インテリアショップで家具を選ぶときにまず大切なのは、普段の過ごし方と照らし合わせながら、実際に家具を使用する場面を想像してみることです。
例えばダイニングで読書やテレビ鑑賞など食事以外の時間を長く過ごす方の場合、チェアにアームがあると腕を休めてくつろぐことができます。一方、来客の多いご家庭ではアームが無いチェアの方がスペースも取らず、親密感も増します。この場合、ダイニングテーブルは人の座る位置を選ばず人数が増えた時に対応しやすい丸形やオーバル型のものがおすすめです。座った時に全員の顔が見えるので会話も弾みますよ。
インテリアの善し悪しは、生活に取り入れてから本当の意味の快適性が問われます。見栄えだけでなく、日々の暮らしの中での使い勝手の良さが重要になりますので、より具体的に日常生活に近づけて想像していくことで理想のサイズや形を導き出しましょう。

理想の形やサイズのイメージをもつことができたら、実際の居住空間にあった家具の配置を考えます。十分な動作スペースが確保できないと、実際の暮らしの中でストレスを生みかねません。お部屋の図面や写真があれば、ショップにお持ちすることをお勧めします。より具体的な配置をイメージできるはずです。
例えばL型のソファを置きたいというご相談をよくお受けするのですが、実際にL型ソファを図面上に書き込んでみると人の通るスペースの確保が難しい場合もあります。もしL型ソファを置きたい理由が「足をのばしてくつろぎたい」ということであれば、代わりにＩ型のソファにオットマンを加えるという方法もあります。オットマンならフットレストの役割を果たしてくれますし、容易に移動できるため座る位置によって場所を変えたり、来客時は自分が座る応接用に使用したり、時に片づけたり、とフレキシブルに活躍してくれます。限られたスペースの中でも工夫をすることで、理想のスタイルを作ることが可能になります。どうしてもL型ソファにこだわられるようでしたら、空間に納まるようにサイズ変更の相談をしてみてもよいかもしれません。
なお、インテリアショップなどの広い空間では、ものは小さく見える傾向にあるので、注意が必要です。

全体の空間構成が決まったら、最後にインテリアのテイストを決めましょう。理想のライフスタイルを考えながら、デザイン、素材、色、仕上げ、そしてアイテムを選ぶことで、自分や家族にとって意味のあるインテリアが選べるようになります。
例えば「子供も成長したので、今後はものを大切にしながら、素材感を感じられる空間にしたい」という理想があるとした場合、無垢材の自然仕上げのアイテムであれば天然素材ならではの質感や心地よさを感じることができます。また、メンテナンスをしながら長く使うことができ、次の世代にも残すことができます。
素材や仕上げの選びかたによってお部屋のイメージは大きく異なります。経年とともに味わいが増す素材であれば、木の他にもレザー、真鍮などもありますので、ぜひショップで実際に素材を見て、触れてみてください。木部やファブリックといった素材のサンプルをもらい、実際のお部屋で確認をしてみても良いでしょう。
ショップでのディスプレイの他、インテリアショップによっては納品実績の写真を置いている場合もありますので、理想のライフスタイルを想像し、イメージを膨らませ、素材や組み合わせを選びましょう。