東京都墨田区 K様邸
竣工/2014年9月 敷地面積/171.27m2 延床面積/328.50m2 規模/地上3階建(3階親世帯、1・2階子世帯、1・2階賃貸住宅)
愛着のある町に、将来まで見据えた住まいを
東京下町の面影を残す住宅街。東京スカイツリーを背にしばらく歩くと、今回訪問するK様の3階建て賃貸併用の二世帯住宅があります。白を基調とした外観は、コーナーに配した淡いグレーのカラーリングと壁面から少し引き込んだ黒のサッシ窓がモダンで洗練された印象でありながら、下町の風情を残す街並とやさしく調和しています。
賃貸併用の二世帯住宅へ本格スタート
「ここは私が育った町。20代の半ばからは、父と共に仕事をしてきました。結婚を機に住まいを都心のマンションに移していましたが、父が亡くなったあともご近所付き合いが深く、人情味のある町にとても愛着を持っています」とご主人様。この土地では、お爺様の代から三代続く家業を営んでいました。K様の代に替わり、老朽した建物を今後どうしていくのか、家族の暮らし方、将来設計に合わせた土地の有効活用などさまざまな可能性を考えられたそうです。そんな折、当時結婚して独立していた長男の「二世帯で暮らすことも含めて、一緒に考えさせて欲しい」という言葉をきっかけに、二世帯住宅と将来の経済的な安心を生みだす賃貸経営を両立できる計画が具体的に動き出しました。「息子から声をかけられるとは思いませんでした。うれしかったですね」と振り返ります。
三菱地所ホームとの出会い
家づくりを進めるにあたって、まずハウスメーカーのモデルハウスや実際の物件を見学に行かれたそうです。いくつかのハウスメーカーと相談やプランのやり取りも進めました。「いろいろなホームページを見たり、実際に建てている物件も見に行きました。そんな中で『あ、素敵な家だな』と思った物件が2軒あったんですが、なんとその2軒とも三菱地所ホームの家だったんですよ」と奥様。他のハウスメーカーからの提案に踏みきれないでいたこともあり、三菱地所ホームに電話をして担当者にこれまでの経緯を打ち明けたそうです。「三菱地所ホームの赤坂ハウジングギャラリーで何度か打合せをして、とても楽しかったですね」と振り返ります。実はご夫婦が知り合う前、お互いの仕事関係が赤坂にあったとのこと。「何か縁を感じますね」と感慨深げに話してくださいました。「三菱地所ホームの設計士やコーディネーター、営業担当の方、皆さん楽しい方ばかり。プランの打合せでは『ほしいものを全部おっしゃってください』といわれて。打合せがいつも盛り上がるんです」。
変形敷地を活かした自由設計
しかしオーナー様が三菱地所ホームに決めたのは縁ばかりではありませんでした。いちばんのポイントはK様の問題をまっさきに解決できたこと。家をつくるにあたって大きな壁になっていたのはその敷地です。東西におよそ25mあり、南側中央部分がくびれた形状でした。しかも一帯は準防火地域で建築基準法による建物の構造や材料の制限が設けられていました。さらに北側は下町の住宅地特有の狭い私道に面していたため、1mほどセットバック。65坪あった土地は52坪になりました。
「残った敷地はますます細長くなって、しかも変形のまま。さまざまなハウスメーカーに相談し提案をしてもらったのですが、最終的に心配していた変形敷地の土地活用プランとして、初期の段階からデザインを含めた建築プランを提案してくれたのが三菱地所ホームでした。決め手は自由設計と全館空調システムが生み出す、明るく広々とした居住空間です。変形した敷地、しかも規制が多い土地に、三菱地所ホームは最初から大空間を提案してくれました。以前は4LDKのマンションでしたが、LDKを少しでも広く使いたかったのでダイニングテーブルを隣りの部屋に置いて使っていたほど。それぐらい家を建てるなら大空間のLDKがほしかったんですよ」とご主人様。「それと、スタッフ皆さんの印象が良かったこと。これがいちばんですね」と奥様も満足げに語ります。
