マイホームを購入する選択肢には、新築住宅と中古住宅があります。それぞれ以下のような種類があります。
- 新築住宅/マンション、分譲戸建、建売、注文建築
- 中古住宅/マンション、一戸建て
マイホームを手に入れた方は、どのように決めたのでしょうか。一般的にあげられる新築と中古の選択理由を見てみましょう。
- 新築の選択理由/(1)誰も住んでいないことが重要、(2)先進の設備・仕様や共用部の魅力、(3)分譲主への信頼
- 中古の選択理由/(1)新しさよりも立地や環境などを重視、(2)新築より価格面が手頃。価格が安い分、リフォームにお金をかけられる、(3)実物を確認できる
これらも参考にしながら、ここでは、「お金面」「暮らし面」「探し方」の観点から、新築と中古の違いや確認したいポイントなどを見ていきましょう。
購入価格以外にも違いがある、お金のこと
諸費用や税金面など、住宅の種類によって100万円以上の違いがあります
- 仲介手数料
不動産会社(仲介会社)に支払う手数料。住宅の売買や賃貸借の取引の際、売主と買主の間に入って意見の調整や契約事務などを行った場合に必要となります。取引成立時の成功報酬のため、契約が成立しなかった場合は請求されません。
- 仲介手数料は、「売主と買主」それぞれが仲介会社に支払う必要がありますが、上限額が定められています。売買代金(消費税分は除く)が400万円を超える場合では、3%+6万円(税別)となっています。
- 住宅ローン減税
年末の住宅ローン残高に応じて、一定額を所得税や住民税から減額。現行の制度は、消費税8%→10%への増税負担を軽減する目的で導入されています。このため入居時期により最大控除額が異なります。
- 固定資産税
住宅を購入したのち地方自治体に収める税金。固定資産税を決める評価額は、国土交通省が定める土地や建物の時価に対して、割合でが決められています。基本的な固定資産税は、評価額に対して標準税率の1.4%をかけた金額になります。
マンションに住む場合に、確認しておきたい毎月かかるお金
◎新築マンション
- 毎月の管理費と修繕積立金。新築時は低めに設定されることが一般的ですが、長く快適に暮らし続けていくために立てられる長期修繕計画に基づいて、計画的に金額が変わることが多い項目です。将来、毎月の負担額に影響もあるので、購入の資金計画の時に見落とすことがないよう確認しておくとよいでしょう。
◎中古マンション
- 現状の管理費や修繕積立金の金額だけでなく、管理組合の修繕積立金が計画通りに積立できているか、金額変更の予定があるかなど確認しましょう。また、一般に築年が新しいほど建物の断熱性能は向上しています。設備も省エネ性能が進化しているため、リフォームすることにより光熱費を節約できる場合も考えられます。
暮らしへの影響も大きい、構造面のこと
構造面の性能

住宅の建築技術や建物性能は、時々の建築基準法改正や公的融資の技術基準に対応しながら、年月とともに進化しています。現在の新築マンションを基準に考えると築10年以内程度なら、住宅としての性能で住み心地に大きな違いはありません。しかし、技術的な節目となる年の前後で住宅性能に明確な差がでる可能性が高くなります。
◎中古住宅購入時に、築年の違いでチェックしたいポイント
- 竣工時期はいつか
1981年に現行耐震基準が導入、建物倒壊だけでなく、建物内の人の安全性を確保
2000年に住宅品質確保促進法(品確法)が施行され、新築住宅の瑕疵担保責任期間が10年間の義務化。住宅性能表示制度も導入 - 断熱性の構造はどうか
2003年に換気システムが義務化されたため、それ以降の物件は、ほぼ同水準
リフォーム

築年が古い中古マンションや一戸建てでも、リフォームによって新築とそん色のない、あるいは新築にはない個性的な間取りにすることが可能です。設備なども最新型を導入することができます。
ただし、中古マンションでは天井や窓の高さが、新築の水準より低い構造の場合もあります。リフォームできない部分の経年の劣化もよくチェックしましょう。また、新築であっても入居時、あるいは将来的にリフォームすることがあります。事前に、自由にできない部分を知っておくことも大切です。
◎マンションで、自由にリフォームできない部分
- 柱の位置や天井の高さ、躯体壁、窓の位置や大きさ、バルコニーやサッシ、玄関ドアなど
共用部と共用部の専用使用箇所が該当しますが、管理規約により専有部内であってもリフォーム内容(例:フローリングへの変更やディスポーザーの設置禁止など)の制限を受ける場合があります。
住まいの探し方
新築マンション

決められた販売スケジュールに沿って、必要な情報は豊富に提供されています。
- 不動産ポータルサイトや、信頼する不動産会社のホームページから物件を探すことができます。
不動産会社の会員組織に登録すると希望エリアの最新情報などが提供されます。 - 候補に挙げたマンションのモデルルームに行き、実物大のモデル住戸や物件全体、地域情報の資料、詳細な図面など豊富な資料を見て吟味することができます。
現地周辺を歩くなど、環境面は自らの情報収集も大切です。
- 建物が完成済みの場合は、希望する実物の住戸や共用部を内覧することが可能な場合もあります。
中古マンション

新築に比べ相対的に少ない情報から、条件の良い物件を見極める目や知識が求められます。
- 1物件ごとに最寄駅や駅距離、築年も異なる候補から検討していきます。
不動産ポータルサイトや、信頼する不動産会社のホームページから物件を探すことができます。
不動産会社の会員組織に登録すると希望エリアの最新情報などが提供されます。 - 情報収集は、自ら現地周辺を歩き、ネットで調べるなどのほか、プロの仲介業者にしっかりと調べてもらうことが大切です。
新築当時のパンフレットや公式資料などが公開されておらず、マンション全体の情報が少ない場合が多いです。 - 物件を気に入ったら、現物を内覧できるのが最大のポイント。居住中の場合は、内覧の調整が必要ですが図面だけではわからないことまで、自分の目で確認できます。
一戸建て

一戸建ては、新築・中古ともに、マンションと比較すると一棟ごとの個別性が高く間取りも多種多様です。
- 不動産ポータルサイトや、信頼する不動産会社のホームページから物件を探すことができます。
不動産会社の会員組織に登録すると希望エリアの最新情報などが提供されます。 - 現地周辺を歩くなど自らの情報収集や、売主や仲介業者などの意見も参考にします。
- 新築であってもマンションと異なり共用部がないため、資料は簡易な場合が多いです。
- 新築の場合、建物か完成していれば実物を内覧します。複数の住棟を建てる分譲地では、先行して建てたモデルハウスを見学できる場合もあります。中古の場合は、マンションと同様に現物を内覧して確認できます。
- 本記事の内容は2018年6月掲載時の情報となります。情報が更新される場合もありますので、あらかじめご了承ください。