理想の空間づくり

毎日リラックスできる!家サウナのつくり方

忙しい日常を離れて心身ともにリラックスできる場所として、サウナ人気は高まるばかり。自宅にプライベートサウナを作りたいという人も増えているようです。そこで、自宅に「マイサウナ」を持つためのコツを、三菱地所ホームのホームコンサルタント遠藤 真さんに聞きました。

30分でドライサウナが温まり、ロウリュもできる!

三菱地所ホームのホームコンサルタントの遠藤 真さん。「大きいプールを水風呂にする、そんな提案をいつかしてみたいですね」

ひと口にサウナと言っても、「乾式(ドライ)サウナ」「湿式(スチーム)サウナ」「ミストサウナ」など種類はさまざま。そのなかで多くのサウナ施設で採用されているのが、湿度が低く温度が高い乾式サウナだ。

「家庭用におすすめしているのも乾式サウナです。電源をつないで使用するタイプのもので、30分程度で温まり、70〜80度くらいまで温度が上昇します。サウナ内に設置されたサウナヒーターの上で熱せられたサウナストーンに水を注ぎ、サウナ室を加湿する『ロウリュ』も可能ですので、ご自宅で本格的なサウナ体験を味わえます」(三菱地所ホーム・遠藤 真さん、以下同)

「三菱地所ホームで採用することが多いメトスというサウナメーカーでは、サウナヒーターがサウナ内に置かれているタイプと、ベンチ下に格納されているタイプがあり、それぞれロウリュの仕方が違います。ヒーターがサウナ内にあれば、直接サウナストーンに水をかけることができますので、水蒸気がダイレクトに立ち上がります。一方、格納されているタイプでは、専用ハッチから水を注ぐことになり、水蒸気はサウナ内にマイルドに広がります。また、格納タイプはサウナ内がすっきり広く使えるというメリットがあります」

メトスプライベートサウナ(クリマ)。灼熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させ、心地よい熱波を感じる「ロウリュ」はフィンランド流の入浴法だ。写真提供/メトス

据え置き型か、埋め込み型か

自宅用サウナのサイズは、1人用で高さ約2メートル、幅約1.1メートル。小型のエレベーターとほぼ同じサイズで、据え置き型と埋め込み型の2つのタイプがある。据え置き型は箱状のサウナを室内の希望の場所に設置するもので、埋め込み型は新築や建て替えのタイミングで工事をして取り付ける。

「据え置き型はマンションへの取り付けや、リフォームでの対応も可能といわれていますが、配線の処理や床の補強などが必要です。また、壁から数センチ離して設置しなければならず、場合によっては断熱工事をすることになるかもしれません。さらに、温めるための200Vの家庭用電源が必要になります。それらの条件を最初にクリアするためには、新築や建て替えのタイミングで設置することがおすすめです」

外装をそのまま生かす据え置き型。写真提供/メトス
インテリアに合わせた埋め込み型。写真提供/メトス

狭い家でも、諦めるのは早い

大きい家でなくても、サウナは作れる。

「小型エレベーターと同程度の大きさですので、寝室などほかの部屋を少しずつ小さくするなどして、サウナを作ることは十分可能です。また、希望はあるものの、まだ決めかねているという場合は、将来的に設置することを前提に、サウナ用のスペースを準備するという方法もあります。これはエレベーターの設置でよくあるケースで、あらかじめ確保しておいたスペースは収納部屋として活用し、必要になった段階で工事をし、エレベーターに切り替えるというわけです。エレベーターはかなり荷重がかかりますので、必要な基礎工事はあらかじめ済ませておかなければいけません。同様に、サウナもスムーズなリフォームが可能なように、例えば洗面室を広めに作るなどしてサウナ用スペースを確保し、設置を想定した工事を済ませておくという方法を取ることもできます」

自宅用のサウナについて具体的なイメージがつかめてきたところで、設置場所についても考えたい。庭にテント式サウナを置く人も増えているそうだが、自宅にサウナを設置する場合に適した場所はどこか。

「基本的には場所の制約はありません。電源さえ確保できれば、リビングでも寝室でも設置できます。ただし、サウナを出たあと、すぐに汗を流したり、水風呂に入ったりできるよう、洗面室など浴室のそばに設置するのがおすすめです。サウナと水風呂で頭はスッキリ、体はリラックスという、いわゆる「ととのう」状態も実現しやすくなるはずです。サウナメーカーでは1人用から4人〜5人用まで用意されていますので、その中からお好みのサイズを選んでいただくことになります。壁材には清潔感のある『フィッチ』という木材を使用していますが、オプションでヒノキやパインなどを選ぶことも可能です。自分仕様に仕上げることができるのも、自宅サウナの楽しみではないでしょうか」

寝室の隣にサウナルームをつくることも、夢じゃない!?(写真はイメージです)

気になる、ランニングコストは

サウナを設置するための工事費は据え置きタイプで目安として130万円前後。ただし、電気代は1人用の場合、1時間で100円程度と家計にやさしい金額なのが嬉しいところ。(※計画内容の詳細によります)

「1人用ならそれほど空間も広くないため、30分もあれば温まります。その時間も入れて1時間〜1時間半ほど使って100円〜200円くらいです。確かに初期費用はかかりますが、一度設置してしまえば、ランニングコストはそれほど高くありません。毎週末サウナに行くという人は、思い切って自宅にサウナを作ってしまうのもひとつの方法ではないでしょうか」

血液の流れをスムーズにし、老廃物を排出する効果も望めるサウナは、美肌づくりにも一役買ってくれる。そのうえ、密を避けてリラックス効果を得られる自宅サウナは、これからますます注目を浴びそうだ。

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お話を聞いたのは●三菱地所ホーム 東京事業部 駒沢ステージ1ホームギャラリー ホームコンサルタント 遠藤 真さん

えんどう・しん/「サウナに限らず、お客様の家に対する希望を一緒に実現させていくのが私たちの仕事だと考えています。以前、岩盤浴を作りたいというリクエストを受けて、ご自宅の中に岩盤浴用の部屋を作ったこともあります」と語る遠藤さんは、スーパー銭湯のサウナ愛好者でもある。