理想の住まいの選び方

新築マンションのモデルルームはどこを見るべき? 住宅のプロがチェックする7つのポイント

新築マンションの購入で後悔しないためには、内覧時に確認しておくべきポイントを事前に洗い出しておくことが大切だ。これまで3000件以上の物件を見学してきた、不動産コンサルタントの岡本郁雄さんがチェックしているポイントとは。

自分たちのライフシーンから「住みよい家」を選ぶ

マンション購入を検討する上で考えておきたいのが、「ライフシーンに合わせた住まいを選ぶこと」です。一生ものの買い物になるからこそ、家族の食事や勉強、テレワークのしやすさなど日々の暮らしはもちろん、子どもの成長や自分たちの老後など、将来的なライフスタイルの変化も踏まえて検討することで、自分たちにとって最適な物件が見つかるはずです。

そうした物件を見つける第一歩となるのが、モデルルームの内覧です。新築マンションの場合は完成前に売り出されることが多いので、基本的にはモデルルームを見に行くことになります。購入してから後悔しないためにも、内覧に足を運ぶ前にあらかじめ確認すべきことを整理しておくことが大切でしょう。

新築マンションの内覧はここを見よ

ここからは、私が長年さまざまなモデルルームを見学してきた経験をもとに、新築マンションの内覧でチェックしてほしい7つのポイントについて解説していきます。

ポイント1:遮音性、耐震性、省エネ性能などの「見えない部分」

間取りやインテリアなどの目に見えるところだけでなく、床・天井の遮音性の高さや耐震性といった「見えない部分」は暮らしやすさに直結するため、よく確認しておきたいところです。2024年4月からは建築物の省エネ性能を広告表示する「省エネ性能表示制度」がスタートし、2025年4月からは原則全ての新築住宅に省エネ基準適合が義務付けられるため、断熱性や省エネ性能もチェックしておきましょう。


ポイント2:購入後に後付けできない設備

家庭で生ゴミを処理できるディスポーザーや、断熱性の高い複層ガラスのサッシやカメラ付きインターフォンなど、後付けが難しい設備については、モデルルーム内覧の際に確認することをおすすめします。


ポイント3:「したいこと」を叶えられる物件かどうか

自分たちの趣味やこだわりを実現できる住まいかどうかも大切です。たくさん本を所有している読書家なら広い壁面が必要ですし、フローリングや建具のカラーセレクト・カスタマイズにこだわりたい人は、無償のセレクトやオプション変更が可能な範囲を確認しておくとよいでしょう。


ポイント4:安全性

小さな子どものいる家庭の場合は、安全対策も重要。バルコニーに出られるサッシガラスの鍵が高い位置についているか、二重ロックできるかを確認しましょう。小さな段差も子どもがつまづく原因になります。フラットで凹凸が少ない部屋なら安心です。


ポイント5:可変性の高い間取りかどうか

最近ではウォールドア(可動式の間仕切り壁)がある新築マンションが増えてきました。特に子どものいる家庭は、子どもが小さいうちは2LDKでリビングを広く使い、成長したら間仕切り壁を取り付けて3LDKにして子ども部屋を設けるなど、ライフスタイルの変化に合わせてフレキシブルに間取りを変えられる物件がおすすめです。


ポイント6:家電や家具を置くスペース

近年の新築マンションは専有面積が狭くなっており、昔の物件ほど居室面積にゆとりがなくなっています。希望の家具・家電が狭くて入らない、置くとドアが開けられない、そんなことがないようにメジャーを持参するなど事前によく確認しましょう。


ポイント7:収納スペース

購入後に「思っていたよりも収納が足りない」と後悔する人は少なくありません。子どもができてから物が増えて収納に悩まされる人もいるので、収納スペースは正確に把握しておきましょう。

音の聞こえ方は住んでから後悔しがち

最近では、オンラインやVRを使った内覧も増えてきて、物件を気軽に見学することができるようになりました。情報収集しやすく、営業担当者にもニーズを伝えやすい一方で、バーチャルがゆえに暮らしのイメージが実感できない場合も。モデルルーム見学は必ず行い、それと併用する形で上手く活用しましょう。

また、モデルルーム見学と合わせて、マンション建設地の様子を確認しておくことも大切です。物件の開放感や周囲の建物との距離、生活利便施設(スーパーやコンビニ、銀行、病院など)が周辺にどのくらいあるかを事前に調べておきましょう。モデルルームを見学する前に視察すると、実際に住んだときのイメージがしやすくなります。

特に、音の聞こえ方は現地に行かなければわからない上、住んでから後悔しがちなポイント。線路沿いや幹線道路に面しているなど音が気になる場合は、窓やサッシの防音性能(二重サッシなど)や内廊下設計など遮音に配慮しているかどうかをモデルルームで確認するようにしましょう。


  • 本記事の内容は2024年7月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。

お話を聞いたのは●岡本 郁雄 さん

おかもと・いくお/ファイナンシャルプランナーCFP(R)、経済産業省登録中小企業診断士、宅地建物取引士、公認不動産コンサルティングマスター。平成元年に株式会社リクルートに入社し住宅情報事業部においてリゾートや新築マンションなどを担当。その後、不動産コンサルティング会社を経て独立。不動産領域のコンサルタントとして活動するほか、テレビ・ラジオ・雑誌などのメディアに多数出演している。
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