インテリアをもっと楽しく!

愛猫が喜ぶインテリア ~DIYと猫家具の実例を紹介~

猫も人も快適な暮らしをするために、“ネコ仕様”のおしゃれなインテリアを取り入れる手もあります。猫が喜ぶのは、どんなインテリアなのか。DIYと猫家具の実例をご紹介します。

DIYでリビングが猫のパラダイスに!

Twitterのフォロワーは11万人。「無重力猫ミルコのお家」というアカウント名で知られる中川ちささんの自宅は、猫にとってパラダイスのような空間だ。ちささんの夫がDIYの腕をふるい、キャットウォークやらせん階段状のキャットタワー、透明のアクリル板を使い猫の肉球が下から観察できるようにした見晴し台などを設置。そこで、ご夫婦と共に5匹の猫が暮らしている。

「うちは築15年の一軒家。10年ぐらい前から猫を飼い始め、最初は庭に出していたのですが、塀を乗り越えてしまったので、安全のため家から出さないようにしました。そこで、猫のストレスが溜まらないように家の中を自由に遊び回らせてあげたいという想いから、家具を自分たちで作り始めたんです」(中川さん)

愛猫家ならではの観察眼で、高いところが好きな猫が天井近くを歩き回れるキャットウォークを設置し、その一部をスケルトンに。猫たちがそこを自由自在に移動する姿は実に楽しげだ。また、猫はハンターとしての本能ゆえ穴をすり抜ける習性もある。そのために壁に穴を開けて食器棚の上から階段スペースへと抜けられる“猫トンネル”も作った。

壁の中のトンネルに猫もご満悦。 持ち家だからこそできるリフォームだ。
日当たりの良い窓辺から庭が見渡せる“見晴し台”。落下防止の枠に頭を載せられるのが猫に好評。

「ただ、壁に穴を開けるのは、本当は素人がやらないほうがいいと思います。わが家は夫がかなり真面目にDIYの勉強をし、壁や天井の内部に何があるかがわかる下地センサーなどの用具もそろえてから始めました。すると、猫たちが喜んで使ってくれるので、それがうれしくて、どんどん作っていった感じですね」

SNSに写真をアップすると、反響が大きく、キャットウォークなどの作り方を教えてほしいというリクエストも届くようになり、最近はDIYの解説動画をYou Tubeにアップしている。

「チャレンジしやすいのは登り棒です。柱には塩化ビニールのパイプを使い、麻とビニロンのロープを巻いています。突っ張り式なので、賃貸にお住まいの人も設置しやすいようですよ。これは猫の運動用で、わが家の猫たちはちょっとぽっちゃりしているけれど、“動けるぽっちゃり”を目指してほしいと思って設置しました(笑)」

 猫への愛情が詰まったDIYの数々だが、そのために自分の美意識を妥協してはいない。キャットタワーなどの木材にはダークブラウンの塗装をし、支柱や枠は黒に。リビング全体のトーンを統一し、インテリアとしても満足できるものにしている。

「家を建てたばかりの若い頃は、家具までお金をかけられませんでしたが、15年経って、自分たちの趣味に合うインテリアにしたいと思い、家具を買い替えるよりは好みのものを作ることを選びました。木材の色などをそろえられるのはDIYのメリットですね」

次は猫用トイレを置けるように洗面所をリフォームする予定だという。中川家の進化はこれからも続きそうだ。

キャットタワーと登り棒。猫の本能的な欲求を満足させる工夫がたくさん。

上質の素材を使った、インテリア性が高い猫家具

「家具の自作なんて無理」という人には、商品化されたネコ家具を買うという手段もある。通販大手のディノスでは、2021年8月に「オーク天然木の ネコとくつろぐ ダイニングテーブル」を販売開始したところ、SNSなどで話題に。テーブルの中心に直径16cmの穴があり、そこから猫が顔を出せる仕様になっているのがかわいいと評判だ。

ディノスの「オーク天然木の ネコとくつろぐ ダイニングテーブル」15万9,500円(税込)、「コーナーベンチ」14万7,180円(税込)、「アームレスベンチ」12万4,080円(税込)。

このシリーズを企画した「dinos of LIFE」編集長(兼ペット家具担当)の河野美里さんは、「人と猫がひとつの家具を別の目的で使いつつ共有できたら、スペースを無駄遣いせず、楽しく暮らせるのではと考えました」と語る。

「テーブルは天然木の高級ダイニングセットを作っているメーカーさんに相談して商品化が実現したもの。穴があると首を突っ込みたくなるという猫の習性を利用し、テーブルに座る人が猫と目が合うようにと考えました。猫に出てきてほしくないときは穴に専用のフタをかぶせることもできます」(河野さん)

セット商品のベンチは、背もたれの幅を17cmにすることにこだわり、猫が歩いたり、くつろいだりできるように設計されている。布張りの生地は猫が爪で引っ掻いても比較的傷みにくいものを採用。「ソファや椅子のファブリックを猫にボロボロにされた経験がある人は多いと思うのですが、このベンチには、スナッグ試験という引っかきに強いかどうかのテストで5段階評価中5を獲得した生地を使っています」と河野さん。

また、ダイニングセットに先行して販売開始した「国産天然杉のネコも遊べるオープンラックは棚板の形を工夫し、物を並べても手前部分に猫が乗れるように。木材の杉は無塗装なので、猫が舐めても安心だ。購入者からは「14歳の老猫でも十分移動でき、一番上の棚にも行けました」「若くてやんちゃな猫の動きは激しいので、突っ張り機能の付いたものを購入して良かった」という感想が寄せられている。

自分で作るか、家具を購入するか。ペットは一緒に暮らすパートナーだからこそ、どちらかの不満が溜まるような生活にならないよう、お互いハッピーになれるインテリアを目指してみたい。

ディノスの「国産天然杉のネコも遊べるオープンラック」左から幅52cm・77cm・102cm、突っ張りタイプもあり。3万9,900円(税込)から。

インテリアをもっと楽しく!コラムはこちら

住まいのリフォーム実例を見る



中川ちささんのサイト「無重力猫ミルコのお家」
https://ccchisa76.fensi.plus/a/blink/

ディノス「オーク天然木の ネコとくつろぐ ダイニングテーブル」
https://www.dinos.co.jp/p/1317500005/

ディノス「国産天然杉の ネコも遊べる オープンラック」
https://www.dinos.co.jp/p/1357101149/