人間にも個性があるように、猫にも様々な性格がありますが、警戒心が強い一面を持つ猫は、狭い場所を好み、身を隠せる場所にいると落ち着くのです。猫が下に潜り込める脚付きのソファや箱型のベッドなどを、最低でも1つは用意するとよいでしょう。キャリーケースをシェルター代わりにするのも◎。通院のときだけケースを出すと「閉じ込められて連れて行かれる……！？」と逃げ出しがちですが、日ごろ出しっぱなしにしておけば、猫がスムーズに入ってくれるようにもなります。

猫の優れた跳躍力やバランス感覚を活かして、楽しく運動ができる環境をつくってあげましょう。高低差をつけたアスレチック的な場所をつくってあげると、1匹でも飽きずに遊んでいられます。たとえば、「ソファ→本棚→食器棚→冷蔵庫」といった具合に、高さの異なる家具を利用した猫の導線をつくるのもひとつの手^※。もちろんキャットタワーやキャットステップを設置するだけでも、猫にとっては楽しい遊び場となります。キャットタワーはある程度のスペースを必要とするので、十分な部屋の広さを確保できないときはキャットステップの導入がオススメ。最近では、画鋲程度の小さな穴しか開かない、石膏ボードに設置できるキャットステップも販売されています。
※高低差をつけるときは、段差を大きくしすぎず、猫が無理なく移動できるようにしましょう。

窓の付近は、ぽかぽかとあたたかかったり、外の景色を眺められたりするので、猫に好まれがち。窓のまわりにベッドやブランケット、キャットタワーなどを設置することで、猫にとってより心地のよい環境になります。また、昨今人気の窓に取り付けるウィンドウベッドは、くつろぎながら外の景色を楽しめるため、気に入る猫も多いようです。

猫にとって快適な場所は、室内の状況や時間帯によって変わります。たとえば夏季の窓際は、日中高温ですが、夕方以降は比較的涼しくなります。日照時間や状況によって猫にとっての過ごしやすさは変わるため、猫用ベッドやブランケットなどは一箇所だけでなく、複数の場所に置きましょう。テレワーク中、猫がPCのまわりをスリスリして仕事に集中できない……なんてときは、作業机の上にベッドや箱を置いてみましょう。猫が中に入ってくれれば仕事に集中できますし、私たちも作業の合間に猫の姿を見るとリラックスできます。

猫が家具や壁などでツメを研いでいて慌てた経験がある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。してほしくない場所でのツメ研ぎを防ぐには、別途 ツメ研ぎ器の設置がマスト。設置場所のポイントは猫がツメ研ぎをしそうな物の付近を選ぶこと。ツメ研ぎはマーキングの意味合いもあるため、部屋の柱やソファの角など出っ張っていて目立つ場所がターゲットになる傾向にあります。その近くにツメ研ぎ器を置き、興味をそちらへ向かうよう誘導してみてください。そして、その場所で猫がツメを研いだらご褒美のおやつを与えましょう。繰り返し行うことで、そこでのツメ研ぎを好むようになります。

猫にとって心地の良い環境をつくることはストレスを軽減させるだけでなく、私たちとの信頼関係を築くうえでも大切です。お互いに心地のよい暮らしのなかで愛情を注ぎあうために、無理なくできることからはじめてみましょう！

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