第11回 今ある家具も活用可!理想のお部屋づくり Vol.1

「教えて!メックさん」では、メック・デザイン・インターナショナル(三菱地所グループのインテリアデザイン会社)やその提携家具メーカーが、皆様のインテリアに関するお悩みにQ&A形式でお答えいたします。今回から全2回にわたって、今ある家具を活かしながらでもできる、理想のお部屋づくりの方法をご説明します。この春から新生活を始める方も、今のお住まいのインテリアにちょっと飽きてきたなという方も、ぜひご一読ください。

Q.今ある家具も活かしながら、部屋の印象を変えられますか?(40代女性)

1. 理想とするお部屋のイメージを決める

新生活を新しい素敵なお部屋で始めたい、もしくは、今ある家具を活用しながらお部屋の模様替えをしたいとお考えの方は、インテリア雑誌などをご覧になりながら、いろいろと想像を膨らませていらっしゃるのではないでしょうか。
理想のお部屋づくりのためには、まずはご自身のお好み、一番寛げるインテリアテイストを見つけることが大切です。今は書籍以外にも、ネット検索やSNSなどで、さまざまなお部屋の風景が、好きな時に見られる時代です。たとえば『Pinterest』『RoomClip』『Google フォト』などで好きなお部屋やインテリアの画像を集めてみましょう。きっとご自身のお好きなインテリアの傾向が見えてくると思います。もし、ご夫婦で理想のインテリアが違う場合は、思い切って、お部屋毎にテーマを変えてしまうのも楽しいです。(たとえばリビングは“イタリアンモダン”、ベッドルームは“フレンチボタニカル”など。【参考1・2】)インテリアテイストは、ご自身の感じた印象、例えば“アニヴェルセルのカフェ”や“海外ドラマの主人公が住んでいた部屋”のように、ざっくりしたイメージでもOKです。
理想のお部屋のイメージを最初に決めておくと、インテリアをまとめて揃える際も、徐々に買い足していく際も、ストレスがありません。

【参考1】モダンインテリアのイメージ(画像提供:B&B)
【参考2】ボタニカルインテリアのイメージ(画像提供:マナトレーディング)

2. 家具のレイアウトを決める

すっきり広々と感じられるお部屋に共通することは、“視界の広がり”です。具体的には、リビングドアを開けた時に、奥まで視線が抜けるレイアウトがベストです。【参考3・4】
視線を遮る背の高い家具(本棚など)は、お部屋の奥側、目線から離れた壁際に配置すると、視覚的にお部屋が広く感じられます。奥側に背の高い家具・手前に低い家具が基本のセオリーです。また家具を並べる時も、高さや奥行が揃うと、整然とした一体感が生まれます。もし、家具の高さが違う場合は、奥側から高い物を順番に並べるなどの工夫をしていただければと思います。
生活上、人ひとり通るのに必要な寸法は60㎝。ただ、新築の場合、図面だけ見ていても、なかなか広さのイメージが掴めないことがあると思います。その場合は、現在暮らしているお部屋の家具と家具の間をメジャーで測ってみてください。今暮らしているお部屋の通路寸法と図面を見比べると、より実感が湧いてきます。大きく印刷した図面の上に、家具の写真やカーテンの生地をのせていけば、簡単に自分だけのプレゼンテーションボードが完成しますよ。

【参考3】奥まで視線が抜けるレイアウト例①(画像提供:Poliform)
【参考4】奥まで視線が抜けるレイアウト例②(画像提供:interiors)

3. 新しく揃える家具と処分する家具を決める

統一感のあるお部屋にするためには、家具の色・形・素材感のディテールの違いを見極め、合わせることがポイントです。ただ、慣れるまでは、なかなか難しいと感じるかもしれません。
まずは、1で決めた理想のインテリアテイストと現在使用している家具・新しく購入予定の家具がマッチしているか、“第一印象”で判断してください。その時点で、違和感がある物は検討から外しましょう。
判断が難しい場合は、まず主役となる家具を決め、その木部の色に、他の家具の色も合わせると良いでしょう。目に入る情報量を絞っていくのが、理想のお部屋に近づく第一歩です。また、インテリアイメージには合わないけれど、愛着があって捨てられないという家具は、1でお話しした通り、他のお部屋に置くという選択肢もありますし、ソファーやチェアは、張地を替えるだけで、ガラッと印象が変わる場合があります。購入店で相談してみてください。
お気に入りのファッションやブランドがあるように、お気に入りのインテリアスタイル・家具メーカーを知っておくと、より暮らしの愉しみが広がります。それを含めてトータルで検討されたい場合は、お住まいのパーソナルスタイリストである弊社にご相談いただければ、お一人では思いつかなかった新しい発見があると思います。【参考5・6】

【参考5】インテリアコーディネーター製作の提案ボード例①
【参考6】インテリアコーディネーター製作の提案ボード例②

この記事の担当者


藤本 栄子
株式会社メック・デザイン・インターナショナル 提携インテリアコーディネーター

広さと彩りが感じられる上質な住まいづくりを心掛けながら、首都圏の住宅を中心にインテリアコーディネート業務を手掛けている。

「メック・デザイン・インターナショナル」とは

メック・デザイン・インターナショナルは三菱地所グループのインテリアデザイン会社です。人と環境に配慮した美しさと心地よさを兼ね備えたインテリアの実現のためには、豊かな経験と知識、 柔軟な発想力、確かな技術力が必要です。デベロッパーのインハウス設計事務所として培った経験を生かし、お客様一人ひとりのライフスタイルやイメージに合わせ、毎日の暮らしを豊かにするご提案をいたします。

メック・デザイン・インターナショナルのインテリアサービスサイトはこちら

教えて!メックさん 一覧に戻る