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将来を見据えて考えたい「バリアフリーリフォーム」のメリット

バリアフリーリフォームとは、家庭内での事故のリスクを減らし、安全で快適な住環境をつくるリフォームのこと。高齢のご家族のために、あるいは自分たちの将来を考えて検討している方も多いでしょう。そこで、バリアフリーリフォームを行う際のポイントや注意点を、住宅ジャーナリストの山本久美子さんに伺いました。併せて、バリアフリーリフォームを行ったオーナー様の声もご紹介します。

目次

まずは家の状態を知ることから

バリアフリーリフォームと一口に言っても、内容はさまざま。転倒のリスクを減らすためには、段差の解消や手すりの設置、滑りにくい床材への変更などがあり、ヒートショック対策として内窓の設置や断熱材の充填といった改修もあります。さらに、廊下や水まわりのスペースを広げ、車椅子の利用時にも安全かつスムーズに生活できるようにすることも、バリアフリー化の一環です。

「どこから手をつければよいのか」と迷いがちですが、「まずは家の状態を知ることが大切です」と山本さんは指摘します。

「最近の住宅はあらかじめバリアフリー仕様になっていることも多いのですが、築年数の古い住宅は段差が多かったりして、浴槽の縁が高くてまたぎにくいこともあります。断熱性が十分でない住宅も見られます。日常生活でどんなところに不便や不安を感じるのかをチェックしましょう」

同時に「人の状態」を見極めることも大切だと言います。

「自分や家族の身体の状態によって必要な改修は変わります。要介護のご家族がいるお宅では、点滴を吊るすために天井を補強したケースがありました。また、将来を考えて廊下に手すりをつけたら車椅子が通れなくなってしまったということもあるので、あまり先走らないこと。今、どのような改修をしたらよいのかを考え、予算と照らし合わせながら優先順位をつけるとよいでしょう」

省エネリフォームと一緒にバリアフリー化するのが効率的

気になるのは工期ですが、手すりの設置や浴室・トイレの交換といった小規模な工事なら1日から数日ほどで住みながら行えます。一方、廊下幅を広げるなど間取り変更を伴う改修や断熱の充填など躯体に関わる改修は日数がかかり、一時的な仮住まいが必要な場合もあります。

「もし省エネなどほかのリフォームの予定があるなら、バリアフリー化も一緒に行うと効率的です」と山本さんはアドバイスします。

抱き合わせでリフォームを行うと、補助金にもメリットがあります。例えば、国土交通省と環境省による「子育てグリーン住宅支援事業」は省エネを主眼にした補助金制度で、窓や躯体の断熱改修など定められたリフォームをすべて行うと最大60万円の助成を受けられるのに加え、バリアフリーリフォームにも別途補助金が用意されています。もちろん、断熱リフォームはヒートショックや熱中症の対策にもなるので一石二鳥というわけです。

ほかにも、要支援・要介護認定を受けている場合には介護保険による住宅改修の助成があり、また、自治体が独自に助成制度を設けているケースもあります。お住まいの地域の助成は「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」(https://www.j-reform.com/reform-support/)などでチェックしてみるとよいでしょう。

「注意したいのは『子育てグリーン住宅支援事業』(※)の場合、申請できるのは登録された工事施工業者に限られる点です。また、多くの助成制度が工事着工前の認可を原則とし、工事が始まってからでは申請できないものもあります。さらに、申請期間が設定されているものも多く、予算の上限に達すると期間内でも終了するのでその点も確認しておきたいですね」

こうした補助金のほか、一定の条件を満たせば所得税や固定資産税の軽減措置を受けることもできます。もし資金面で不安があるなら、毎月の支払いを利息のみに抑えられる高齢者向けのリフォーム融資も用意されています。

※『子育てグリーン住宅支援事業』の今年度の補助金の申請期限は2025年12月31日。申請は工事完了後になります。

車椅子の移動のために段差解消機を設置

実際にバリアフリーリフォームをした三菱地所ホームのオーナー様にお話を伺いました。H様は30年ほど海外に居住され、帰国を機に二世帯のご実家をリフォームされました。1階はファミリー向け賃貸とし、2階がH様の居住スペースになっています。

「帰国したのは施設にいる母と一緒に暮らすため。母は車椅子で生活しているので、バリアフリーにすることもリフォームの目的でした。間取りプランでは車椅子で移動しやすいよう廊下幅にゆとりをもたせ、扉の多くは引き戸に。床の段差をなくして、浴室の入り口も段差は最小限にしています。洗面室についても、車椅子を切り返せるだけの十分なスペースを取ってもらいました」

リフォーム計画のなかでH様が悩まれたのは、2階のお住まいに車椅子でどのように出入りをするかという点でした。

「当初は椅子付きの昇降機を検討しましたが、車椅子から昇降機の椅子への移動が女性の力では難しいと感じました。ホームエレベーターも選択肢にありましたが、確認申請が必要でその調査期間とコストの面から諦めることに。ほかによい方法がないかと三菱地所ホームの担当の方に相談したところ、『段差解消機』を見つけてくださったのです」

段差解消機とは車椅子ごと乗せられる介護用のリフトです。介護をするH様の負担を大幅に軽減できるうえ、確認申請不要のため設置も容易でした。三菱地所ホーム初の採用ということもあり、導入にあたっては当時の設計部長と設計担当者がメーカー工場まで足を運んで安全性を確認したそうです。

H様のお母様の昇降負担を軽減するため、1階のサブ玄関(左写真)に段差解消機を設置。2階の居住スペース(右写真)との移動もスムーズに。

「母とはまだ同居できていませんが、操作の確認を兼ねてスーツケースなどの重い荷物を運び込むときに利用しています。ゆっくり昇降し、安全レバーもついているので安心して使うことができますね」

設置にあたってはガレージ奥にある段差解消機の乗り場までをスロープにし、2階の乗り降りする場所も車椅子を回転させられるスペースを確保しています。

このほか、明るく開放的なアイランドキッチンも料理好きのH様のお気に入りです。ここには一歩も動かずに調理が完結する「ゼロ動線」のシステムキッチンを採用。家事中の身体の負担が軽減される点では、バリアフリー化の一環といえるでしょう。

回遊性の高いアイランドキッチンは家事動線をスムーズにし、キッチン奥のパントリーは可動棚の採用で、収納したいものに合わせて自由に高さを調整できます。

全館空調で夏も冬も過ごしやすく

さらにもう一つ、H様が重視されたのは快適性です。リフォーム前のお住まいは冬は底冷えして夏もとても暑かったため、お母様の身体への負担を心配されていました。そこで、リフォームでは壁や天井の断熱材を充填したうえで開口部には内窓を設置。併せて導入したのが全館空調の「エアロテック」です。

「ヨーロッパの住宅は全館空調が一般的で、実家も同じようにできたらと思っていたのです。『エアロテック』は三菱地所ホームさんのパンフレットで知ったのですが、取り入れて大正解でした。真冬でも家のどこにいても暖かく、夜中にトイレに行く時も1枚着込む必要がなくなりました。夏の過ごしやすさにも驚きました。隅々まで冷房が効いて、外から帰って玄関を開けた瞬間に涼しさが体感できるほど。ここまで快適だと思っていませんでした」

全館空調は愛犬にも優しく、以前は涼しい場所を探し歩いていたそうですが、今は家のあちこちで気持ちよさそうに寝転んでいるとか。

「母が戻ってきたときもこの家なら安心して迎えられます」と話すH様。その笑顔からもバリアフリーリフォームのメリットが伝わってきました。

  • 本記事の内容は2025年12月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

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