整理収納のコツ

“EYE'S PLUS"に学ぶ。『玄関』収納のワザ

EYE'S PLUS(アイズプラス)とは、お客さまの目線(アイズ)にプロの視点を加えて「新たな価値をプラス」していく三菱地所レジデンスのものづくりの取り組みです。細やかな「技(ワザ)」を真似て、プチDIYで現在の住まいに取り入れるとすっきりと物を収められたり、部屋が片付いたりします。今回は、『玄関』収納のワザを参考にしてみましょう。

アイズプラスの収納発想を住まいに活かす。

必要とされるスペースを徹底して調べる!

アイズプラスで行ったアンケートによると、収納で不満を感じている場所の1位は寝室の収納(クローゼット)でした。ついで、2位が玄関の収納(シューズクローク)。少し意外な印象も受けますが、確かにシューズクロークに収まりきらない靴が、ずっと出されたままの残念な玄関も。また、靴以外にも玄関に置いておきたいものがいろいろあるということも理由のようです。

傘、スリッパや靴べら、シューズケア用品はベーシックですね。ほかに、防災グッズやレジャー用品、掃除用具、帽子など玄関に置きたいものは幅広いようです。アイズプラスは、商品開発する上で、より具体的なニーズも調べていきました。例えば、印鑑や鍵など小物を入れるスペースが欲しいかどうか。玄関収納にオープンスペースが必要か。姿見やスツールは欲しいか、それはどこにあるといいのかなどです。

3つのポイントで商品を開発。

3つの工夫のポイントで、アイズプラスのシューズクロークは収納量を高めています。

◎Point.1:靴の収納量を増やす/幅120cmが主流だった玄関収納を幅160cmに拡大。
◎Point.2:可変性を持たせる/収納内の可動棚を上下前後で組み替えられる仕組みに。
◎Point.3:オープンスペースを設ける/扉のない空間を設け、自由な活用スペースに。

ポイントの1つ目は、収納空間自体の拡大。でも、その前に靴の寸法と、多くの家庭の靴の数を把握して、必要な大きさを算出しているんです。一般的な紳士靴の幅は25cm、婦人靴の幅19cmです。それぞれのご家庭で、持っている靴の数も、男女比も違うと思いますが、まずは、この寸法を知っておくと参考になります。現在の玄関収納の横幅に対して、各棚に収めている靴の組み合わせを変えてみると少し余裕が出ることもありますよね。今回は、靴とベーシックなものを収めるための工夫にフォーカスしました。

「ヨコの物は、タテに」は収納の工夫の基本。

限りある収納は、最大限に活用!

さて、現在の住まいの玄関収納の大きさが変えられない中で、他に参考にできることは何があるのでしょう。ポイントの2つ目、可動棚の活用です。これまでにも、さまざまな収納場所の工夫ポイントとして、タテ空間の利用を紹介してきました。今回は、可動棚を動かし、靴をタテにして、収められる靴の数を増やしてみましょう。

  • 近年の玄関収納内の棚は可動可能なものが多いです。固定式の場合はご了承ください。

シューズハンガーはご存じですか?

100円ショップなどでの取り扱いもあり、靴の洗濯で利用されているケースが多いようです。こちらを可動棚の天地の幅を広げる調整をした上で、パイプを設置し、ぶら下げていきます。ぶら下げる靴は、かかとの高さがないフラットなタイプや子どもの靴などがおすすめです。幅120cmの玄関収納の場合、一段に収められる靴は4~6足程度ですが、この方法だと靴の種類によっては倍近く収めることができます。
パイプ設置の際は、突っ張り棒などもありますが、下の参考写真のようにネジで設置する方が、強度としては安心です。靴も見やすく、洋服を取り出すように、ハンガーフックで出し入れできるのも使いやすそうでいいですよね。

参考写真:上下の棚の間の横幅に対し、ハンガーパイプを設置する場合
参考写真:棚下に、奥行きに対しハンガーパイプを設置する場合

ウラに、裏ワザ!

ベーシックな物の収め場所を作る!

3つのポイントには挙がっていませんでしたが、アイズプラスの玄関収納には、扉の裏側にも工夫があります。玄関に置きたい物のアンケートでも多かった、傘やスリッパ、鍵などの小物を収める定位置を作っています。こちらはシンプルに、プチDIYでパイプやフックを取り付けることで真似することができます。

下の参考写真のように、DIYショップで用途に合ったタイプのものを探しましょう。但し、注意しておきたいのは、扉と中の棚との間に隙間が必要だということです。扉と棚との間が10cmほど空いていれば、取り付けることができるでしょう。ただ、この空間は、サイズの大きい男性の靴が、棚からはみ出すことも計算された空間です。左右片側のどちらかに、男性用の靴を寄せて、片側の扉だけ活用してみるなど、サイズを測ったり考えてからチャレンジしましょう。

参考画像

オープンスペースも有効活用。

靴の数をもっと収めたい、ヒールのある靴が棚の高さをとってしまうというお悩みがあるようならば、ポイントの3つ目に注目です。アイズプラスでは、オープンスペースの空間自体はコンパクトです。現在の玄関のオープンスペースが広く、ゆとりあるならばこの空間を活用するのが収納量を増やす近道です。棚柱やディアウォールなどを設置し、「見せる」収納棚を新たに設けるという考え方です。

また壁面側を、メッシュパネルにした棚のタイプもおすすめです。下の参考写真のように、カゴやフックのアクセサリーが揃っているのが特長です。靴を置く棚のほかに、小物を収めたり、観葉植物を飾ったりするなどご自身のセンス次第でオシャレな「見せる」収納にできます。
長く暮らしていると、どうしても荷物は増えてしまうもの。住まいに手を入れることも快適に暮らし続けるためには大切ですね。