おいしいだけじゃない! 美容にもよい「菌活」の始め方

日々の食事作りが面倒なときにおすすめしたいのが、「菌活」です。発酵食品などに含まれる菌を食事に取り入れるだけなので手軽にでき、食事作りを効率化するだけでなく、食材のおいしさを増し、栄養吸収率も高めてくれます。発酵ライフアドバイザーの是友麻希さんに、菌活のメリットや取り入れ方について教えていただきました。

まずは味噌や塩麹で手軽に

「菌活」とは、発酵食品などに含まれる「菌体=菌そのもの」を摂って体の調子を整えること。いわば、腸内環境を整える「腸活」のひとつとイメージしてください。

ヨーグルトやきのこ、納豆など菌を含む食材は多くありますが、菌活で私がおすすめするのは、発酵調味料です。味噌や塩麹が代表例ですが、これらを毎日の食卓で活用すれば、手軽に菌活ができます。発酵調味料に含まれる菌は加熱するとほぼ死んでしまいますが、死んでしまった菌体も体によい働きをする善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えるといわれています。

白髪、シミ、シワの効果を実感

菌体を多く含む発酵調味料には、腸内環境を整える働きや、免疫力アップのほか、生活習慣病の予防やアンチエイジングにも効果的だといわれています。発酵調味料を意識して摂るにつれて花粉症が楽になってきた、そんな話を私が主催する料理教室の生徒さんからお聞きすることも少なくありません。

また、私事ですが今年46歳になる私の頭髪には白髪が1本もありません。若い頃から海遊びが大好きで、いつも日に焼けていましたが、この年齢になっても気になるシミやシワはかなり少なめです。もちろん、個人差はあるでしょうが、積極的に発酵食品を摂ることで免疫力が高まり、アンチエイジング効果も得られることを実感しています。

時短で旨味も増す菌活レシピ

菌活に欠かせない発酵調味料は体にいいことだけでなく、あらゆる食材を美味しくすることが知られています。味噌や米麹などの発酵調味料に含まれる菌体は、肉や魚のたんぱく質や炭水化物のデンプンを分解し、旨味成分のアミノ酸や甘み成分のブドウ糖を作り出します。

たとえば、ビーフシチューなどの煮込み料理に八丁味噌をほんの少し加えるだけで、長時間煮込まなくてもコクのある深い味わいになります。また、スジ肉やかたまり肉などの硬い素材も、味噌や塩麹でもめば短時間の調理でも驚くほど柔らかに仕上がります。簡単に調理の際の醤油を塩麹に、砂糖を甘酒に変えるだけでも「菌活度」はアップします。

発酵食品を使った菌活レシピの中でも、手順が少なく気軽に実践できるものをご紹介します。

■肉にも野菜にも使える!「菌活ダレ」

塩麹と甘酒を混ぜた「菌活ダレ」です。分量の目安は塩麹2:甘酒1くらい。野菜にもむだけで簡単に甘じょっぱい味の一品ができあがります。茹で野菜や冷奴などに、ドレッシングや醤油の代わりにかけるのでもいいでしょう。

肉や魚にも使えます。お好きな肉や魚をポリ袋に入れたら、そこに塩菌活ダレを入れてよくもみこみます。漬け込んで焼けば、ご飯がすすむ甘じょっぱい味のおかずがあっという間にできあがります。冷蔵庫に菌活ダレで漬け込んだ肉や魚を保存しておけば、夕食作りに悩むこともありません。菌活にいいだけじゃなく、旨味も増します。


■簡単に一品プラス!「菌活味噌玉」

切ったり、焼いたり、そんな手間もかけずにできるのが「菌活味噌玉」です。大さじ1杯目安の味噌に鰹節を1つまみ入れて、あとはわかめや桜エビ、干し椎茸などのお好みの具材を入れて丸めたらできあがりです。いただくときは、熱湯を注ぐだけ。手軽に菌活をかなえてくれる優れものです。

出汁を取るとか、具材を入れるとか面倒なことは取っ払っても、味噌と鰹節の力だけでホッとする味噌汁になります。ラップに丸めれば持ち運びにも便利。熱湯やマグカップがあるのなら、オフィスでのランチのお供にもおすすめです。

いくら体に良いといわれても、自分が苦手な食材を食べ続けるのはしんどいものです。いまは、自分の体が何を食べたがっているのか、体の声を聞くことが大切です。外食の日が続いたら、今夜は味噌汁が飲みたいと思いませんか? こうした体の声に応えながら、おいしく手軽にできる菌活を始めてみてはいかがでしょうか。

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お話を聞いたのは●是友 麻希さん

これとも・まき/発酵ライフアドバイザー。発酵食文化研究家。一般社団法人発酵ライフ推進協会にて代表理事を務める。東京・札幌・名古屋・福岡・広島・浜松・富山・長崎・沖縄の全国9か所に支部を持ち、生徒数3000人を超える発酵のプロ集団を育成。全国で講演会やセミナーを多数開催し、ホテルや飲食店のアドバイザーとしても活躍。著書として、『今日の発酵食ごはん』(ワニブックス)、『フライパンひとつで魚料理』(池田書店)など多数。
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