整理収納のコツ

“EYE'S PLUS"に学ぶ。『バスルーム&洗面室』収納のワザ

ゆったりと寛ぎ、自分磨きもしたいバスルームや洗面室。でも、人を招いた時には「ちょっと手を洗わせて」など見られてしまうことも。また、洗濯機があり、広さはなくとも用途が多い場所です。いつでも快適な空間にするためにきちんと収納できるようにバージョンアップしてみませんか。三菱地所レジデンスのものづくりの取り組み、EYE'S PLUS(アイズプラス)を参考に、水廻りの機能を考えてみましょう。

行動を調べるアイズプラス

限りある場所は、機能の見直しから。

バスルームは、入浴だけでなく洗濯物を干す場所にもなっています。洗面室は、洗面や化粧、脱衣、洗濯と3つの用途で使われるスペース。住まい全体に対して、広さはそれほど大きくないのに、収納するものは多岐にわたります。現在の洗面化粧台は、鏡の裏が収納できるようになっている場合が多く、細かなものを収める機能は設けられています。一方で、家庭によって、入浴前後と洗濯に必要なものは、収納と関連して行動や置き場所が違うようです。今回は、その点に注目して、アイズプラスのアンケートの結果から見てみましょう。

1.バスタオルをどのくらいお持ちですか?

2.入浴時、替えの下着はどうしていますか?

3.洗う前の洗濯物は、どこに置いていますか?

※ 1.2回答数1367件、2014年6月4日~23日実施。3回答数84件、2013年8月21日~9月4日実施

まず、バスルームに欠かせないバスタオルの必要な枚数を確認。全体で見ると6~10枚が一番多く、家族数の数が増えると一人当たりの枚数は減少して、4人までなら4割程度の家庭があてはまるようです。次に、入浴時の着替えに必要な下着。6割以上が寝室などから必要なものを持っていくスタイルで、パジャマや部屋着も一緒です。入浴時に脱いだ衣類、つまり洗濯物は多くの家庭で洗濯かごに入れているという結果が出ています。ここでアイズプラスは、行動から問題が何かを考えて機能を見直してみました。

アンケートの数字は、それがベストな状態。ということではなく、より良い状態にするために、どんな機能の工夫が必要なのかということを考えるキッカケとなるものでした。チェックした、以下の4つの収める場所について改良を重ねて現在のアイズプラスはできています。

◎Check.1:バスタオルをきちんと収納したい
➡縦140cm×横70cmのバスタオルを三つ折りにして収納できる幅30cm×奥行40cmをリネン庫のミニマムサイズにしました。
◎Check.2:入浴後の着替えを置くスペースがあればいい
➡リネン庫の全体に扉をつけるのではなく、一部をオープンスペースにして着替えなどの置き場所に。飾り棚などとしても利用できるフリースペースです。
◎Check.3:洗濯かごを置くスペースがあったほうがいい
➡洗濯かごスペースを、リネン庫の一部で活用できるよう工夫し提案しました。
◎Check.4:ぬれたバスタオルは乾かしてから洗濯機に入れたい
➡ユニットバスの扉の外側に、バスタオルをかけられるタオルバーを2本設置しました。

アイズプラスで、アンケートを通じて発見した多くの改良点。一番の注目点は「洗濯のしかたが人それぞれで大きく違う」ということ。たとえば、どんなタイミングで、どのように干しているか。毎日洗濯するのか、まとめて一日で何回も洗濯機を回すのか。特にバスタオルは、毎日取り換える家庭でも、「洗濯前に1度乾かしてから洗濯する」という声も多かったとのこと。それぞれの家庭で、ライフスタイルがありお悩みも違うものです。さて、アイズプラスでは、リネン庫を中心に工夫することで収納の機能アップをしていますが、その発想はどのようにしたら活用できるのでしょうか。

美しく収めることも大切に

見せられる収納を考えましょう。

基本となるのは、「収納場所を明確にする」ことですが、元々広さがない洗面室では、多くの場合、新たに設置することが必要です。Check.1と4に挙がったバスタオルから考えてみましょう。アイズプラスでは、扉に2本のタオルバーを設置しています。収納場所まで確保できないときでも、家族分のタオルをその日ごとに用意しておくことができ、使い終わったバスタオルもそれぞれかけておくことができます。

アイズプラス

この考えを活用する一番簡単な手法は、現在のバスルームの扉がガラスなどの場合、吸盤式のタオルバーを追加することで同様の機能を作れます。但し、ざらつきのある扉の素材では難しいため汎用的とは言えないかもしれません。

参考写真(KEYUCA)

その場合、壁面の空きスペースを探してみてはどうでしょうか。タオルバーが既にある住まいも1本だけということが普通ですが、以下の写真のように2連式のものを並べれば4枚のバスタオルに対応できるようになります。自分でDIYで付け替えることも十分可能です。

参考写真(カワジュン)

でも、今あるものを外した時のネジ穴が残ったり、壁面の中側の構造の強度など考慮すべきことに注意も必要です。購入するタオルバーの設置の条件などを確認し、必要であればプロに相談するのがいいでしょう。次に、収納場所として利用したい洗濯機の上部空間。いわゆる突っ張り棒などで棚を作るというやり方もありますが、洗面室はお客さまを迎えたときに見られることもある場所です。水廻りは、簡易なやり方での工夫もよいですが、暮らしの中での上質さも考えるならば、オーダーで機能を満たした棚を設けることも方法のひとつです。

水廻りこそ、手をかけたいもの

毎日使う場所には、機能とデザインのバランスを。

ここで、ご紹介しておきたいのが三菱地所グループの「メック・デザイン・インターナショナル」。マンションなどのモデルルームのインテリアコーディネートをはじめ、さまざまな空間デザインをコンサルティングしています。商業施設、オフィスなどでも磨いた技術とデザイン力、そして機能性や快適性を考え抜いたオーダーメイドの家具や調度品などもお手伝いしています。上記の写真は、同社が手掛けた洗濯機の上の空間を活かしたオーダー収納の一例です。

また、これまでの記事でもご紹介してきたDIYの技術を活用するなら「コンパクト空間の有効活用」中級編(※リンク先下記参照)でご紹介したダボレールなら平面の壁面を活かすことも可能。こうした収納の工夫のポイントやワザが応用できるようになれば限られた空間の中で探す、デッドスペースの見つけ方も広がりますよね。

収納とは、場所にを選ばず応用できるもの

今回の水廻りの収納のご紹介では、アイズプラスの発想を参考に、バスルーム、洗面室の水廻りとはどうありたいのか考えてきました。狭い空間でも、さまざまな機能が必要になる場所だからこそ、機能がとても大事です。また、効率的な収納も可能な空間は、デザインも美しいことが大事なのではないでしょうか。

洗面室の細かなものの収納は、キッチンや玄関でもご紹介した収納方法を応用して活かすことができるはずです。小さな工夫の積み重ねと合わせて、暮らしの快適さや上質さを失わないよう、ワングレードアップした工夫の活かし方を活用してみてください。でも、まずは、手軽なところからという方は、これまでの収納の工夫の手法を参考にしてみましょう。