暮らし快適メモ

体重よりも、体脂肪を減らしたい!住まいで「健康」をコントロール。

毎日、体重計で測定して、その増減に一喜一憂することは健康管理につながっているのでしょうか?もちろん、それだけでは難しいですよね。“日々の住まいの中でのアタリマエ行動をひとつ変える”、“食材のことをちょっと理解する”。健康的な体のコントロールはここからです。
カロリー消費や代謝に対する考え方、行動や食材などの理解を少し深めて、体脂肪を減らしていく健康管理を考えてみましょう。
今回の記事では、管理栄養士の先生から健康的な体のコントロールのためのアドバイスをお話しいただきました。住まいで意識したい簡単な運動や、栄養素から考えた常備菜におすすめのレシピも紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

アタリマエ行動を見直そう!

まずは、マンション内で手軽にカロリー消費。

効率よく脂肪を燃焼するには、息があがるような運動ではなく、少し心拍数が上がる程度の運動が、もっとも脂肪を燃焼してくれることがわかっています。日常の中にこうした運動を取り込むなら、階段がいいでしょう!お住まいのマンション内で、はじめは3~5階分くらいを目安にして、息があがってきたら少し休みながら無理のない程度に行うのが長続きのコツです。

消費カロリーは、体重50㎏の人で、上りが2分で約15kcal、下りは2分で約5kcal、1日2回の往復で約40kcal。小さな数字のようでも、1年にすると約1万4600kcal、約2kg分の脂肪が消える計算です。駅ではエスカレーターに乗らない、オフィスのトイレは別階を利用するなど、自分でルールを決めて外でも階段利用を増やせば、消費カロリーはさらにアップしますよ!

その体重ダウン、水分が減っただけかも?体重は、減らす前に維持する習慣づくりも大事。

「サウナに行くと体重が減る!」「エステに1回行っただけで3kg痩せた!」なんて話をよく聞きますが、減った体重のほとんどが水分なので、残念ながら脂肪はあまり減りません。水分補給すれば、次の日には体重はほぼ元通り。また、塩分の多い食事を重ねると、体内に水分を保有する作用が働いて体重が増えます。水分以外にも、便秘や生理、食事の重量などで日々体重は変動します。こうしたことで体重が減っていても、蓄えた脂肪を減らしていなければ、正しくは“痩せた”とはいえないんです。

体重を減らすためには、まず“体重を増やさない、維持する”というコントロール力を身につけることが大事です。毎日3食きちんと食べて、体重を維持する。その食事量と活動量を知ることが、体重コントロールの基本、体重をキープできる≒太らないということです。でも、多くの方は、なぜ自分の体重が増えたのか減ったのかを把握していません。朝の食事の前に同じ格好で毎日体重計で測定するとき、前日の食事量や活動量による体重変化の原因を考える習慣をつけると体重を維持するコツが見えてきます。

痩せやすい体づくりの秘訣は、栄養素にあり

体の中の化学反応をスムーズにすれば、ちゃんと痩せる!

体重が維持できれば、次のステップは痩せやすい体をつくることです。筋力アップして運動して脂肪燃焼!というのも一つの方法ですが、代謝を円滑にするための栄養素が摂れていないと脂肪燃焼する化学反応が体内でおきないため運動したのに中々痩せないということがあります。人が活動するために必要な栄養素は30種類。それぞれを必要な量、摂取することは代謝をスムーズに行うためにはとても重要なことで、無駄なく効率的に痩せる近道にもなります。

約30種類の栄養素は、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルと5つにわけられます。たんぱく質や脂質は、肉や魚・卵・豆腐など、炭水化物は、ごはん・パン・麺類、ビタミンやミネラルは、野菜や海藻などに多く含まれています。本来はこれらをバランスよく食事からしっかり取り入れることで代謝がスムーズになるわけですが、現代人の食生活は、そのバランスが崩れてしまい痩せにくくなっていたり、不定愁訴を起こしているケースが多いようです。

体重が維持できたら、1日200kcalを目安に無理なく脂肪燃焼!

飽食といわれる現代の日本では、多くの人は、炭水化物、脂質、たんぱく質を過剰摂取し、ビタミンミネラルが不足するようになりました。そのため昨今では、肥満を解消することが健康であるかのような情報があふれ、炭水化物、脂質、たんぱく質を減らしすぎ、さまざまな不定愁訴(原因や理由が不明瞭な頭痛、肩こり、疲れやすい、イライラなどの体調不良)を抱える方が増えています。

 

過剰摂取している場合は減らすことも必要ですが、主食、主菜、副菜をバランスよく、適量(体重維持できる量)を摂らなければ代謝はスムーズに行われません。減量する場合には、バランスを考え1日約200kcalを目安に、主食を半分、主菜は低カロリーの食材を選び、副菜を減らさないように調整して少しずつ脂肪を燃焼するようにしましょう。無理なく取り組むことでリバウンドを予防することもできます。間食やアルコールは控えたほうが良いですが、摂取する場合は200kcal以内とし、その分をさらに食事でコントロールして減量への影響を最小限にとどめるようにしましょう。

【Recipe】メタボ予防の要は“食”にあり。栄養コスパの高い食材を常備菜として副菜にしましょう!

今回ご紹介するレシピは、どうしても不足しがちな栄養素「ビタミンA(β-カロテン)」を多く含むため毎日でも利用したい食材・にんじんです。常備菜として食事にプラスできる簡単レシピです。

~簡単!にんじんのマスタード醤油和え~

【材料(つくりやすい分量)】
にんじん 2本、塩 小さじ1/2、マスタード 小さじ2、しょうゆ 小さじ2、ごま油 大さじ1.5
【つくり方】
①にんじんは千切りにし、塩をまぶして30分ほどおく。
※スライサーやピーラーでヒラヒラに薄くしたり、拍子木切りや乱切りなどにしても良い。
②マスタード、しょうゆ、ごま油をまぜる。
③①全量に②を大さじ1程度加え、和える。
※アーモンドやナッツ、黒こしょうなどを加えると食感や香りと合わせ、栄養素のバランスがさらに良くなります。

<ポイント>

  • ①は、ふたのできる容器に入れ、ふり混ぜる。②も小瓶やドレッシングボトルで作るとそのままドレッシングとして冷蔵庫に常備できるので便利。
  • ①は冷蔵庫で3~4日保存が可能です。みそ汁やカレー、サラダなどあらゆるお料理に利用することができます。常備菜は調理しすぎないのがポイント!
  • ②のドレッシングは、豆苗、小松菜、蒸しかぼちゃ、大根、かぶ、きゅうり、どんな野菜も美味しく召し上がれるドレッシングです!

ビタミンA(β-カロテン)は、目・皮膚・粘膜の健康を維持するはたらきがあり、美肌にはかかせない栄養素です。また活性酸素を除去し免疫力を高め、風邪などの疾病の予防、抗ガン作用も期待できます。健康的な体を目指して、栄養素コスパの高い食材を楽しみながら日々の暮らしに取り入れてみてください。

アドバイザープロフィール/窪田あい

医療機関のコンサルティング会社である株式会社メディヴァにて年間のべ600人以上の保健指導を行う傍ら、医学や栄養学を一般の方にもっとわかりやすく伝えたいと、さまざまな講座を企画。(一社)健康栄養支援センターに所属しながら「はらごしらえワークス」にてフリーランスとしても活動中。ライフスタイルにあわせた体重コントロール法でダイエットサポートなども行っている。