Q.相談窓口ではどんな相談ができるのか教えてください。
A.『三菱地所のレジデンスクラブ』では不動産を承るコンシェルジュと三菱UFJ信託銀行が連携して、資産全般の運用や管理に関わる幅広いご相談にお応えしています。特に「相続」については、2015年の相続税改正と2018年に成立した民法(相続法)の大改正を契機にご質問が増えています。その内容も「子世代の方が親の資産と相続対策を心配して」「お子さまがいない高齢のご夫婦が資産の管理や将来に迷って」「地方のご両親の不動産をどうしたらよいかという相続問題」などのように多種多様なご事情を抱えていらっしゃいます。
A.相続対策には、税金面と承継面(遺産分割・手続き)という異なる視点での検討が必要です。例えば、現預金での税金納付が難しい場合、土地売却による現金化か上物を建てて税金を圧縮するという状況の違う判断が求められます。非課税とされている生命保険では、必要性の分析が不十分なまま高額な生命保険に加入することで、老後の生活を圧迫するといったケースもあります。策を講じるためには個別事情を踏まえてバランス良く組み合わせ、全体を俯瞰した知識や経験値が求められることから私たちの相談窓口をご活用いただくことをおすすめしております。
Q.「相続」について考えていくためには、何をすることが必要でしょうか。
A.相続の問題は、知っていることはあっても断片的で、自分ごと化して考えようとしてもなかなか難しいものです。その結果、不安だけを抱えて手を付けられていないという場合が多いのではないでしょうか。
まずは、相続財産を承継することになる民法(相続法)で定められた法定相続人の立場となる人は誰なのか、不動産や預貯金、生命保険やゴルフ会員権といったものも含めた資産のすべてを整理し一覧化≒見える化することが大切になります。ただし、一覧化しようとしてもご相続人の数や範囲、相続財産としてどこまで掲載する必要があるのかなど多くの疑問を持つことでしょう。
専門家への相談とは、所有する不動産の評価や多岐にわたる金融資産を整理するプロセスにおいて、個別事情も理解した上でどのように分ければよいのか、ご家族がより納得感のある適切な解を見つけ出すために幅広い観点からアドバイスを受ける場といえるでしょう。
なかなか考えたくない相続ですが、ご自身やお父様が突然亡くなられ、お子様やご夫婦間で資産について情報共有がなされていないと、相続そのものの煩雑な手続きに残されるご家族がご苦労するということになります。より早い時期に将来に備えて一覧化しておくことを「はじめの一歩」としておすすめいたします。
Q.どのようなタイミングから「相続」に備えていくと良いでしょうか。

A. 「人生100年時代」を目前に控え、認知・判断機能の低下に伴って、相続の執行においても制約を受ける可能性が示唆されています。内閣府による2019年版高齢社会白書では、将来(2065年)の平均寿命は男性84.95年、女性91.35年と、現在の平均寿命をさらに上回ることが見込まれています。また、日常生活に制限のない期間(健康寿命)は、2016年時点で男性が72.14年、女性が74.79年、平均寿命との差は男性が8歳前後、女性は12歳前後と男女差もあります。第三者の立場としては、個々人が納得感のある人生を送り、大切な人へ資産や想いを引き継ぐためにも、健康かつ判断も柔軟な世代のうちに相続対策として物事を決めておくことをご提案しています。
A.親子間で相続の話を進めていくためには、子が親をサポートすることが望ましいですがスムーズに切り出しにくいものです。こうした場合、相談窓口などをご利用いただき専門的で客観性のある提案を受けることで冷静に判断できる道筋もつけられることと思います。相続問題は、考えや想いだけがベースにあっても上手くいかないものです。遺言においては税制や法律があり、相続人側の遺留分などの権利を考慮することも知っておかなければなりません。ご家族が後にその権利を主張しあい遺産分割に関する調停・審判を申し立てることも増加しています。ときには気持ちを譲りあいながら、家、家族にとって幸せな未来が選択ができるよう備えることは早いほど良いといえるでしょう。
Q.相続について考える上で、知っておきたい背景やポイントにはどんなことがありますか。
A.相続の現状は、2015年の相続税改正(基礎控除の4割引き下げ)によって、全国平均で相続税を支払う人の割合が4%台で推移していた改正前と比較し、改正後は8%台に上昇。東京都では改正前の6~7%台から、改正後は12~13%台まで増加しています。また、2018年に成立した民法(相続法)の大改正は、2019年1月~2020年7月までの間に順次施行されており、配偶者居住権や遺産分割、自筆証書遺言の方式緩和と法務局での保管が可能になったことなどが大きな変化としてありました。
これまで富裕層向けというイメージだった相続は、もはや一般化し、従来は対象外と思えた給与所得者層であっても「自分も相続税の負担が必要になる」「家族に資産を残すために」ということを考えて対策を講じなくてはならない時代を迎えています。
バランスを考えた相続対策によって、世代間の資産承継をスムーズに行うことが、家族というコミュニティの崩壊するリスクを避けることになります。私たちはお客様のご家族のことやこれまでの人生、物事に対する考え方や相続における想いなど汲み取るよう会話を重ね、信頼いただける関係性を築くことを大事にしてご提案しております。まずは、相続についてわからない部分を知る、情報を得るという気持ちで気軽にご相談に来ていただきたいと思います。
【お話を伺った方】
三菱UFJ信託銀行株式会社
リテール企画推進部 相続事業室 今井 宏幸
リテール企画推進部 営業企画グループ 三宅 整
- 記事内容は、お二人にお伺いしたお話をまとめさせていただきました。
- 資料:平均寿命:平成13・16・19・25・28年は、厚生労働省「簡易生命表」、平成22年は「完全生命表」、健康寿命:平成13・16・19・22年は、厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」、平成25・28年は「第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料」
- 課税割合とは、年中に亡くなられた方(被相続人数)に対し、相続税の課税対象となった被相続人数の割合となります。
