明治時代にタイムスリップしたかのよう!
細部まで忠実に再現された空間
「Café 1894」があるのは、「三菱一号館」でかつて銀行営業室として使用されていた空間です。1894年に竣工された当時の写真や図面、保存部材をもとに、工法や製法まで徹底的にオリジナルに基づいて建てられました。店内は、2階分の高さが吹き抜けに。6本の柱を除いては、鉄柱や鉄骨が使われていませんが、もともとの建物も関東大震災の際にもびくともしなかったという逸話があり、安全性は申し分ありません。そして柱の上部にある「柱頭」は、「アーカンサス」と呼ばれる植物をモチーフにしたデザインが特徴的。3人の彫刻家が半年かけて完成させたという労作です。
明治時代の写真と同じアングルで空間を切り取ってみると、ほぼ寸分違わず復元されていることがよくわかります(写真左/2020年10月27日撮影、右/明治時代撮影)。ちなみに外壁と構造に使われている約230万個の赤煉瓦も、現在の製法と異なる当時の作り方で特別に作られたもの。外装は、ロンドンの街並みをイメージしたデザインになっており「クイーン・アン様式」と呼ばれる、19世紀のヴィクトリア時代の建築の中でも代表的なスタイルを踏襲しています。
19世紀末の趣が残る、内観のディテール
銀行窓口だったカウンター
旧銀行営業室だったため、お客様と職員がそこを差し挟んで業務を行っていたであろうカウンターが。ガラスを縁取る美しき装飾にも、明治時代の風情を感じます。館内のディテールには写真や実測図などの資料、またものによって当時使われていた部材も残っていたことで、限りなくオリジナルの建物に近づける復元が叶いました。
ガス灯の形をした照明
店内のそこかしこにある照明は、当時のガス灯を模したもので遊び心のあるデザイン。球形のシェードが上向きなのは、当時はガスによる灯火の熱を逃がすためだったそう。現在は電灯ですが、光源が天井や壁を照らす間接照明となっていることで、陰影のある反射光が空間全体を柔らかく照らし出します。
自然光を取り入れる大きな窓
店内の天井高は、実に8メートル。自ずと窓も大きくなります。しかも建物の東側にあるので朝から日没まで、気持ちの良い光が店内に射し込みます。周りに建物が増えたとはいえ、明治時代の人々の目にも同じように映ったのでは、と思える光を体感できます。ちなみに窓ガラスは2002年に建て替えられた旧新丸ビルで使われていたものを再利用。ゆらいだガラスは趣を伝えています。
美術館で芸術鑑賞をしたあとは、「Café 1894」で余韻を味わって――
定番料理に加えて“アートを味わう”感覚の特別メニューも好評
ランチタイムからカフェタイム、そしてディナータイムと、さまざまなメニューとともに迎えてくれる「Café 1894」。定番のラインナップでは、ランチタイムの「ガーデンプレート」やカフェタイムの「自家製アップルパイ」が特に好評を博しています。また、美術館に併設されたカフェならではといえるのが、展覧会ごとに登場する企画と連動したタイアップランチやデザート。展覧会のコンセプトがモチーフになることもあれば、特定の作品からイメージを膨らませてシェフがアイデアを凝らすことも。そしてカフェは、美術館が閉館した後も23時まで営業しており、ディナータイムには前菜からパスタ、メインまで本格的なお料理をお酒とともに楽しめます。「三菱一号館美術館」で芸術作品に触れたあとは、ぜひ「Café 1894」で余韻に浸るひとときを。
Visionヴィジョン ―モノクロから色彩へ―
「Vision(ヴィジョン)―モノクロから色彩へ―」2,420円(税込)は、今回の展示作品である、ルドンの「神秘的な対話」をモチーフにしたランチメニュー。メインディッシュの「オーロラサーモンのポワレ ブールノワゼット」は、焦がしバターで仕上げたサーモンの下に鮮やかな紫芋のピューレを敷き、周囲にはディル、セルフィーユ、イタリアンパセリなどのハーブとエディブルフラワー(食用花)をあしらった色彩豊かなひと皿です。前菜・メイン・ドリンク(コーヒーまたは紅茶)がセットに。
※「1894 Visions ルドン、ロートレック展」会期中限定のメニューとなります。
Café 1894 ガーデンプレートランチ(ハーブティーつき)
定番メニューの中でも、充実した内容で高い人気を誇るのが「ガーデンプレート」1,750円(税込)。海老とブロッコリーのアメリケーヌグラタン、モネのグリーンサラダ シーザードレッシング、スモークサーモンとカブとアーリーレッドのマリネ、スモーク鴨&ブルーベリーとクリームチーズのサンドウィッチ、自家製スコーンとラズベリーと、手のかかったメニューがプレートにぎっしりと! 季節ごとにフレーバーが変わるハーブティもセットです。
Café 1894 自家製クラシックアップルパイ
ティータイムには「Café 1894 自家製クラシックアップルパイ」930円(税込)を。パリッとした層が幾重にも重なったパイ生地の上に、甘く煮たリンゴとサクサクのクランブルをあしらって。香り高いバニラアイスクリーム、そしてほろ苦いキャラメルソースとのハーモニーを楽しんで。クラシカルな空間にふさわしい、王道な味わいの逸品です。
三菱一号館美術館 ミュージアムカフェ・バー「Café 1894」
東京都千代田区丸の内2丁目6−2
三菱一号館美術館
03-3212-7156
Café 1894
営業時間/
11:00~23:00(L.O.22:00)
※新型コロナウイルス感染症の影響により、営業時間および定休日が記載と異なる場合がございます。
最新の情報は公式サイトにてご確認ください。

(撮影=平松唯加子、文=小石原はるか、構成=レジデンスクラブマガジン編集部)