わ~という歓声に、建てて良かったと実感
白で統一された明るい1階の玄関を入り、ご夫婦の居住スペースである3階のホールに着くと奥様お気に入りのイッタラのレインボーバードが出迎えてくれました。さらにイラストが掛かったギャラリーのような寝室を眺めながら廊下をぬけていくと、そこには広々と明るい約30畳のLDKが現われました。木目の美しいウォールナットのフローリングと、北側に向かってのびる勾配天井と大きな窓が明るく落ち着いたリビングを演出してくれます。「階段ホールからキッチン、ダイニング、リビングまで仕切りなくつながっていく。寝室も4枚引き戸を開放して一つの大空間として楽しめるのが気に入っています」と笑顔のご主人様。
床は奥様がいちばん希望したもので、通常より幅広のウォールナットを選びました。「親戚や友人が訪ねてきて、廊下からリビングに進むうちに、わ~という歓声が聞こえると本当に建てて良かったなぁと実感します」という奥様。ご主人も「最近はそんな声を聞きたいからよくパーティーもここでやるんですよ」と楽しんでいるご様子です。
シーンに合わせた明かりを楽しむ
インテリアや照明が大好きという奥様。対面キッチンのステンレス製レンジフード、油の飛び跳ねをブロックするガラス、壁面のモザイクタイルまで、機能的なだけでなく見た目もシャープでスタイリッシュなものをセレクト。またリビングダイニングをはじめ、ベランダにも調光式のダウンライトを取り付けるなど、フロアライトやスタンドライトと組み合わせながら生活シーンに合わせた明かりを楽しんでいます。
テーブルと2脚のチェアが置ける広いテラスからは、ライトアップしたスカイツリーの姿を間近で眺められるそうです。「隅田川の花火はこのリビングの正面に上がると思います。いまから夏が待ち遠しいですね」とご主人。少し光量を落としたダウンライトとやわらかなフロアライトの明かりが織りなす空間。オーディオから流れるジャズミュージックがさらに心地よさを演出します。
ウォークインクロゼットを備えた寝室は、サイドの壁面に淡いグレー、ベッドヘッド側には一段濃いグレーを配色し、視覚の効果で空間に広がりをもたせています。また、寝室を廊下ではさんだ反対側にはご主人様が長年愛用していたデスクとチェアに合わせた造作のディスプレイラックを設けました。
家全体に行き渡る心地よさ、全館空調「エアロテック」
「9月に引っ越してきて、まだ1年も経っていませんが、実際に暮らしてみて、全館空調にしてほんとに良かったと思います。空気がきれいだし、高断熱だから、マンション時代に比べると外がどんなに寒くても寒いと感じたことはありません。家全体に心地よさが行き渡り、冬はTシャツで過ごすこともありました」とご主人様。「私はひどい花粉症なので、エアロテックにはとても期待しています」と奥様。
賃貸住宅はメゾネットタイプに
3階には、独立した洋室がもうひと部屋あります。東南角にあたる洋室は都内でひとり暮らしをはじめたお嬢様がいつでも宿泊できるようにというご両親の配慮。いまは愛猫アッシュが仮住まい中です。1階と2階の約半分が息子さん夫婦の住まい。残りの半分が4室の賃貸住宅。賃貸部分はすべて1階の玄関から1階と2階にふり分けて入室するメゾネットタイプでおよそ30m2の1DK。2口IHやバス乾燥機、独立洗面室など、学生だけでなく社会人単身者用に充実した設備を用意したそうです。
音楽が流れる家 喜びの家
10代の頃から音楽の世界で活躍していたご主人は、一度は演奏から遠のいたものの20年ほど前に再開。今では月7~8本のペースでジャズバンドやビッグバンドのドラム奏者として音楽を楽しんでいます。新しいわが家を一言で表現すると̶そんな問いかけにご主人は「いつも音楽が流れ仲間が訪ねたくなる家。この家ができて人を呼べるのが最高にうれしいんですよ」。愛猫のアッシュを抱きながら奥様は「私は喜びの家かな。とても素敵な空間で気に入っています。毎週パーティーもいいわね」。人生を謳歌しているお二人の喜びが伝わってくる訪問となりました。