Part1 間取り選びのチェックポイント
間取りの基本となるのは家の広さと部屋数です。居住者がゆとりを持って快適に暮らすことができる家の広さは、一緒に暮らす家族の人数によって変わってきます。例えば国土交通省が公表している水準によると、ひとり暮らしなら40~55m2、ふたり暮らしなら55m2~75m2とされています。40m2なら1LDKや2DK、60m2なら2LDKや3LDKが一般的な間取りとなるので、やや広めに設定されていますが、部屋選びの目安として参考にすると良いでしょう。次に必要となる部屋の数については、家族の人数だけでなくライフスタイルによって変わってきます。例えば一人暮らしでも、家に帰って寝るだけなら1ルームで十分ですが、周囲の音などを気にせず趣味や仕事に集中する空間が欲しいなら、寝室とは別に独立した部屋のある間取りを選ぶ必要があるでしょう。
賃貸ではリフォームによって部屋数や配置を変えることはできません。だからこそ、カップルやファミリーでも、家族一人ひとりに独立した部屋が必要なのか、パブリックスペースを充実させて一緒に過ごす時間を充実させたいのかなど、どのように暮らしたいかを基準に間取りを選ぶことが大切です。
Part2 収納量や、周囲の音など間取りからは分からない要素に注意
間取り図を見て、部屋の数や形だけで部屋を決めてしまうと、いざ暮らしてみた時に収納が足りなかったり、ベッドやテーブル、ソファなど家具の置場に困るという事態に陥りがちです。収納スペースの高さはどれくらいあるかも要チェック。自分の持ち物がきちんと片づけられるだけの収納があるか、もしなければ収納家具を収めるスペースがあるのかなどを確認しましょう。置きたい家具があるなら、サイズを計測し、事前に部屋に収まるかの確認も大切。特に、大きな家具については、搬入経路についての確認も必要です。簡単に間取り図の上に家具のレイアウトを描き込んでみると、よりイメージしやすいかもしれません。
また、間取り図には冷蔵庫を置くスペースが表示されていなかったり、テレビなどの家電を置こうと思っていた位置にコンセントがないということも少なくありません。窓からの景色や周囲の音など、間取り図から見えない要素もありますので、気に入った間取りでも契約する前の内覧は必須です。
Part3 間取り選びのすすめ<ひとり暮らし編>
ひとり暮らしなら部屋の数は1つあれば基本的に生活には事足ります。しかし食事と睡眠の空間を区切ることで、食べること、寝ることに集中しやすく、生活にメリハリが生まれるでしょう。調理や飲食による臭いが寝室に充満することも防ぎやすくなりますし、衛生的な食事環境も維持しやすいのも利点です。また居室だけでなくダイニングキッチン(以降DK)にも窓がある間取りを選ぶことで、風通しを良くして湿気や臭いを逃がすなど、快適な室内環境を保ちやすくなります。
さらに、DKと洗面・浴室・トイレなどの水廻りの位置関係にも工夫がみられるか、また、玄関扉を開けても外から部屋の中を見通せないような配置であったり、DKと玄関を隔てる扉がある間取りを選ぶことで、プライバシーを守りやすく、暮らしの安心につながるのではないでしょうか。
Part4 間取り選びのすすめ<カップル編>
2人以上で暮らすとき、間取り選びのポイントになるのがパブリックスペースとプライベートスペースのバランスです。1DKでも2人で暮らすことはできますが、食事をするダイニングテーブルとは別に、ソファなどを置いてゆっくり過ごすには少々手狭に感じるかもしれません。十分なゆとりを持つには、LDKを選択するのが良いでしょう。
また部屋が1つだと収納が不足したり、或いはプライベートな時間をつくりにくいかもしれません。そこで広めの寝室とは別にちょっとした趣味や仕事、に使える部屋があると、暮らしの幅が広がり、ストレスも軽減できるのではないでしょうか。さらに、和室があると来客の宿泊に利用したり、子どもが生まれた時にも重宝します。部屋の数で迷った時には必要な部屋数プラス1部屋という考え方をしてみると良いかもしれません。