人生の全てをオリーブオイルに捧げた男が作る、奇跡の「オキオリーブ」

「JOOP国際オリーブオイルコンテスト」で2018年に最優秀賞を受賞し、“日本一のオリーブオイル”と称される「オキオリーブ」。普段スーパーで手に取るようなオリーブオイルとは一線を画す爽快な香りと味わいで、毎年販売を開始したとたん、続々と購入が相次ぐ逸品です。そんな「オキオリーブ」の魅力やおいしさの秘密を、生産者の澳敬夫(おき・たかお)さんに語ってもらいました。

目次

これほど鮮烈な香りと味わいのオリーブオイルは
世界中どこを探しても、絶対に作れない。

――今回取材をするにあたり、編集部では「オキオリーブ」をとりよせて試食しました。こんな濃い色のオリーブオイルは見たことがなく、驚きました。なぜ、このような深い緑になるのでしょうか?

澳さん このような色合いになる理由として、一般的なオリーブオイルと決定的に違うのは、オリーブの収穫のタイミングです。多くの会社では、オリーブがある程度熟してから収穫してオイルを搾っていますが、うちはあえて、熟す前のオリーブの実が青いものしか使いません。果実が青いほうが、ポリフェノール量が圧倒的に多く、香りが段違いに豊かであるためです。そして、味わいも格別。市販品のような油っこさはなく、舌触りも非常になめらか。口に入れた瞬間に、ハッとする濃厚な味わいが広がります。また、料理との相性が最高に良いのも、実が青いときにつくったもののほうだと確信しています。

——多くの会社が青い実を使わないのは、なぜでしょう?

澳さん 青い実を搾っても、ほとんどオイルが出ないからです。うちで育てている品種の場合、実に対してたった3%しか搾りとれません。いっぱい摘んで、100キロを搾油しても、そこから3キロしか出てこない。それで、やっと2ℓペットボトル1本分。ほんのちょっとなんです。収穫シーズンのはじめなんて、ほとんどとれない。大量に搾ったのに「あれ?1滴かよ!」と肩を落とすことも。他の多くの会社のように、真っ黒に熟したタイミングで搾れば、全体量の10%~15%はとれます。量産するためには、多少風味を犠牲にしても、熟したタイミングで搾油せざるを得ないのだと思います。

——ほかにも、「ここは他の多くの会社と決定的に違う」「徹底している」ということはあるのでしょうか。

澳さん はい。うちは、オリーブの実を収穫してから必ず4時間以内に搾ります。それ以上経ってしまうとどんどん劣化が始まり、舌の上でもたつくような味わいになります。僕は、新鮮でクリアな味のまま届けたい。だから、どれだけ作業が増えようとも、劣化が始まらないうちに獲っては搾る、獲っては搾るを繰り返すようにしています。

——とても手間と労力がかかっているのですね。

澳さん これほどまでに細やかな品質管理と手間をかけているのは、本当にうちだけなんじゃないかな、と思っていますね。世の中の99.999%のオリーブ農園は、そこそこの味わいと生産量のバランスを取りながらオリーブオイルを作っている。うちは、最高傑作を目指して、作れる量しか作らない。だからこそ、価格はスーパーで売られているオリーブオイルの10倍以上の価格になりますが、それ以上の感動を覚えてもらえるはずです。「オキオリーブ」の味と質には、自信があるんです。

宝石のような色のオリーブを一粒一粒、手作業で丁寧に摘み取る。収穫のタイミングや品質管理など、徹底した澳さんのチェックが「オキオリーブ」の上質な味わいを支えている。

食材の味をブーストさせる、
魔法の「うまみ調味料」として使ってほしい。

——オキオリーブのオススメの味わい方はありますか?

澳さん ぜひ、和食にかけて味わってください。というのも、オキオリーブは「和食のおいしさを格上げする」ことを狙って作っています。冷や奴や卵かけごはんに、醤油のようにかける食べ方を定番としてご案内しています。そして、ぜひ一度試していただきたいのが、お刺身にかけること。ウソかと思うかもしれませんが、オリーブオイルが魚の臭みを見事に消してくれます。そのうえ、オイルの香りが魚の味と調和して、うまみや甘みをグンと引き出すのです。「あれ?魚って、こんなに味が濃厚だったの⁉」と驚くはずです。

——まるで、高級料理店で提案しているような食体験ですね。

澳さん 実際に、予約が取れないと言われる東京の鮨屋や料亭でもオキオリーブを使っていただいています。和食は、中華料理などと違って調理に油を多く使用しない分、素材の味を活かしたものが多いでしょう? 塩や醤油のように調味料としてオキオリーブを使うと、料理の味の奥行が広がると評価してくださっています。

——調理のときに、オキオリーブを加熱して使わないほうが良いのでしょうか?

