住まいの悩みはプロにまかせよう!

Vol.11「将来、自宅を貸すことも考え始めたのですが……。」

転勤や郊外への住み替えが現実味を帯びてくるとご自宅の賃貸活用も選択肢になります。三菱地所ハウスネット賃貸受託営業部の高野久嗣さんに事前に検討するポイントを聞きました。
※肩書きは取材当時のもの

――今すぐに、というわけではなくても、ゆくゆくは転勤などで自宅を貸すことも視野に入れたとき、何から考えたらよいでしょうか。

まず明確にしたほうがよいのは、貸した後にどうするかということです。再度、ご自宅に住む場合は「定期建物賃貸借契約(以下、定期賃貸借)」をおすすめしています。オーナー様が転勤から戻られるなど、ご自身で使用されるタイミングで契約を終了することができるよう、期間を決めて貸す方法です。

一方、再度ご自宅に住むご予定がなく、その先も賃貸で運用するのであれば、2年ごとに契約が更新される「普通建物賃貸借契約(以下、普通賃貸借)」をおすすめしています。定期賃貸借の場合、入居期間が制限されることや法人の社宅規定に抵触するケースもあり、一般的には普通賃貸借のほうが需要は高い傾向にあります。

この場合、賃貸借契約期間が確実に終了しないため、転勤から戻ってきた際は、借主様が退去されるまで、ご自身は別に部屋を借りる方法もあります。

――なるほど、その手もあるのですね。では、いざ、貸すと決心したときは、いつごろ不動産会社に相談するのがよいでしょうか。

スケジュール的には、転勤先に引越す前に入居者募集を始めて、退去後に借主様がすぐ内見できるようにしておくと良いでしょう。例えば、10月から転勤の場合、9月中旬までに引越して、そのタイミングで内見をスタートできるといいですね。クリーニングや管理会社との委託契約手続きなどが約1カ月かかるため、逆算すると8月中旬、遅くとも8月末にはお問い合わせいただければと思います。

理想をいえば、お引越しすることが正式に決まる前にご相談いただくほうが、余裕を持って準備ができます。

――初期費用はどのくらい見積もったらよいでしょうか。

まず、部屋のリフォームやクリーニング、さらに設備関係の点検が必要です。これらはどの程度行うかによって、金額が変わってきます。築年数が10~20年のマンションの場合、設備関係の耐用年数が超過していることもあるため、オーナー様に交換をご提案することもありますので、ある程度の心積もりは必要です。

また、リフォームをする場合は、ご家族で直したい場所が違う場合も多いので、事前に話し合っていただくことをおすすめします。

――入居者が決まりやすい物件や条件は。

駅から近い物件は人気ですが、築年数や階数や住環境など、借主様が何を重視しているかによって様々です。最近は、募集の際に、ペット飼育、楽器演奏、喫煙の3項目について表記する必要があるのですが、多くの物件が「不可」としています。「可」にすれば借主様が見つかる可能性は高まりますが、オーナー様にとってデメリットもあります。

特にペットの場合、壁やフローリングに傷がつくことも想定され、物件の資産価値を考えれば、「不可」にされたほうがリスクは少ないいえるでしょう。

――入居後のトラブルが心配な方も多いと思われますが。

「三菱地所ハウスネット」では入居後の管理も含めておまかせいただくこととなりますので、設備の不具合などの報告があった場合、オーナー様とご相談のうえ、当社が窓口になって対応いたします。

また、募集活動は情報を広く展開しておりますが、入居申込みをいただいた方には詳細な審査を行っております。後のトラブルを防ぐ意味でも、引越しの理由やご収入面なども確認いたしますので、安心しておまかせください。