ローンの種類と特徴

都内4人家族で暮らす新築マンションがほしい!「ペアローン」を使う前に考えたいこと

新築マンションの価格が高騰している昨今、「ペアローン」も有効な手段になっています。ただ、ペアローンには入手できる物件の選択肢が広がるというメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。子育て世代の住宅購入に詳しい有田美津子さんが「都内で新築マンションの購入を検討している4人家族」を想定したペアローンの注意点を解説します。

東京都内で家族4人が暮らせるマンションの予算とは?

まずは、夫婦2人、子ども2人の4人家族がマンションを購入する場合の条件について考えていきましょう。子ども部屋のことを考えると間取りは3LDKはほしいところ。面積は65㎡〜75㎡位あると、比較的ゆとりを持って暮らすことができます。これらの条件の新築マンションを東京都内、特に都心や利便性の良いエリアで購入する場合、私は1億円程度を目安に検討することをおすすめしています。

1億円のマンションを購入する際に、夫か妻の単独名義で住宅ローンを組む場合、年収は少なくとも1,300万円は必要になります。そうなると1人では借りられない、借りることはできても余裕がないという家庭は少なくありません。そこで、夫婦が共働きの場合に選択肢に入ってくるのが「ペアローン」です。

「ペアローン」とは、1つの物件に対して、夫婦それぞれが契約者として住宅ローンを借りる方法で、夫婦は互いに連帯保証人となる必要があります。ペアローンの最大のメリットは、住宅ローンの借入額を単独契約時よりも増やせるということ。その他、夫婦それぞれが住宅ローン控除を受けられるなどのメリットがあります。

ペアローンを利用する前に知っておくべき3つの注意点

借入額を増やせることで希望の物件が購入できる可能性が高まるというメリットのあるペアローンですが、デメリットも存在します。利用する前に、以下の3つの注意点について理解しておきましょう。

【注意点①】収入が減少しても2人分の住宅ローンの支払いは続く

子どもがいる家庭の場合、子どもの都合で時短勤務に変更したり、自営業や契約社員に転職したりと働き方が変わって収入が下がる可能性があります。フルタイムの正社員で働いている現在の収入を基準に返済計画を立ててしまうと、収入が減少したときに家計が厳しくなってしまうでしょう。また、夫婦どちらかの収入が大幅に下がると、借り換えも難しくなる場合があります。

【注意点②】離別・死別した場合は、単独でローンを払う必要がある

ペアローンは夫婦が互いに連帯保証人となっています。そのため、万が一離婚することになり、どちらかが購入したマンションに住み続ける場合、相手の返済分も1人で返していくことになります。売却する場合も双方の合意が必要です。また、どちらかが死亡した場合も自分のローンは残るため、1人分の返済は続けていかなければなりません。

【注意点③】売却時に利益が出るとは限らない

最近では、ペアローンで住宅ローンの借入額を増やし、投資目的でマンションを購入する家庭が増えてきています。しかし、想定していた金額で売却できるとは限らない上、マンションの売却には様々な費用と多大な労力がかかります。投資目的での購入を考えるのであればリスクを理解し、夫婦で話し合って慎重に検討しましょう。

“今後のお金の使い道”を考えた上でペアローンを検討しよう

ペアローンを利用すれば理想の物件を購入できるとなれば、「多少無理してでも買おう」と焦ってしまうかもしれません。しかし、住宅ローンの返済で日々の生活がカツカツになったり、子どもの将来に影響が出てしまっては元も子もありません。

だからこそ、ペアローンを利用してマンションを購入する前に、家族全員で「今後のお金の使い道」についてすり合わせることが大切です。生活費はもちろん、子どもたちの教育費やレジャー費など、必要になるお金や自分たちのやりたいことにかかるお金を洗い出してみましょう。

特に教育費は大学時代をピークにどんどん増えていく上、小学校・中学校受験をするのか、公立・私立のどちらを選択するかなど、進路によっても大きく変動します。さらに、子どもの手が離れたら夫婦の老後資金を準備していかなければなりません。こうした金額を差し引いても返済できる金額なのか、収入が減少する可能性も見越して考えておくことが大切です。


(2024年3月12日掲載)

マンションの新着物件をチェックしたい

4階建て以下の低層マンションを探したい

お話を聞いたのは●有田美津子さん

ありた・みつこ/ファイナンシャル・プランナー(CFP®)、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、相続診断士。銀行での住宅ローン相談や住宅販売、損保会社での実務経験と、実生活での経験を活かし、子育て世代の住宅購入や、シニア世代の住み替え相談を行う。執筆・監修に『トクする住宅ローンはこう借りる』(自由国民社)がある。
https://fparita.com/