マンションvs戸建て

マンション vs 一戸建て

マンションと一戸建て、マイホームとしてどちらを選べばいいのか、一度は迷う人も少なくありません。この両者には、建物の見た目だけでなく、さまざまな違いがあります。なかでも比較検討するために重要な「お金」「住み心地」「資産性」のポイントについて、違いを押さえておきましょう。

お金の違い

住まいは購入した後も、経年の変化に対応していくためにコストが発生します。

マンション特有のコスト

一戸建てには不要で、マンションでは必要となるコストに「管理費」「修繕積立金」があります。いずれも、住人(区分所有者)が快適に暮らし、建物の価値を守るために必要なコストです。金額はマンションによって異なりますが、管理費と修繕積立金を合わせて70m2程度の住戸では毎月2万円強程度かかることが多く、同一マンション内であれば専有面積が広い住戸の方が高くなります。

  • 管理費/マンション共用部の日常的な管理にかかる費用
  • エレベーターや消防設備等の保守点検費や共用部分の照明の電気代など。
  • 敷地内の清掃や植栽の維持。
  • 管理員の人件費など。
  • 共有部分について、長期間、性能を維持するために毎月積み立てるお金
  • 駐車場を契約する場合は別途駐車場代が必要になります。

一戸建て特有のコスト

一戸建てだけにかかるコストは、表面上はほとんどありません。一部の分譲地では、共用ゴミ置き場の清掃・管理費用がかかるケースはありますが、一般には毎月定額を支払うコストはありません。マンションのように長期的な修繕積立金を強制的に徴収されることもありませんが、独自の判断を必要とするコストは発生します。

  • 長期的な修繕費用/経年による建物の劣化への対応
  • 例として、屋根・外壁塗装、屋根・ベランダ・雨どい等のメンテナンス、基礎部分の防腐・防蟻処理など
  • 実施回数、使用の材料でもことなるが30年程度で数百万円とも言われ、修繕費用を自己責任で貯蓄していく必要があります。
  • 建物以外の費用
  • 植栽の維持や植え替えなど外構にかかる費用。
  • 駐車場付きの物件なら駐車場代は不要です。

住み心地の違い

まとめて任せてしまう、自由に自分の判断で行う。住む人の好みの違いともいえます。

マンションの住み心地の特長

  • 住戸内がフラット/一般に、住戸内は階段がないため家事動線がよく、落下などによる事故も発生しません。
  • 冷暖房効率が良い/コンクリートの蓄熱性によって住戸内が適温に保たれやすいため、冷暖房効率がよくなります。
  • 防犯性が高い/エントランスやエレベーター、玄関など多重のセキュリティによって防犯性が高くなります。一戸建てと比べて窓が少なく戸締りがしやすいことも特長です。
  • ゴミ出しがラク/曜日に関係なく24時間ゴミ出しが可能なマンションもあり、ゴミ出しの日を気にする必要が少ないです。また、生ごみを粉砕して排水口から流せるディスポーザー付き物件なら、生ごみが溜まらず不快な臭いに悩まされることもありません。(一部ディスポーザーで処理できないものもあります。)
  • 宅配便受取がラク/最近のマンションでは宅配BOXが設置されていることが多く、不在でも受け取れるため再配達を待つことはありません。
  • 共用施設を利用できる/大規模マンションには、ゲストルームやパーティールームをはじめ、多彩な共用施設がある物件が珍しくありません。自室以外に使える施設によって、生活の幅が広がります。
  • 駅近立地を選びやすい/マンションは駅近立地に供給される割合が相対的に高いため、交通や買い物などの利便性が高い生活環境を手に入れやすくなります。

