限されると、気が散ることが少なく集中しやすくなります。仕事のオフスイッチになりやすい生活感から距離を取って、できるだけ壁側や窓際などリビングの隅の場所を確保しましょう。
2.片付けのしやすさ
食事の準備が始まって、家族が集まりだしたら、すぐに片付けられることも共用空間のリビングに必要なルールです。同じ空間でありながらも、家族の動きの影響を受けないスペース作りが望ましいでしょう。
次からは、取り入れてみたい仕事スペースの作り方をご紹介します。
リビングの邪魔をせず、集中しやすい環境作りのためのひと工夫。

ダイニングテーブル周りは、視界にいろいろなものが入ってきやすく、扉が近いことも多く人の出入りも気になるものです。また、ワークスペースを作ることで、リビングが狭くならないかなども気になるポイントです。デスクを設置するなら、窓側や壁際などはリビング空間に圧迫感を与えにくく、仕事中は横向きか背を向けられるポジションになるため周りが気になりにくくなります。より集中力を高めるなら、折り畳み式のパーテーションなどで独立した環境感を演出するのも一考です。

出勤とテレワークのミックスでメールや資料作りなどが中心の仕事ならば、キッチンカウンターも充分なワークスペースとして活用できておすすめです。椅子を置くだけという簡単な工夫で整えられます。カウンターに高さがある場合は、スタンディングデスクとして活用してみるのもひとつの方法。オンライン会議など時間が限られた仕事は立ったまま行うことで姿勢も正しやすく、背を丸めた長時間のデスクワークで悩みがちな、腰痛や肩こりを軽減することも期待できます。

リビング脇の物入やキッチン脇の食品庫もワークスペースに改造できます。可動棚の高さを自由に調節して、机と整理整頓しやすい収納スペースを設けて、中に納まる椅子をチョイスするだけで整えられるオフィス空間です。特に、左右の視界を遮る扉があることで集中しやすく、扉を閉めてしまえば、仕事が途中でも片づけなくて済むところがメリット。リビングに机や収納を増やし、インテリアのバランスを崩したり、空間を狭めることもない有効活用できる方法です。

より独立した環境を求めて本格的なリフォームを考えるとなると、プランや費用といった検討の時間もかかります。そこでご紹介するのがリフォームをしなくとも置き方次第で新しい“居場所”が生み出される『箱の間』です。豊富な収納力を持ちながら、中に人が入って机に向かえる個室感覚の小部屋のため、設置するだけで自分だけの書斎空間に。例えば写真のように、『箱の間』の入口を壁側に向けて設置すると、リビングの音や様子を気にすることなくテレワークにも集中できることでしょう。
これからの住まいは、ワークスペースの在り方もいっしょに考えていきましょう。

前出のSUUMO調べの調査では、今後もテレワークを行う場合、「仕事専用の小さな独立空間が欲しい」と答えた割合は最も高く、約半数が間取り変更を、24%が現在の家からの住み替えを希望しているという結果がでています。
ワークスペースは必ずしも個室でなくてはならないわけではなく、リビングをはじめとした現在の生活空間を見直して、レイアウトなどの工夫からまずははじめてみましょう。
よりテレワーク中心のライフスタイルになれば、住む場所そのものもこれまでの通勤利便性などを重視する観点とは異なった探し方が得策になるかもしれません。家族との距離感や、一緒に過ごす生活スペースを大切に考えながら、これからの住まいを見直していくことも時代の流れのひとつといえるでしょう。