30年以上暮らした住まいからの転居。これまでの家具も活かしながら新居をコーディネート。

水上さんが、ご両親とともに暮らすのは神奈川県川崎市の「ザ・パークハウス」。ほど近い場所で30年以上住み続けていたマンションからの住み替えでした。
お母さま「リフォームして住み続けるか中古のマンションをと考えていました。たまたま見た広告でこのマンションに出会い、玄関からリビングが見えないことや、戸建てのような広さがあるポーチ、プライバシー性の高いテラスなど、間取りがとても気に入って新築で購入することになりました。」
それまでの住まいよりも少し狭くなるため、愛着ある家具やものを処分することも必要だったようですが、できるだけ新居に取り入れたそうです。水上さんはコーディネートの際、どんな点をポイントにしたのでしょうか。
存在の大きなソファとカーテンは、リビング全体のバランスを整えるポイントのひとつ。

水上さん「リビングで存在の大きいソファとカーテンはインテリア全体のバランスに影響します。雑誌などから探した松本民芸のソファは光沢あるベロア調の張地でしたが、他の家具との調和を意識してグレー系統の落ち着いた素材に張り替えています。カーテンは室内を印象付けるものなので、部屋が暗くなりすぎないようアースカラー系のやさしいグリーンに、レースカーテンは、テラスのグリーンや花々が見えるよう透け感のある素材を選んでいます。」
インテリアコーディネートの際には、ソファやカーテンなど面積が大きいものがポイントになるため、それまで使っていた家具とのバランスが大切だったといいます。

水上さんの父方の祖父が収集してきた家具やアート、お母さまが集めた照明や陶磁器などと、新しく整えたインテリアが調和した落ち着きある雰囲気の空間に仕上がっています。
お母さま「一緒に暮らした時期もある義父は明治の人でしたが、ステッキにベレー帽と懐中時計のスタイルで出かけるとてもダンディな方でした。民芸家具や芸術作品などを単に集めて美しいと眺めるよりも、使うことを楽しむというスタイルを持っていました。私はすっきりと暮らしたいといつも考えていますが、義父との思い出も大切なもの。できるだけ活かしたいと思っていました。」と話してくれました。
著名な作家の家具やアートが日常の生活を彩ることで、暮らす方らしさを表現した住空間に。
重要無形文化財「木工芸」保持者(人間国宝)認定の黒田辰秋氏の手による民芸家具や、静岡に市立の美術館があり、型絵染・ガラス絵・板絵などで著名な芹沢銈(けい)介氏の作品など、存在感のある調度品やアートが日常の生活に調和して、そこに暮らす人の温かさを醸し出す空間にまとめられています。
水上さん「インテリアコーディネーターとしてモデルルームなどに携わるときは、夢や憧れ、高級感というものを意識しきれいにまとめざるを得ません。しかし、個人の住まいの場合は、そこで暮らす方が何を求めているのかを知り、求められている以上の空間を描くようにしています。また、そこに住む方の人柄を感じるというか、その方が見えるしつらえにすることを大切にしたいと想っています。」
住み続けていく間に変わりゆくものも受け入れてくれるインテリアコーディネートを。

水上さんご家族の住まいは、その大切にしたい想いが表現されている空間なのだと感じられました。さらに、インテリアコーディネーターとしての考え方について伺ってみると、
水上さん「住まいとは、長く住み続けている間に変わりゆくものです。お住まいになる方の家族構成や世代の変化、世の中のライフスタイルの流行り廃りなどがあるなかで、インテリアというものには余白が必要なのではないでしょうか。まとめきった隙のない完璧な空間をつくりあげるよりも、固めきることなく後からの変化を受け入れられるインテリアコーディネート。それが、暮らす方にとっていつも快適であり続ける空間になるのだと思います。」と語ってくれました。
自分たちにふさわしい住空間のこだわりは、インテリアコーディネーターとともに。
祖父・母からの影響を受けて、受け継いだ感性が活かされる現在の仕事とは、水上さんにとって必然だったのかもしれません。インテリアコーディネーターとして、オリジナリティや時に遊び心も交えながら、暮らす方が住み継いでいく楽しさが感じられる住まいになるような提案をしたいとも話してくれました。
毎日の生活に寄り添うインテリアは、快適な暮らしをつくり、癒しを与え心を豊かにするものです。そこにこだわりを持つことは、住まいそのものの価値も高めていけるものなのではないでしょうか。住まいを買う時、リフォームをするとき、インテリアの買い替えを考えるとき、自分たちのこだわりを叶えてくれるインテリアコーディネーターにサポートを求めてみてはいかがでしょうか。
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