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一戸建ての住み心地の特徴

  • 生活音を意識しない/建物が独立しているので、マンションのように上下階や隣接住戸などの生活音に気を遣う必要がありません。
  • 開口部が多い/一般的に、すべての居室に開口部があることが多く、風通しがよいとされています。また、キッチンやバスルーム、洗面室、トイレにも窓があることも。湿気が出やすい水廻りも風を通しやすく快適なのが特長です。
  • 車を利用しやすい/多くの一戸建ては敷地内に駐車スペースがあるため、玄関を出てすぐ車に乗り込めます。大きな荷物がある場合も、積み下ろしや持ち運びに手間がかかりません。
  • 庭を持てる/必ずしもというわけではないですが、庭付きが一般的です。ガーデニングや家庭菜園、日本式の庭園、広さがあれば池なども作ることができるでしょう。
  • 何事も自分で決められる/建物の修繕やリフォーム、建て替えもすべて自分の意思決定だけで進められます。
  • 地域に建築協定などがなければ、建物外観のデザイン変更なども自由に決められます。
  • 静かな住環境を得やすい/一戸建てはマンションと比較すると駅から離れた住宅地に供給される割合が相対的に高いため、喧騒のない静かな住環境を得やすくなります。また、大型の面開発による分譲地などは、外からの車が入ってきにくく安全性も保たれやすいといえます。

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マンションの管理費と一戸建ての住み心地は表裏の関係

一戸建ては管理費がかかりませんが、その分、マンションでは必要のない「生活に付随する作業」が発生します。たとえば、敷地内の草むしりや植木の手入れ、植栽から落ちた枯れ葉の掃除、自宅前の通りにマナーの悪い人がポイ捨てしたゴミや吸い殻などが気になれば、その掃除もすることになります。また、一般にゴミ出しの曜日や時間に制約があり、ゴミ置き場の後片付けや掃除も当番制で負担します。マンションでは、これらの作業をすべて管理員や委託業者に任せることができ、その対価が管理費なのです。管理費が必要か不要かという違いは、生活上の作業をコストを払って軽減するか、コストを払わず全て自分で負担するか、ということなのです。

資産性の違い

【住宅の資産性とは】
一般に住宅の資産性は、購入時の価格からできるだけ値下りせず「将来的にいかに高く売れるか」で決まります。逆に言えば、希望する売却額で買ってくれる人がいかに現れやすいかで評価されると言い換えることができます。現実の住宅の資産性は立地条件に影響される割合が圧倒的に高いと言え、より多くの人が住みたいと考える条件が整う立地であれば、将来も買い手が現れやすく資産価値が維持されやすい傾向があると言えるでしょう。

  • 資産性に有利な立地条件
  • 都市の中心部への近さ
  • 最寄駅を通る鉄道の利便性の高さ
  • 最寄駅への近さ
  • 街の人気の高さ
  • 再開発や新線開通など街や地域の将来の発展性など

マンションの資産性

マンションは一戸建てに比べて、同じ土地面積により多くの住宅をつくることが可能です。このため、高い居住ニーズが見込める立地には、事業採算性から一戸建てよりもマンションを建てられる可能性が高くなります。そうした観点から、一般にマンションは、資産性に有利な立地条件であるケースが多くなります。

  • マンションの売却を想定した資産性の考え方
  • 過去、供給数が多い地域は、中古マンションの流通数が相対的に多いため、築年数や駅距離などに応じた価格相場を形成。
  • 将来に売却できそうな価格を一定の精度で見積もることが可能。
  • 売買件数も多く、あまり時間をかけずに買い手を見つけやすい。

一戸建ての資産性

地域差はありますが、一般に中古一戸建ては中古マンションに比べて流通数が少なく、価格は個別性が高くなる傾向があります。また、日本は海外のように建物価値を評価する土壌が低いため、一戸建ての資産性は「土地が残る」という見方がなされる場合があります。

  • 一戸建ての売却を想定した資産性の考え方
  • 近隣の住宅地の土地売買事例を参照し、事例が少ない場合、マンションも含めた同地域の中古住宅の価格相場などを参考にする。
  • 建物と違い、土地は劣化しないため、土地だけでの売却が可能。
  • 「いくらならその土地のニーズがあるか」という視点で買い手を想定したほうがよい。