お話を伺った人●目白田中屋オーナー 栗林幸吉さん
くりばやし・こうきち/1949年創業の目白田中屋を経営。ウイスキーの品揃えにこだわり、2010年、WWA(ワールド・ウイスキー・アワード)にて単一小売店部門・世界最優秀小売店を受賞。監修した著書に「ウイスキー案内」(洋泉社)がある。
ジャパニーズウイスキーの快進撃が続いている
スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダと並び、ウイスキーの世界5大産地に数えられるようになった日本。これまでニッカ、サントリー、キリンという大手メーカーがその道を切り開いてきたが、近年は小規模な蒸留所で生産される“クラフトウイスキー”も人気を集めている。
折しも日本洋酒酒造組合が「ジャパニーズウイスキー」の定義を初めて定め、2021年4月からは、日本で採取した水を使い国内の蒸留所で3年以上貯蔵することなどが国産ウイスキーの条件になった。地元に根ざしウイスキー作りをしている独立系の蒸留所は、今後ますます注目されることになりそうだ。
クラフトウイスキーの工場は全国で年々、増えているが、その先駆的存在となったのが、埼玉県秩父市の秩父蒸溜所。2007年に肥土伊知郎(あくと・いちろう)氏が設立し、廃業した羽生蒸溜所の原酒と独自に蒸留した原酒を使ってウイスキーを作り、「イチローズモルト」というブランドで売り出した。秩父のミネラルウォーターと日本独自の木であるミズナラなどの樽を用いた風味の深いウイスキーは国内外で高く評価され、世界で最も権威のあるイギリスのウイスキー品評会「ワールド・ウイスキー・アワード(WWA)」の各部門で4年連続世界最高賞を受賞している。2019年には、香港のオークションで54本セットが1億円弱で落札されたことでも話題になった。
一度飲んだら、忘れられない味わい
東京都のJR目白駅近くでリカーショップ「目白田中屋」を経営し、ウイスキーについての著作もある栗林幸吉さんは、伊知郎氏と交流があり、イチローズモルトを高く評価してきた。
「イチローズモルトは現在、入手困難で、うちの店でも売り場に出すと1時間以内に完売してしまいます。伊知郎さんが秩父蒸溜所を設立したときは、正直、ここまでの人気になるとは思いませんでした。ただ、必ず良いウイスキーを作ってくれるだろうという信頼はありました。当時40代だった伊知郎さんには、1970年代にスコットランドのアイラ島で作られていたモルトウイスキーのような本物を目指すという意識の高さがありましたから」(栗林さん)
モルトとは大麦麦芽のみを原料としたお酒のこと。2007年当時、バブル時からのブームが終わり、ウイスキーの国内販売は底を打っていたが、伊知郎氏はあえて本格的なモルトウイスキーを目指した。大手メーカーが何万人にも好まれる最大公約数的な味を作るのなら、クラフトウイスキーは数千人の心に響く個性で勝負する。ウイスキーはビールやワインに比べてアルコール度数が高いが、その刺激ではなく、のどに流し込んだ後に口に残る余韻でおいしさが分かるもの。クラフトウイスキーはそこにこだわり、一回飲むと忘れられない味わいを残す。
「秩父蒸溜所では地元産の大麦を使い、1日4時間ぐらいかけて大麦のフロアモルティングをしています(大麦を床に広げ掻きまわしながら発芽させる)。これはたいへんな手作業なのですが、伊知郎さんはそれをあえてやる。ウイスキーの味というのは、『人(職人)×土地×時間』の公式で決まってきますから、お金(経費)には替えられないんです」(栗林さん)
入手困難!ネットオークションでは定価の倍以上に
イチローズモルトで最も入手しやすいのは、「イチローズモルト モルト&グレーン ワールド・ブレンデッド・ウイスキー ホワイトラベル」。毎年、新しく発売され、「年々、深みが出てきている」と栗林さん。人気の「リーフシリーズ」は熟成させる樽の木によって3種類あり、日本独自のミズナラ(オーク)の樽で熟成させた「ミズナラウッドリザーブMWR」、赤ワインを作った後のホワイトオーク樽を使った「ワインウッドリザーブ」、シェリー樽とミズナラ樽の原酒をブレンドした「ダブルディスティラリーズ」がある。
これらのボトルは定価6000円以下。ネットオークションなどでは倍以上の値段で取引されているので、目白田中屋のような正規の販売店で買えればラッキーだ。また、池袋駅近辺のバーは都内でも比較的置いてある店が多く、そこで注文して飲んでみるというのもひとつの手。栗林さんが伊知郎氏から教えてもらったという「ホワイトラベル」のお湯割りも、ぜひ試してみてほしい。「日本の原料で作ったお酒だから、日本料理にも合うんです」と栗林さん。
イチローズモルトに続け!ローカルを極めた1本が世界に響く
「ローカルを極めれば世界で通用する」というのがイチローズモルトを始めとするクラフトウイスキー生産者の合言葉になっているそうだ。イチローズモルトの快進撃に影響を受けて、各地に新しい蒸留所も増えてきた。
「おすすめは北海道の厚岸蒸溜所(2014年蒸留開始)と富山の三郎丸蒸留所(2017年再建)のもの。厚岸のウイスキーはスモーキーで、同地名産の牡蠣にも合います。イチローズモルトに続き、こうして質の良いクラフトウイスキーがどんどん増えてくるのはうれしいですね」(栗林さん)
店舗情報●目白田中屋

東京都豊島区目白3-4-14 田中屋ビル地下
営業時間AM11:00~PM8:00 日曜定休 駐車場なし
「イチローズモルト」が抽選で1名様に当たるキャンペーン!

記事でご紹介した、「イチローズモルト ミズナラウッドリザーブMWR」が抽選で当たるキャンペーンを実施中です。ぜひ、ご家庭で極上の味をお楽しみください。詳細は下のボタンからご確認ください。