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イベントアフターレポート

開催日
2024年10月20日(終了)

【イベントレポート】クラシックコンサート~珠玉のオール・モーツァルト・プログラム~ in 紀尾井ホール

新しい時代の“楽しいオーケストラ”を目指し活動を続ける「東京21世紀管弦楽団」による、レジクラ(ロイヤル・プレミアム)会員限定の「クラシックコンサート」に700名様をご招待しました。その模様をレポートいたします。

モーツァルトが王様のために作った高貴な曲

気持ちのいい秋晴れの広がる日曜日の午後、「東京21世紀管弦楽団」によるクラシックコンサートが開催されました。指揮を務めるのはドイツの名門オーケストラ、「ブランデンブルグ国立管弦楽団フランクフルト」の首席客演指揮者であり、2019年に東京21世紀管弦楽団の音楽監督に就任した浮ヶ谷孝夫氏。ドイツを拠点に活躍を続ける日本を代表する指揮者のひとりです。

会場となった東京四谷の紀尾井ホールは1995年に誕生。華やかなシャンデリアが吊るされたロビーを抜けて、美しい木の温もりが広がるホールへ――そのアプローチがこれから始まる特別な時間を予感させてくれます。

この日のテーマは「オール・モーツァルト」。18世紀後半から19世紀初頭にかけてウィーンを中心に発展した音楽スタイルは「ウィンナー・クラシック(ウィーン古典派)」と称され、中でもモーツァルトの曲はその代表的な存在とされています。数々の名曲を残したモーツァルトは指揮を務める浮ヶ谷氏にとっても特別な存在です。

「今回のコンサートで何を演奏しようか考えたときに浮かんだのが、『ウィンナー・クラシック』でした。同時期に活躍した著名な作曲家にはハイドンやベートーベンもいますが、あえてモーツァルトを選んだのは、宮廷音楽家だった彼が王様のために作った高貴な曲を、レジクラ会員の皆様にぜひお聴きいただきたいと思ったからです」

そうした思いを込めて選曲されたプログラムが、モーツァルトの交響曲の中でも特にファンの多い「交響曲第40番ト短調K.550」と「交響曲第41番ハ長調K.551<ジュピター>」です。すべてのお客様が着席されると、大きな拍手に迎えられ、オーケストラ奏者が、そして浮ヶ谷氏がステージに登場。いよいよ特別なコンサートの幕開けです。

一流の演奏は予備知識なくとも全身に響いてくる

「交響曲第40番ト短調K.550」、第1楽章は多くの人が耳にしたことのある軽やかなメロディからスタート。美しく重なり合う弦楽器の音色、ホーンセクションの柔らかい響きがホールを包み、続く「ジュピター」では、躍動的なリズムから穏やかなメロディへと、次々と繰り出される多様なフレーズに客席はどんどん引き込まれていきます。

ご友人が市民オーケストラで活動され、クラシックには馴染みが深いというご夫婦は、「プロの演奏はさすが違いますね。とにかく音がきれいで、なおかつ迫力がある。素晴らしい演奏に圧倒されました。最初の音から胸にずしんと響きました」(H様、70代)。ご友人とともに訪れたご婦人も、「モーツァルトはこれまであまり触れる機会がなかったので、今回じっくり聴くことができて嬉しかったです。演奏はとにかく心地よくて、とても癒されました」(A・H様、50代)。誰もが極上の演奏に酔いしれたご様子でした。

フィナーレ後は拍手が鳴り止まず、何度もカーテンコールに応える浮ヶ谷氏。

「あんなに拍手が続くと思いませんでしたので、嬉しい気持ちでいっぱいです。音楽において僕が信条としているのは、料理にたとえれば、極上の食材を一流の料理人が作る、といったような能書きはいっさい関係なく、演奏そのものを楽しんでいただきたいということです。クラシックは敷居が高いと思われがちですが、決してそんなことはありません。一流の演奏は予備知識など何もなくても全身に響いてくるもので、今日がまさにそうだと思っています。東京21世紀管弦楽団は演奏者が自身の目指す音楽を明確に理解し、なおかつ一人ひとりが全身で感動しながら演奏しています。それは間違いなく、お客様に伝わると信じています」

全身で一流の演奏を生で感じられるということは、なんて幸せなのだろう。会場一体が感動に包まれた極上のひとときでした。