住まいに、夏の花を涼やかに飾る
春や秋に比べると、夏の花の種類はやや少なめです。特に切り花の種類は少なく、夏の花の代表格のひまわりもあまり長持ちしてくれないのが難点です。
夏は水が腐りやすく気温も暑いので切り花の花持ちが悪いのですが、吸水スポンジを使ったアレンジメントもお勧めです。
種類の少ない夏の花々も、カラーリーフやグリーンと組みあわせたアレンジメントにすることで、夏らしい涼やかなインテリアになります。
ガラスの花器に夏の花を飾って、部屋を清涼感に満ちた雰囲気にしてみましょう。
グリーンでバランスを整えながら、さまざまな形の花を活ける
白い花と、カラーリーフやグリーンと組みあわせたアレンジをいくつか紹介します。花の形と大きさ、花器とのバランスを考えて立体的に活けていきます。吸水スポンジを使った花活けは、花留めが容易で、アレンジのしやすさがポイントです。
アレンジメントのバランスは、高さと奥行きがでるように考えていきます。
カラーリーフや、お手持ちの観葉植物の鉢から大きい葉をカットしてアレンジメントに使ってもいいですね。

中央:白い斑入りのシンゴニウム、
中央左:丸くてかわいらしい緑の手まり草、
上部:白い小花のオーニソガラム アラビカム、
中央下:赤い葉のシンゴニウム

中央:大きな葉が印象的なドラセナ コンパクタ、
上部:存在感のある華やかな印象のアガパンサス。青いガラスの花瓶が、白とグリーンの組み合わせをさらに引き立たせます。花瓶の組み合わせで、さまざまなイメージが楽しめます。
組み合わせ次第でアレンジメントも自在

中央:大きくて存在感のあるドラセナ・ソングオブ・ジャマイカ、
右上:白と緑のストライプの葉が美しいキキョウラン
アガパンサスは、花火のように美しく咲く白い花をつけます。
切り花は、葉のないすっとした直線の茎だけなので、いろいろな形のグリーンとの組み合わせで楽しめます。
切り花の水上げ方法と注意点
花屋さんの店頭に並んでいるお花は、仕入れ後、「水上げ」を行ないます。切り口を斜めにカットしたり折ったり、割ったり、あるいは「湯上げ(熱湯に切り口を数秒間浸けるやり方)」などの「水上げ」を施します。
このようにすべてのお花は、一度プロの手によって十分水を吸い上げる手立てを行なっています。
花の購入後は、生ける前に切り口を1㎝程度切り戻して花瓶に活けたりアレンジすると水の吸い上げが良くなり花の持ちが良くなります。
長時間花を持ち歩くと切り口が乾燥してしまい、水に入れても吸い上げない場合がありますので、注意が必要です。



茎をカットしていくうちに短くなってきたら、最初の花瓶にサイズが合わなくなってきますが、小さい花器や皿・コップなどに移し替えていき、その度にアレンジメントを楽しんでください。
切り花の長持ちのコツは、水をこまめに変えることです。自由なアレンジメントで、夏の切り花を楽しんでください。

著者:寺井 通浩
東京都渋谷区上原にある、フラワー&グリーンショップ「からならの木」のオーナー。
「植物と暮らす」をテーマにガーデニングやディスプレイを手がける。月に1回花の教室も開催するほか、個人宅のコーディネート相談も受け付ける。