澳さん そんなことはありません。エマルジョン(乳化)させてまろやかな風味を楽しむのにも適しています。ただ、オキオリーブ特有の味を楽しんでもらうという意味では、生で使っていただくことをオススメします。

ブリやハマチ、カンパチなどの臭みのある魚との相性は抜群。「オイルをかけても“カルパッチョ”にはならず、“お刺身”として味わうことができます。それは、オキオリーブが素材本来の味をブーストさせるからです」と澳さんは語る。

勤めていた会社も、地元も、収入も。
すべてを捨て、「オキオリーブ」にのめりこんだ。

——澳さんはもともと、全く別のお仕事をされていたそうですね。

澳さん 大学を卒業後に証券会社に勤め、香川県に赴任しました。当時は支援する側として、このオリーブオイル事業に携わっていましたが、進めるうちにのめりこんでいきました。転勤で新潟へ移ったあとも、どうしてもオリーブオイルのことを忘れられませんでした。これ以上関わるなら、自分が事業を引き受けざるを得ない状況だったこともありますが、オリーブの持つ可能性を知ったらオリーブオイルを作る以外の選択肢は考えられなかった。だから、会社を辞め、地元でもないこの地に戻ってきました。

——ものすごい覚悟ですね。それほどまでに澳さんの心をつかむオリーブの魅力とは?

澳さん 「一口食べればわかる」という世界をつくれることです。口に入れた瞬間にカッと香りが抜けて料理の味がおいしく変わるという、ノックアウトされたような「わかりやすさ」がある。オキオリーブを使っている料理と使っていない料理では、全然味が違います。オリーブオイル自体が健康にいいとか、美容に効果的とか言われていますけど、そんなことより「うちのを一回食べりゃ、オリーブオイルの魅力がわかる」とよく言っています。

オリーブの収穫は1年に1回だけ。最高のオリーブオイルを生み出すために、情熱をかけて育てあげている。

園内には一日1組だけのスペシャルなゲストハウス
オキオリーブを使った絶品料理も堪能できる

——澳さんの農園には、ゲストハウスもあるのですね。

澳さん オリーブの木々が生い茂る中にゲストハウスを建て、自然を感じながら宿泊していただけるようになっています。新型コロナウイルスが広がる前は、フランスをはじめ世界中からも宿泊客が集まっていました。日本の古民家でもあり、のどかな外国の村のような雰囲気も感じることができます。

——素敵な場所ですね。なぜ、この農園内にゲストハウスを作ったのですか?

澳さん オキオリーブのおいしさを、料理と一緒に伝えたいと考えたのです。だからレストランでもよかったのですが、1500本のオリーブの木々が立ち並ぶこの農園の絶景を、時間を忘れて楽しんでほしいと思うようになりました。そのため、お客さんに心ゆくまでオリーブとこの空間を味わってもらえるように、長時間滞在ができるゲストハウスをはじめることにしました。

——訪れた人にとって、特別な旅になりそうですね。

澳さん はい。内観でも「特別」を感じてもらえるよう、インテリアも逸品を揃えています。食事のときにお座りいただくダイニングチェアは、世界的木工アーティスト・ジョージナカシマの「コノイドチェア」を使用。空間をあたたかく照らす照明にはイサムノグチの「AKARI」を選びました。お二人とも国内外で高く評価される職人ですが、香川県にアトリエがあります。作品そのものが超一級品ですが、地元ならではの文化に触れていただけるという点も、このゲストハウスの魅力なんです。

——オキオリーブと香川県の文化、両方の魅力を体感することができるのですね。

澳さん 宿泊費とは別途料金がかかりますが、ぜひゲストハウスで提供するお食事を味わっていただきたいです。気軽に訪れてほしいから“ゲストハウス”と呼んでいますが、僕はここをオーベルジュだと思っています。夕食では、「オキオリーブ」をふんだんに使ったコース料理を提供しています。「オリーブオイルに、こんな楽しみ方があったんだ!」という発見を必ずしていただけると確信しています。

——贅沢なプランですね。ぜひ、多くの方に体験してもらえたらと思います。それでは、本日はありがとうございました!

(宮脇慎太郎=撮影、レジデンスクラブマガジン編集部=構成)

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