暮らし快適メモ

お茶まわりの道具の選び方

寒い時期は、身体も心もほっこりと温まるお茶が恋しいですよね。
わたしは自宅で仕事をしていることもあって、毎日それはもう何杯もお茶を飲んでいます。お茶には身体を温めたり、反対に熱を体外へ逃がすなどさまざまな種類があって、季節や食べ物に合わせて選ぶのもすっかり習慣に。
緑茶、ほうじ茶をはじめ、ノンカフェインなのが嬉しいルイボス茶、そして台湾茶など、自宅にはいつも何種類もの茶筒が並んでいます。
お茶を淹れるには、まずやかんでお湯を沸かします。やかんを選ぶ際にはデザインも大切ですが、早く沸くことも同じくらい重要。底面積が広いほうが、火と接する面積が広いために熱のまわりがいいです。底がしっかり広い形状は、安定するので安全ともいえますね。また、素材によっても熱伝導率が変わります。
私は以前、底が小さくて縦長のやかんを使っていましたが、底が小さいために五徳の上で安定せず、何度も熱湯をこぼしそうになりましたし、しかもなかなかお湯が沸かない。見た目はとても気に入っていたけれど、いつのまにか使わなくなってしまい、今は植物の水やりに使っています。
こんな風に、より使い勝手を考えて選んだほうがいいものもあるんですよね。

そして、ポットはその時の気分でいくつかをかわるがわる選んでいます。そこまで茶葉のにおいがつくことはないけれど、なんとなくお茶によって選ぶポットが変わります。気分的な問題でしょうか。
ポットは、割とたっぷりとお湯を入れるので、お湯を入れて持った時に『重さを感じにくい=バランスがいい』ポットを選びたいと思っています。
また、陶磁器のポットの場合は、あまりに蓋が華奢だとすぐに割れたり欠けたりするため、特に作家もののポットは、水の切れがいいかもあわせて確認してから手に入れるようにしています。
いいうつわ屋さんは、水を入れて切れの良さを見せてくださることもあるので、できればそういうお店で選ぶと安心ですね。

次はお湯のみ。これは、どちらかというと機能よりはデザイン重視で選んで良いでしょう。
わが家は来客がおおくて、お湯のみは4~6客セットで揃えているので、省スペースになるように重ねて収納できるものにしています。
また、底が細くて上に行くにつれて大幅に広がっているものは、安定感が悪くて、テーブルの上で不用意に手が触れて倒すこともあります。私はパソコン作業中にお茶を飲むため、何度かやってとても焦りました。
なので、安定感の良さも選ぶポイントに入ってきます。
あとは、手に持ったときの収まり具合や、口当たりなどが好みか、欠けにくいか、茶渋がつきにくいかなどもできれば実際に触れて確認しておきたいもの。マットな素材感は、使っていくうちにお茶が染み込むこともあるので、経年変化を好まない方は他の素材を選ぶのが賢明ですね。

お茶が好きで色々揃えていると、その分、茶筒も増えていきます。缶の茶筒は密閉性や遮光性に優れている一方で、中身が見えません。そのため、同じ茶筒がいくつもあるならば、ラベルを貼るなどして、見分けられるようにひと手間かける必要があります。
それが面倒な方は、ガラス瓶を茶葉の収納に使ってみてはいかがでしょうか。ガラス瓶はなんでもよくて、私はイギリスのキャニスターや、日本の薬瓶(東急ハンズなどに新品が売られています。細口でなく必ず広口を選ぶのがポイントです)などを活用しています。
ガラスは、遮光性はないものの、ある程度の密閉性と、中身が見えるという利点があります。また、いくつか置いていても、ごちゃごちゃしないのもありがたいですね。同じもので揃えなくても、ガラス素材であれば、統一感が生まれてまとまりが出ます。素材を1~2種類に絞り込むのは、すっきり感を演出するいちばんの方法ですよ。
すっきりしたキッチンで、美味しいお茶を淹れたいですね。

柳沢 小実さんについて
1975年 東京都生まれ 日本大学芸術学部 写真学科卒業 エッセイスト、整理収納アドバイザー
暮らしにまつわる著書多数。ファッションと美味しいものが好きで、収納好きが高じて、整理収納アドバイザー1級の資格を取得。手間をかけずにすっきり見える収納法を日々研究中。