脳をリラックスさせ、安眠効果大の音とは?

“ホワイトノイズ”とは、人間の耳に聞こえるさまざまな周波の音を含む、一定の抑揚のない耳に優しい音のこと。
これには、外から聞こえる車や工事の音、隣家の騒音、睡眠をともにする家族のいびきなど、イライラする耳障りな音を“打ち消す”効果があると言われている。
『二子玉川 蔦屋家電』コンシェルジュの前田さんが見せてくれたのは、手のひらに乗る大きさの、白いシンプルな円筒状のマシーン「sleep me」だ。
スイッチを入れたとたん、ザーッという音が流れ始めた。正直言ってかなり大きな音だ。
「これがホワイトノイズです。起きているときにこの音を聞くと、えっ、この音でほかの音が打ち消されるの? この音自体がうるさいんじゃない? と思う方がいらっしゃると思います」と前田さん。
「でもこの音は学会でも認められた、脳がリラックスする音なんです」
たとえ話をしよう。暗い部屋で懐中電灯の光に照らされればまぶしく感じる。しかし、明るい室内で懐中電灯を照らしても、その光は目立たず気にならない。
同様に、静かなところで耳障りな音を聞けば、それが気になって仕方がなくなるが、ホワイトノイズのような音をあえて発生させることで、その耳障りな音が聞き取りにくくなる。人間の脳は周囲に気になる音があっても、より近くの音に集中する傾向がある。そのように脳が勝手に補正をかけてくれるのだという。
ホワイトノイズには脳をリラックスさせる効果があるので、初めのうちは雑音に聞こえるが、しばらくすると頭の中では意味のない音となり、認識すらしなくなるという。
音に敏感な人の快眠をサポートしてきたロングセラー
「sleep me」は、いわばこうした脳の錯覚を利用した器具だ。
「睡眠に悩んでいた弊社のスタッフがこれを1週間ほど使ってみたら、『sleep me』の音自体にはすっかり慣れ、むしろ意識すらしなくなって、熟睡できるようになったそうです」
もちろん効果には個人差があるが、聴覚が極端に敏感な人がこの商品を使ったら、障害が軽減したというデータもあるという。それだけの効果があるこの商品、どれほどハイテクなものなのだろうか。
「装置としてはすごくシンプルな構造なんです。中にファンが回っていて、その風音が聞こえているんです」と前田さんが明かしてくれた。実はこの「sleep me」の発売は1962年。60年以上を経ても当時とほぼ同じ構造のまま、多くの人々に愛されてきたロングセラーだというのも驚きだ。
テレビの音や、ドアフォンのようなちょっとした音の刺激で起きやすい赤ちゃんのいる家庭や、周囲の環境音に邪魔されたくない受験生のいる家などにもお薦めしたい。

お話を聞いたのは●前田 国彦さん
まえだ・くにひこ/『二子玉川 蔦屋家電』コンシェルジュ。確かな商品知識で、ニーズに合った提案をしてくれる。
■「sleep me」 スタンダードタイプ
価格:6930円
【主な仕様】
サイズ:底面直径14.6×高さ8.9cm
重さ:785g
電源:100V 50-60Hz
消費電力:12W
色:白
『二子玉川 蔦屋家電』
東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズS.C. テラスマーケット
TEL:03-5491-8550
営業時間:10時~20時
休:年中無休(元日を除く)
文●戸羽昭子 撮影●小禄慎一郎(2024年10月掲載)
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