ガーデニング

一輪から始める“365日、花のある暮らし”。

インテリアのひとつとして、さりげなく花を飾って住まいを彩りたいーーー。
そう思っても、生け花となると技術や花器にこだわってしまいそう。アレンジメントされた花束は華やかだけど、大きな花器も必要で飾る場所も限られそう。いざ、日常に花のある暮らしをと考えると悩ましいものです。
住まいにプラスする花一輪からなら、技術や花器・場所などにこだわらず、暮らしの中に花を取り入れやすいと思います。今回は、暮らしを彩る一輪挿しを楽しむポイントについてご紹介します。ぜひ、参考にして試されてみてはいかがでしょうか。

花一輪からなら、自由に、自分の思うとおりに飾るだけで楽しめます。

白黒のシンプルなインテリアと合わせた真っ白なバラ。一枝だけの飾り方に粋を感じます。

“どう生けよう”とか“どうしたらセンスよく見えるか”と頭で考え過ぎるより、自分の思うままに飾ってみるところからでよいのです。花の形や葉の付き方、長さ、色など、どう飾ればいいかは花が教えてくれるでしょう。

飾り方に決まりはなく、窓辺に、リビングに、ダイニングテーブルに、洗面やトイレ・キッチン……と、住まいの中のどこに置くかも縛られることはありません。花器もわざわざ買ったものや大きさにこだわる必要はなく、空瓶やグラスでもかまいません。好きな花、色・種類・長さなどを自由に選ぶ、それだけでいいのです。

暮らしの中で花一輪を愛でるひとときは、心にも少し余裕ができることでしょう。とはいえ…一輪挿しをより楽しむためのポイントは押さえておきたいですね。いくつかの例を見ていきましょう。

花器の高低差や花の種類などの組み合わせで、遊び心を持って飾りましょう。

可憐なパンジーなどは、細い茎が花の重さを支えきれないこともあります。バランスよく落ち着かせるには高さが低めの花器に。かすみ草やミモザなど小さな花や実がたくさん付いている場合も、花器ギリギリの高さに短く揃えるとかわいく飾れます。

花束をいただくと、そのままでは花瓶のサイズに合わなかったり、好みではない色の組み合わせのアレンジになっていることも…。花の種類ごとにあえて別々に生けたり、多くの一輪挿しをランダムに並べると、それぞれの個性がより映える飾り方になります。

淡い青色のルリマツリの花をシンプルな和テイストの花器に生けて美しさを強調。低いほうには、同じ花の枝の部分だけを生けてまとまりを作っています。花器は、酒器などでも合うでしょう。お盆などを敷くとより和の雰囲気が強まります。

生ある植物だからこその美しさ。花弁の名残も活かせます。

ローズマリーやバジル、ミントやレモングラスなどバルコニーやお庭でハーブ類を栽培している方も多いようです。思いがけず、たくさん育ってしまい料理だけでは使いこなせなくなることも。香りも楽しめるハーブは、一輪挿しにも好相性です。

500以上の品種があるアイビー系はツル性の観葉植物。育てやすいため寄せ植えなどでインテリアに取り入れているご家庭もありますね。切りとったツルを発根させて苗にするだけで増やせるので、水挿しで根が生えるまでを一輪挿しのように楽しめます。

せっかくの生花は、最後まで大切に飾りたいものです。枯れてきて一輪挿しに飾るのが難しいときは、キレイな花びらや葉の部分を水に浮かべてみましょう。深みのないガラスの器などを利用するとおしゃれにテーブル上を演出してくれます。

想いを伝えたいときには、贈り物としての花一輪を。

生け花や花束は、水を替える時に活け直したり、寿命の違う花を間引いたり手間もコストもそれなりにかかってしまいなんとなく特別感があります。一輪挿しなら毎日の水替えはあっても、手入れはラク。花を買う時も、一輪なら100円程度から選ぶことができます。

まずは、ご近所に馴染みのお花屋さんを見つけてみませんか。週に一度程度の購入で、季節ごとの旬の花を毎日愛でる楽しみができて、日々の生活の潤いも増すことでしょう。

また、花一輪はおしゃれでセンスが良い贈り物にもなります。例えば、友人の家を訪ねる時は、手土産に一輪の花を添えて。花があることで、受け取る側もより喜ばしい気持ちになるでしょう。家族なら、感謝の想いや少し謝りたいときなどに花一輪を添えると、言葉以上に伝わりやすくなるのではないでしょうか。

一輪挿しを上手に暮らしに取り入れて、花のある生活を楽しみましょう。