4,000万円の値がついたこともある「ポケモンカード」
コロナ禍でコレクション市場の相場が世界的に上昇中だ。たとえば高級時計の代名詞であるロレックスは、ここ2年ほどでその値が大きく上昇し、販売価格の3倍、5倍という値がつくことも珍しくない。
ホビー領域で特に値上がりが顕著なのが、ゲーム『ポケットモンスター』のキャラクターをカード化した「ポケモンカード」。ここ1、2年で、10倍近くにその値が跳ね上がり、発売当時は珍しくなかったカードにも、数十万円の値がつくことがざらにあるそう。もっとも高価なカードには4,000万円もの値が付いたというから驚きだ。
こうした背景には、市場の活況に加え、幼少期にポケモンカードが流行した世代が、20代から30代という可処分所得の多い年齢に到達したという要因がある。「ホビーでは、子ども時代に集めていたものに対するニーズが高い」と飯島さんはいう。
「少し前までは、ビックリマンシールやカードダスといった、現在40代の人々が幼少期に集めていたアイテムが高値で取引されていましたが、今は値が落ち着いてきて、ポケモンや、漫画『遊戯王』のカードに取って代わりつつあります。先の市場を見越すなら、人気アニメ『妖怪ウォッチ』の妖怪メダルなどは、いずれ上がる可能性がありそうです」
現在、高値で取り引きされているポケモンカードの例。(左)人気のリザードン・クリスタルタイプ(2002年発売)。(中央)カメックス(1996年発売の初版)。(右)ミュウツー(1996年発売の初版)。
写真提供/買取コレクター
狙い目は、ファミコンソフト・レトロなおもちゃ・ウイスキー
ホビーではその他に、家庭用ゲーム機「ファミリーコンピューター」や「スーパーファミコン」のソフトにも、コレクターが多くいる。
「うちの店の実績でいうと、『オーバーホライゾン』というソフトは9万4022円、『奇々怪界 −月夜草子−』は5万9000円で取引されています。全体的に、有名ソフトよりマニアックな作品のほうが、高値がつきやすいです」
また、昭和レトロなおもちゃにも根強いファンがおり、特に「ソフビ(ソフトビニール)人形」は一大ジャンルで、何十万、何百万円の高値で取引されるものがある。
「1960~70年代に製作され、生産量が少ないものにプレミアがついているケースが目立ちます。1980年代以降に作られたフィギュアでも、限定品に限らずプレミアが付くものがあります」
ホビー以外で、時に何十万円もの価値がつくことがあるのが、ウイスキーだ。
「オールドボトルのコレクター市場が存在し、古くなるほど値が上がる傾向もあるため、投資用に購入する人もよくいます」
こうしたお宝レベルではないものの、不用品になりがちなアイテムでも、それなりの価格で引き取ってもらえるものがある。
「二次流通市場で探す方が多い趣味性の高いアイテムは狙い目です。釣り具、ゴルフ用品、キャンプ用品といったアウトドア系のアイテムは売りやすい。また、楽器やカメラも比較的高く売れる傾向があります」
その一方で、あまり値が付かないアイテムもある。たとえば洋服は、ハイブランド品やビンテージ品を除き、基本的には価値がどんどん下がっていく。特にネクタイやスーツには、ほぼ値が付かないという。
「現在は古着が世界的なブームなので、売れる品もあるでしょうが、あまり期待しないほうがいいでしょう。スニーカーについては限定品に高値がつく傾向がありますが、そうした商品はいわばコレクター用で一般にはなかなか流通しませんから、家に眠っている可能性は少ないと思います」
(左)『オーバーホライゾン』のパッケージ(1991年発売)。(中央)1970年代製造、ゴジラシリーズ登場の怪獣メガロのソフビ人形。数十万円の見積り。(右)1970年代製造、タイガーマスク・ジャイアントソフビ人形。 9万2,600円の値が付いた。
写真提供/買取コレクター


捨ててしまいがちな釣り具や楽器も、メーカーや状態によっては比較的高値で買い取ってもらえる可能性が。
何でも買い取る業者は、要注意
アイテムの鑑定を頼む際に、気をつけたいことがある。
「ホビーについては、状態により値段がずいぶん変わる傾向があります。手を触れるほど、傷や汚れがつく恐れがありますから、家から出てきた段階で、基本的にはそれ以上触らないでほしいと思います。また、パッケージや説明書といった付属品も一緒に保管しましょう。アパレルは、逆に手をかけたほうがいいケースが多いです。ヴィンテージ品など傷みやすいものを除き、洋服なら洗濯をし、靴は手入れしてから鑑定に出すと、状態がいいと査定されやすくなります」
中古販売のチェーン店、リサイクルショップ、質屋など、中古品の買取を行う業者は数多く存在する。いったいどこに頼めばいいか迷う人は多いだろう。
「業者を選ぶ際のポイントは、専門性です。専門家でなければ、細かいところまで判定できず、正確な価値がわかりません。何でも買い取る、というスタンスの店ほど、アイテムごとの専門の鑑定士がおらず、相場観がわからぬまま二束三文の値を付けるようなところがあります。損をしないためにも、専門業者に相談するというのがセオリーといえます」
現在は、専門性の高い買い取り業者がぞくぞくと登場し、たとえ自分に知識がなくとも適正価格で査定を受けられる環境が整ってきている。
「気になる品があれば、写真を撮ってLINEやメールで送るだけで、無料査定してくれる業者は多いです。買取依頼も、電話一本で出張買取を依頼できたり、届いたダンボールに品を詰めて宅配業者に渡すだけで査定が受けられたりと、ほとんど手間はかかりません。不用品として捨てる前に、とにかく一度、専門業者に見せてみてはどうでしょうか」
お話を聞いたのは●(有)エスアイ、プロジェクトカラーズ(株) 飯島代表
大手企業勤務後、コレクション売買に可能性を感じ、2012年にホビー系買取専門の「買取コレクター」を開始。古いおもちゃからプラモデル、カードやシール類などをオンラインで売買する。また個人的な目標として、日本のおもちゃ文化を後世に広めるべく、データベースを中心とする「おもちゃミュージアム」の設立を計画している。2020年にはメンズアパレルブランド買取専門の「c-stylé」を開始した。
買取コレクター https://kaitoricollector.com/
c-stylé https://c-styles.com/