お話を伺った人●齊木雅樹さん
さいき・まさき/キャンピングカーマイスター。キャンピングカーのレンタル事業も行うキャンピングカー株式会社のサービス責任者。テレビ、ラジオ、SNSなどのメディアを通じて日夜キャンピングカーの魅力を発信中。
書斎替わりや、帰省の移動に使う人も
車の中にテーブル席があったり、寝泊まりや簡単な炊事ができたりするキャンピングカー。キャンプ場や釣りや海水浴といったアウトドアに行く際にあると便利だが、実はこのコロナ禍で、利用用途が広がっているのをご存知だろうか。キャンピングカーのレンタルを行うキャンピングカー株式会社の齊木雅樹さんによると、昨年からリモートワーク利用や帰省利用が増えているという。
「自然の多いところに出かけて車内でパソコン仕事をし、疲れたら周辺を散歩したり、車内で休憩をしたりして過ごされる方が増えました。ご自宅の敷地内にキャンピングカーを停め、書斎替わりに利用された方もいらっしゃいました。もっともこのお客様の場合、作業に集中するためにキャンピングカーを借りたものの、お子様が車内に入ってきて遊んでしまったそうですが(笑)」
帰省時の利用も増加中だという。
「小さなお子様をご両親(祖父母)に会わせるために利用されたお客様は、公共交通機関を避けて移動ができ、車内に宿泊することでお子さんの夜泣きなどで高齢のご両親に迷惑をかけずに帰省ができたとおっしゃっていました」
いまは公共交通機関で小さな子どもたちを連れて出かけるのはいつも以上に神経を使うが、キャンピングカーならテレビを見たり、持参したカードゲームをしたりしながら3密を避けて移動できる。割増料金にはなるが、同社のキャンピングカーは動物の乗車も可能なため、ペットと一緒に出かける利用者も多いそうだ。
レンタルに特化した、初心者でも使いやすい仕様
実際、どのくらい快適なのか。トヨタのハイエースをベースに、独自の内装に仕上げたというロビンソン771の車の中に入らせてもらったところ、「うわー、これは気分が上がりますね」と思わず歓声を上げてしまった。
「このロビンソン771で7人乗り7人就寝の仕様です。スイッチなどの電源は1カ所にまとめ、各設備は感覚的に使えるようにして、初めて利用するお客様でも使いやすい仕様を心掛けました」
最低限のシンプルな設備といっても、卓上コンロで調理をする際のレンジフードや天井の空調用換気扇、テーブル席側の窓も開くので、換気は十分。家庭用コンセント、USB、エンジン停止時でも車内を温められるFFヒーターもある。
一方で、同社のレンタル車では一般のキャンピングカーに設置していることの多いトイレの設備はあえてなくした。
「トイレやシャワーを設置すると衛生面の問題だけでなく、重さとスペースの問題も出てきます。日本の場合、サービスエリアやキャンプ場などでトイレは借りられますし、たとえ家族でもこの空間だと音が気になって使わないという意見が多かったので、思い切ってなくしました」
カフェ風のオシャレな内装車も
もう一種類、オリジナル内装のロビンソン106も見せてもらった。こちらはトヨタのカムロードをベースにしたタイプ。入ると、焦げ茶色の建具に青いソファー席と対面キッチンが配置され、落ち着いたカフェのような内装だ。
「コミュニケーションを取りやすい対面キッチンなので、特に女性に好評です」
ホームページにはこのほかにもさまざまな車種があるが、どの車も普通免許で運転ができる。
「見ていただいた2台は高さが3メートルくらいあるので、そこだけ注意が必要です。バックカメラ(リアカメラ)も装備していますから、高さに気をつけて狭すぎる道に入らなければ、それほど運転がしづらいことはないと思います。オートマ限定の方も、マイカーを持っていない方も利用されますし、もちろん女性で運転される方もいらっしゃいますよ」
予算と借りる時期のおすすめは?
気になる費用だが、どのくらいの予算を見ておくとよいだろう。見学したロビンソン771やロビンソン106のレンタル料金は、平日24時間で2万6,400円(税込)~。このほか、ガソリン代や高速代がかかる。また、便利なオプション品のレンタルもあるので、必要に応じて利用したい。
「寝袋やポケットwifi、アウトドア用のテーブル類、流しそうめんセットなど、オプションでレンタルされる場合は、車に乗せて受け渡しができます。食器類や自炊に必要な食材や道具、着替えなどはお客様にご用意いただいています」
最近はキャンピングカーを移動の楽しみに使い、宿泊はホテルやコテージを利用するといった使い方や、旅先が遠出の場合は主要駅まで新幹線や飛行機で出かけ、現地でキャンピングカーをレンタルするといった使い方も多いそうなので、その場合は宿泊料金や交通費も加算される。同社ではホームページでホテルや旅行会社と提携したお得な期間限定パッケージプランを発売することもあるので、チェックしてみるといいだろう。
需要が高い週末やハイシーズンはレンタル料金も比例して高くなってしまうため、狙い目は平日だが、週末でもキャンピングカーを試すのにお得な時期を齊木さんに尋ねると、「6月がおすすめです。梅雨に出かけたくない方もいらっしゃるかもしれませんが、キャンピングカーなら移動自体が楽しめますし、行き先を水族館や旅館などの屋内施設にすれば、雨にぬれずに出かけることができますよ」。
たしかに、キャンピングカーだからと無理に遠出したり、アウトドアに使わなくてはと気負ったりする必要はない。ちょっとした気分転換に試してみれば、雨の日の外出も特別な思い出になるはずだ。キャンピングカーデビューで新しいお出かけ体験をしてみては。
文=ホシカワミナコ 写真=花井智子
- 新型コロナウイルス感染症の感染予防対策を十分にとったうえでご利用ください