暮らし快適メモ

Q:10年間で10㎏体重増加!カロリーオーバーは1日あたり、どれくらい?➡①約20kcal ②約200kcal ③約1,000kcal

この問題の答えは、①です。
体重の増加を気にしてはじめるダイエット。でも、ほんとは体重を増加させないために日々どのように暮らしていくことがよいのかが大切なはずです。今回は、この基本の考え方について管理栄養士の視点から教えていただきました。

1960年代からはじまったダイエットブーム。低カロリー食品を取り入れたり、スポーツジムに通ったり、毎年毎年、さまざまな方法が流行してきました。どの方法が、たくさんのエネルギーを減らすことができるのか?つまりどれだけ減量するのかが注目されてきましたが、少し視点をかえて、減量ではなく増量に注目してみると、10年で10kg増量した場合、1日あたりの過剰エネルギーは、たった約20kcalと計算されます。意外と知られていない事実です。

目次

20kcalというと、ごはん2口程度!

100kcalのエネルギーをもつ食べ物を食べて、100kcalのエネルギーを消費する運動をすれば、食べた分のエネルギーが消費され、体重が増えることは基本的にありません。人間は心臓などの内臓を動かすだけでもエネルギー(基礎代謝)を必要とするため、何もしなくても1,000~1,500kcal(年齢性別により異なる)のエネルギーを必要します。ですから、私たちの1日の消費エネルギーは「基礎代謝+活動量」と計算されることになります。

消費エネルギー以上に摂取エネルギーが多くなると、そのエネルギーは「脂肪」に変換され体に貯蔵されていきます。これを数値化すると、脂肪1kgは、およそ7,000kcalといわれていますから、10年で10kg増量した場合、10kg×7,000kcal=7万kcalとなります。10年は3650日なので、7万kcal÷3650日=19.178…=およそ20kcalとなります。食べ物だと「ごはん2口分」、運動だと「ウォーキング10分程度」と同じくらいです。

お腹いっぱい食べられるようになって、まだ50年くらい!

1日20kalでもオーバーすれば体重は増えていきますので、沢山食べるから太るというわけではなく、知らず知らずに増えてしまっている人が実は多いのです。原因は個人によって様々ですが、時代の変化という共通点はあります。ホモサピエンスの起源は20万年前とも言われますが、長い間、人間は飢餓の時代を生き抜いてきたため、飢餓には非常に強くできています。エネルギーを蓄積しやすく消費しにくくできています。燃費良くできているのです。

飽食の時代は、およそ50年ほど前からで、これは戦後、日本人はみな、お腹いっぱい食べられるようにと目指し努力してきた成果でもあります。ただ、その急激な変化に、人間の体が追いついていない。そのため、飽食に耐えられなくなった体が、メタボリックシンドローム(代謝異常)を起こすようになったと考えられます。

シュークリーム1個で200kcal!

表①【嗜好品のおおよそのエネルギー(kcal)】

1日3食しっかり食べるだけでも、摂取過剰になる可能性はありますが、何より嗜好品を摂る頻度は、とても増えているのではないでしょうか。表①の嗜好品のエネルギー(kcal)を参照すれば、いかに20kcalを容易に上回るのかがわかります。シュークリーム1つで200kcalはありますから、食べるのと食べないのとでは、カロリーオーバーするかしないか運命の分かれ道といっても過言ではありません。

活動量においては、交通機関の発達、洗濯機、掃除機、食器洗浄機などの普及によって活動量が低下しているのはもちろん、ここ10年を考えても、インターネットの発達により、パソコンひとつで作業できるため、資料を探したり、ファックスを送ったり、立ったり座ったりする機会さえ減りました。自宅勤務が増えれば通勤で歩くこともなくなり、さらに活動量(消費エネルギー)が低下することは誰にでも想像できますね。

毎日が難しいなら1週間でコントロールを!

表②【100kcal消費するための運動量(体重60㎏の場合)】

全く嗜好品を取り入れないというのは現実ではないという方も多いと思います。そういった方は、1週間単位でコントロールすることをおすすめします。体重測定を心がけ、1kgでも増えたら、1週間以内に元の体重に戻す。たかが1kgと考える人もいますが、スーパーに売っている肉1kgペットボトルの水1ℓを思い浮かべてください。結構な量です。数値に置き換えると、脂肪1kg=7,000kcalですから、1週間で減らそうと思うと1日1,000kcal以上減らすことになりますが、一時的に増えた体重には、脂肪以外に水分が増えていることも考えられます。まずは、その30%程度、1日300kcalくらいを目安にエネルギーを減らすことを目指しましょう。ただ、食べ物だけで1週間300kcalを減らし続けると、栄養不足になってしまう(代謝が悪くなる)可能性がありますから、表②を参考に、100kcal程度の運動を上手く組み合わせると健康的に体重を戻すことができると思います。

体重は増やすのは簡単だけど減らすのは難しいという声をよく聞きます。ダイエットに取り組むのも良いですが、まずは、体重を増やさないように気をつけることが体重コントロールの近道だといえるでしょう。

  • 注意:二日酔いなど体調が悪い場合は、カロリー制限や運動は、臓器にさらに負担をかけることになるため、回復してから取り組むようにしてください。

参考文献)

  • 伊藤貞嘉,佐々木敏 監修:日本時の食事摂取基準 2020年版,第一出版,2020
  • 厚生労働省 運動所要量・運動指針の策定検討会:健康づくりのための運動指針 2006~生活習慣病予防のために~<エクササイズガイド2006>,2005

アドバイザープロフィール/窪田あい

医療機関のコンサルティング会社である株式会社メディヴァにて年間のべ600人以上の保健指導を行う傍ら、医学や栄養学を一般の方にもっとわかりやすく伝えたいと、さまざまな講座を企画。(一社)健康栄養支援センターに所属しながら「はらごしらえワークス」にてフリーランスとしても活動中。ライフスタイルにあわせた体重コントロール法でダイエットサポートなども行っている。

三菱地所のレジデンスクラブ スマホアプリのご紹介

【ロイヤル・プレミアム会員様限定】 格安お手伝いサービス『ネット...

おいしいだけじゃない! 美容にもよい「菌活」の始め方